東日本大震災の発生から11年がたちます。茨城県にも大きな影響をもたらした、東京電力福島第一原子力発電所の事故は、廃炉作業を計画通り終わらせることができるのかが大きな課題となっています。
こうした中、国の研究機関などが開いている廃炉作業を想定したロボットの技術を競うコンテストに、茨城県ひたちなか市にある茨城工業高等専門学校=茨城高専の学生たちが挑戦しました。
どのような思いでコンテストに臨んだのか、取材しました。
(NHK水戸放送局 佐藤志穂 記者)
【ロボットで廃炉作業を】
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉は、最長で40年かかるとされています。現在も、人が立ち入ることができない極めて高い放射線量の場所での作業が必要で、廃炉を進めるためにはさまざまなロボットの開発が欠かせません。廃炉最大の難問とされている事故で溶け落ちた核燃料、いわゆる「燃料デブリ」の取り出しに使われるロボットアームが開発されたり、高線量の場所の線量を計測するロボットなどが使用されてきました。
【若い世代に興味を持ってもらうために】
こうしたなか、日本原子力研究開発機構などは若い世代に廃炉の技術に関心を持ってもらおうと、6年前から福島県で廃炉に特化したロボットコンテスト「廃炉創造ロボコン」を開いています。
今年度は全国12の高専から13チームが参加し、製作したロボットで決められたルートを通り、除染に見立てた作業を行う課題が与えられました。
このコンテストに、茨城高専の学生で永沼光星さん、助川渚人さん、大貫雅哉さんの3人がチームを組んで参加しました。
きっかけは卒業研究のゼミの先生、平澤順治准教授です。