ページの本文へ

  1. トップページ
  2. 科学・文化
  3. 「メタバース」の最前線 茨城県内の活用の動きは

「メタバース」の最前線 茨城県内の活用の動きは

執筆者のアイコン画像つくば支局 浦林李紗(記者)
2022年03月14日 (月)

いま、インターネット上の仮想空間「メタバース」が世界的に注目を集めています。
茨城県内でもさまざまな分野で活用が始まっているメタバースの最前線を取材しました。

(取材:つくば支局・浦林李紗 記者)

【世界のIT企業が投資を進める“メタバース” 】

アメリカのIT大手でSNSの運営を手がける「フェイスブック」が、メタバース分野に注力するとして、去年、社名を「メタ」に変更しました。開発を強化するため、エンジニアなどIT人材を1万人採用するとしています。
同じくIT大手の「マイクロソフト」や、中国のネット検索最大手「バイドゥ」なども、相次いでメタバース事業に参入し、大規模な投資を進めています。

【メタバースとは】

メタバースとは、インターネット上に作られた仮想空間で、いわば現実とは違う、もう一つの世界のことを指します。「meta(=英語の超越、超)」と「universe(=宇宙)」を組み合わせた造語です。

自分の分身、「アバター」で参加し、物理空間と同じようにアバターが集まって活動することで、デジタルのコンテンツを見るだけでなく、その中で人と国境を越えて交流したりゲームを楽しんだりできます。

【国内でも活用の動きは活発化】

日本国内でもメタバースの活用に乗り出す動きが活発になっています。

東京や大阪では、バーチャル空間に都市のまちなみを再現し、観光スポットを紹介したり、イベントを開催したりしようという取り組みが行われています。

20220314u_tn.jpg

大阪府や民間の事業者などが構築する「バーチャル大阪」では、アバターが道頓堀や海遊館などを訪ねることができます。今後は、バーチャル商店街をつくってショッピングを楽しめるようにするほか、ことし夏ごろには大阪市以外の観光地などを紹介するエリアも設ける予定です。

【水戸市の企業 ビジネスチャンスに】

茨城県内でもメタバースを活用する動きが、徐々に広がり始めています。

水戸市のIT企業では、アバターが使うことができるデジタル商品を作成し、ことし1月から販売を始めました。
デジタル商品は、仮想空間を充実させるために必要なアイテムです。これまでに、イスやソファなどの家具やスイーツなどのデジタル商品を作成し、実際に購入する人も相次いでいるといいます。

また、いま新たに乗り出そうとしているのは、商品の販売促進のため、メタバースを活用するビジネスです。
販売するのは茨城県内で生産された茶葉。メタバースの中に茶葉の売り場を作り、商品の説明を記載した看板などを設置し、アバターに売り場を探検してもらいながら、商品の魅力を発信します。そして商品に興味を持ってもらえたら、インターネット上で購入してもらうという流れです。今後は、メタバース上に「売り子」のアバターを置き、お客さんのアバターとコミュニーションを取る販売イベントも実施する予定だといいます。

【建設業界 施工コストの削減に活用】

企業内の業務効率化に活用しようという動きもあります。

つくば市にある建設会社の研究所では、メタバース上で建築物の増改築のシミュレーションができる「メタバース技術研究所」を構築しました。
研究所内の実験棟を3次元モデルで再現したデータを、メタバース上に反映。
これまでは実験室に実物大の模型などを作成し、模型の条件を変えて何度も検討を行うことが必要でしたが、メタバースを使えば、関係者による実験に向けた施工内容の検討が、離れた場所からでも同時に行うことができます。
この結果、施工に要する時間や費用の削減のほか、何度も実物模型を作り直す必要がないため、廃棄物を減らすことができます。
研究所では現在、メタバース上で、「防音効果の高い壁」や「内窓を付けて二重窓にする際のサッシ」などの開発に向けた検討などに取り組んでいます

【教育現場でも活用の動き】

一方、教育分野でもメタバースを活用しようという動きもあります。

茨城県立竜ヶ崎第一高校の定時制の生徒は、世界的に人気のオンラインゲーム「マインクラフト」を使って、メタバースの「校舎」を作成しました。
実際の校舎と同じ間取りで作られ、教室から給食室まで細かいところまで再現されています。
今後、学校ではこの「校舎」で入学説明会を開き、入学希望者に学校を紹介する場にしたいと考えています。

新型コロナウイルスの影響でオンラインでのコミュニケーションが増える中、メタバースに一段と注目が高まっています。2024年には世界の市場規模は8000億ドル、日本円でおよそ90兆円にのぼるという推計もあります。さまざまな可能性を秘めるメタバースの動向から、今後も目が離せません。

現在、茨城県内のメタバースの動きを詳しく取材中です。まとまり次第、「いば6」でお伝えします。

 

 

この記事に関連するタグ

最新の記事