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インターミッション「水府提灯」

執筆者のアイコン画像唐澤宗彦(カメラマン)
2022年08月09日 (火)

「インターミッション」って??

こんにちは。
突然ですが、みなさん「インターミッション」ってご存じですか?
英語本来の意味は「中断」「休憩」などで、映画館などでは上映中の「途中休憩」を指す言葉としても使われていたそうです。

NHK局内で「インターミッション」というと、ニュース番組の中で「季節の花や人々の暮らしを映像と音楽で紹介するコーナー」を指します。情報量が多いニュース項目の合間で、ちょっと息抜きするための「途中休憩」という意味合いです。

しかし「映像と音だけで表現する」ということは、カメラマンにとっては発想と撮影技術が問われるコーナーでもあります。

さて、今回私が取材したのは、江戸時代から水戸で続く「水府提灯」作りです。
お盆やお祭りを盛り上げてくれる提灯作り、夏のインターミッションには最高ですよね。

"熟練の職人技”はお店が閉まってから

20220808k_1.jpg水府提灯は茨城県の伝統工芸品に指定されています。水戸市内に3つあるお店のうち、今回は本町にあるお店に伺いました。

「閉店した後に撮影するのであれば」という条件で取材に応じてくれた、このお店の9代目で県認定の伝統工芸士、蔭山興一さんです。

20220808k_2.jpgなぜ閉店後なのか理由を聞くと、来客があると作業に集中できないためいつも店を閉めた後に作業しているのだと教えてくれました。
職人さんの秘密をこっそり見せていただくようで、楽しみです。

20220808k_3.jpgまず見せていただいたのは「巻き」の作業です。木の枠に和紙で覆った針金を巻いていきます。
力のバランスを取るのがコツだということです。作業が速くカメラで追いかけるのが大変でした。

20220808k_4.jpg次に和紙を貼っていきます。

「紙を押しつけると言うより空気を抜くようなイメージ」ではけを用いるそうです。
リズミカルにはけで和紙をたたく心地よい音が、工房に響きます。 

20220808k_5.jpg最後に撮影したのは提灯に字を描く作業です。凹凸のある和紙に迷わず筆を走らせなければならないため「最も神経を使う難しい工程」と教えてくれた蔭山さん。

実際の作業が始まると、さらさらと寸分の狂いもなく美しい文字を描き出していきます。見事に文字を描き上げる様子を撮影しながら、熟練した職人の技の一端をかいま見た思いでした。

渾身のインターミッション、実は…

 20220808k_6.jpg蔭山さんに気に入っていただいたカットがこちらです。

「今まで何度も取材を受けましたが、このカットは初めて見ました。印刷ではない、墨で書いた質感がきちんと分かりすばらしいです」とお褒めの言葉をいただきました。

しかし実はこのカット、私が撮った映像ではありません…。

同行した音声照明担当のスタッフに「好きに撮っていいよ」と小さなカメラを渡したら、彼女が工夫して撮ってくれていました…。

 

水府提灯作りのインターミッション、いかがでしたか?

いば6のインターミッションは、各カメラマンが「何を撮ったらいいのか」、そして「それをどう表現したらいいのか」、いろいろ考えて作り出しているコーナーです。

興味を持ってご覧いただけたら、とてもうれしいです。

 蔭山さん、大変お忙しいところ取材にご協力いただき、本当にありがとうございました!

 

 

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