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縁起文字にみせられて~橘吉也さん~

執筆者のアイコン画像尼子佑佳(キャスター)
2023年01月12日 (木)

年の初めにふさわしい、縁起の良い「江戸文字」。
このおめでたい文字を書く職人が石岡市にいるということで会いに行ってきました!

※2022年12月放送のものです。

小さいころから江戸文化に夢中

取材したのは、石岡市出身・在住の橘吉也さん(32歳)。(※吉 は土のしたに口)

全国に16人いる橘流の江戸文字職人の中では一番の若手!
去年10月には、お父さんになりました。

20230112a_1.jpg吉也さんが書くのは、寄席などで演目や芸人の名前に使われる伝統の「江戸文字」。客席がびっしり埋まるよう縁起を担いて、太く!濃く!余白を少なく!さらに右肩上がりに書きます。

取材中、こちらの文字の意味について教えてくれました。

20230112a_2.jpg「春夏秋冬」の「秋」のところに「二升五合」。

1年の中で秋が無いので「あきない」。そして「二升」は「ます」が2つで「ますます」。さらに「五合」は一升の半分なので「はんじょう」。
ということで、「年中商い益々繁盛」(ねんじゅうあきないますますはんじょう)と読みます。

ありがたい願いが込められているんですねー。

本当に楽しそうに江戸文字について私たちに教えてくださる吉也さん。書体が縁起いいだけでなく、さまざまな意味や願いが込められている、奥の深い江戸の文化なんだと感じました。

子供のころから文字や模様の意味を考えるのが大好きだったという橘さん。お小遣いを貯めて、昔の文字や半纏のデザインが載っている本を買っていたそうですよΣ(・ω・ノ)ノ!

1年を締めくくる大仕事

今回は、初詣の参拝者を迎える「謹賀新年」の大きな看板を作成する様子に密着しました。

20230112a_3.jpgおよそ1時間かけて丁寧に作られていきました。

★飛躍の年になるよう、飛びはねているウサギ

★「難(なん)」が「転(てん)」じるように、「南天」も描きました。

文字は、温かみも感じられるように意識したそうです。

20230112a_4.jpgこの仕事は、石岡市の常陸國總社宮の禰宜・石﨑貴比古さん(画像左)からのお誘いで実現しました。

20230112a_5.jpg石﨑さんは「大学を辞めてまで、この文字を勉強したい!という気持ちに感銘を受けました。見る者をひきつける力強さがあると感じます。地元でこのような文字を書いてくれる人がいることはとてもありがたいし、地元の人にも親しみを持ってもらえると思っています。」と話していました。

 

取材を終えて

「たずねちゃお」のロケで石岡市にお邪魔したときから「吉也さんをぜひ取材したい!」と思っていました。
なめらかな筆使いで一気に書きあげていくのを間近に見せていただき感動しました。私たちロケクルーのことを気遣い、細かいところまで気を配りながら取材に応じてくださる姿がとても印象的で、吉也さんのおおらかで周りの人を温かい気持ちにさせる人柄が文字にも表れているのではないかと感じました。

吉也さんの文字がもっと広まり、少しでも江戸文字に興味を持ってくれる人が増えたら素敵だなと思います。

書いていただいた色紙!大切にします!

20230112a_6.jpg

「謹賀新年」の看板は、石岡市の常陸國總社宮で1月15日ころまで、そのあとは時期によってさまざまな行事の看板で吉也さんの文字を見ることができるそうです。益々の活躍が楽しみですね(*´▽`*)

 

 

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