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青春を取り戻せ!2年越しの演奏会

執筆者のアイコン画像尼子佑佳(キャスター)
2022年09月06日 (火)

4月下旬、こんなお話を聞きました。 

「新型コロナで高校3年生のときに何もできなかった世代が、リベンジの演奏会をしようとしている。」

失われた時間を取り戻そうとする若者たちのひと夏の挑戦を追いました。

 

新型コロナから得たきっかけ

この活動の代表は、現在、北海道大学に通っていて、札幌にいることが判明。私のふるさとまで、さっそく会いに行きました!
出会ったのは、水戸第一高校・吹奏楽部出身の圓谷夏音さん。

20220901a_1.jpg圓谷さんは、新型コロナウイルスの流行が拡大し始めた2020年、高校3年生でした。高校最後の定期演奏会、学園祭、コンクール、新型コロナの影響で活動の機会がどんどんなくなっていく…。「悲しさ」や「悔しさ」、やるせない気持ちをたくさん感じたと話してくれました。

 そんなときに圓谷さんが思ったこと。

「制約のあるいまは耐えて、数年後に自分たちの手で青春を取り戻そう」

 卒業後、圓谷さんは演奏会のリベンジに向けて動き出しました。

演奏会実現への長い道のり

まず初めに声をかけたのは、水戸一高吹奏楽部の同級生。この先、運営メンバーとして動いていく4人の仲間が集まりました。

20220901a_2.jpgホールの予約期限である『本番の1年前、2021年8月までに団員が35人以下ならばこの企画を白紙に戻す』という目標を立て、団員の勧誘に力を入れました。同じ思いを経験した同学年の茨城県出身の人に、知り合いから知り合いへ声をかけ、結果60人以上の団員を集めることができました。

 ことし6月には、活動資金を集めるクラウドファンディングを実施。目標金額75万円を大きく上回る104万4千円が集まり、演奏会の実現が現実味を帯びてきました。

20220901a_3.jpg対面での練習が始まったのは8月15日。出身は茨城でも、進学などで県外に出てしまっている人が何人も。本番前に帰省できるわずかな期間で、合宿を行い、それぞれができることに力を入れました。

20220901a_4.jpgこの練習で初めて顔を合わせる団員も多数。先に練習に参加している団員が、初めて来た人に積極的に話しかけ、うちとけやすい雰囲気作りをしたことで、出会って2週間とは思えない仲になりました。

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演奏会から得たこと

8月27日、本番当日。

団員全員が揃ったのは、この日が初めてでした。不安はないかたずねると…

「たくさん自主練をした。そして同じ思いを持っているのが分かっているから楽しみの方が大きい。」

緊張の中、迎えた本番。

2年分の思いを乗せて、約2時間の演奏を終えると、客席からは盛大な拍手が送られました。

20220901_6.jpg「iBウィンドオーケストラ」の発起人、そして指揮者として楽団を引っ張ってきた圓谷さん。演奏会を終えての率直な気持ちを聞きました。

圓谷夏音さん
大変なことはいろいろあるけれど、目標さえあれば、みなさんのお力を借りて実現できるんだと感じた。見てくれた方が何か挑戦するきっかけになれば嬉しい。高校時代の青春ではないけれど、人生の中でずっと思い出すだろうと思えるひとつの青春になった。

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取材を終えて

キャスター 尼子佑佳
新型コロナウイルスの流行で、誰もが制限を受けざるを得ませんでした。しかし、そこから少しでもプラスの面を見つけ、行動し、形にしていく。そんな姿に私ももっと頑張らなければと背中を押されるようでした。みなさんのもう一つの青春に触れ、時間を共有することができて、本当に良かったです。
ディレクター 山崎空見
2年前、新型コロナが流行り始めて以降、学生や若い人たちが何かと制限を受けるというニュースをよく目にし、それが当たり前のように感じつつありました。しかし当然その裏には、「悲しさ」「悔しさ」があったことを、楽団員への取材の中で強く感じました。その思いをバネに一致団結し、ひとつの目標に向かって進む姿はまさに青春でした!それを間近で見ることができて、自分にとってもずっと思い出すひと夏の思い出になったと思います。

 “次こそは会場を満員にしたい!”その思いから、もう一度だけ「iBウィンドオーケストラ」で演奏会をやるそうです。

令和5年3月16日(木)@ひたちなか市文化会館

 新型コロナの状況も良くなって、たくさんの方に生の演奏が届きますように。

若者たちの勇姿をお見逃しなく!

 

 

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