未解決事件

大型シリーズ
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File.08 JFK暗殺

演出ノート

演出ノート
(ドラマ 脚本・演出 西村 武五郎)

「自分の人生が、誰かが描いたシナリオ通り歩まされていたら」
JFK暗殺の謎の発端ともいえるのは、「I’m just a patsy(はめられた!)」というオズワルドの最期の言葉です。そして膨大な取材で見えてきたのは事件前に作られる『カバーストーリー』という事件のシナリオでした。今回ドラマでは、海外の俳優陣とともにその奇妙なオズワルドの足跡を描きました。

取材や証言を映像に起こし芝居を撮るのは、実証実験に近い作業でもあります。
肉体の「物理」を追求すると辻褄の合わない「記憶と記録」も浮き彫りになっていく。
いったい何が真実なのか。記憶と記録と物理がせめぎ合います。
そしてそれぞれに「意思」があるわけです。
例えばオズワルドの妻の証言にある「オズワルドが暗殺前日に、翌日から新居に移り住む提案をしていた」ということも、さてどうすれば説明がつくのでしょうか。

本人の意思か、誰かのシナリオなのか。
自らも暗殺され証拠が残っていないオズワルド本人の「意思」。それ故に猟奇的な暗殺犯と信じられてきた人間性や行動。残された断片からオズワルドの足跡を描こうとすればするほど、不可思議な事件の構図が立ち上がっていきました。

そしてそのスタートは、日本の厚木でした。厚木、ソ連そしてアメリカを結ぶ壮大なミステリーを体感していただければと思います。

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ドラマ 脚本・演出 西村 武五郎