もどる→

アニメ職人たちの凄技アニメ職人たちの凄技

【第59回】
今回、スポットを当てるのは、
ケシュ#203(ケシュルームニーマルサン)

プロフィール

仲井陽(1979年、石川県生まれ)と仲井希代子(1982年、東京都生まれ)によるアートユニット。早稲田大学卒業後、演劇活動を経て2005年に結成。
NHK Eテレ『グレーテルのかまど』などの番組でアニメーションを手がける。
手描きと切り絵を合わせたようなタッチで、アクションから叙情まで物語性の高い演出を得意とする。100分de名著のアニメを番組立ち上げより担当。
仲井希代子が絵を描き、それを仲井陽がPCで動かすというスタイルで制作し、ともに演出、画コンテを手がける。
またテレビドラマの脚本執筆や、連作短編演劇『タヒノトシーケンス』を手がけるなど、活動は多岐に渡る。
オリジナルアニメーション『FLOAT TALK』はドイツやオランダ、韓国、セルビアなど、数々の国際アニメーション映画祭においてオフィシャルセレクションとして上映された。

ケシュ#203さんに「カラマーゾフの兄弟」のアニメ制作でこだわったポイントをお聞きしました。

ドストエフスキー作品は、『罪と罰』に続いて2作目。 『カラマーゾフの兄弟』の登場人物たちは曲者揃いです。彼らをキャラクターにするうえで、分かりやすいアイコン的造形だけでなく、その奥に秘めた思考や哲学も分かるように表情や仕草を設計しています。特に父フョードルは憎らしいだけでなく、その特有の狡さを持った顔として描くのに苦労しました。

人間の業に満ちたこの作品をビジュアル化するにあたって、カラマーゾフ家のキーカラーは黒としました。この黒は、いずれ起きる喪を想起させるように、また、父フョードルの身に着けるものには深い赤を使用。これは血を表しています。

また、イワンのたとえ話など残酷な描写が度々登場するのですが、過度にグロテスクにならないよう人形劇に見立てるなどの工夫をし、原作の世界観を損なわず、かつどんな方にでも視聴して頂けるよう心掛けました。

長大で重厚な『カラマーゾフの兄弟』、その物語世界に入る一助となれば嬉しいです。

ページ先頭へ
Topへ