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アニメ職人たちの凄技アニメ職人たちの凄技

【第58回】
今回、スポットを当てるのは、
山中澪/川口恵里(ブリュッケ)

プロフィール

写真左-演出:山中澪
愛媛県生まれ。神戸大学発達科学部人間表現学科卒業。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。アニメーション関係で活動中。

写真右-イラスト:川口恵里(ブリュッケ)
多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。2016年より株式会社ブリュッケに所属。アニメーション作家/イラストレーターとして、TV番組、企業CM、音楽PV、ワークショップ等、幅広く手掛ける。線画台を用いた、空間と光を活かした画づくりが得意。

山中澪さんに「善の研究」のアニメ制作でこだわったポイントをお聞きしました。

今回は「真の実在」に関することを、アニメーションという言わば「偽の実在」によって描くということで、どのような絵にするか悩みました。アニメーションが「本来実在しないもの」だからこそ描けることでもあると思うので、やりがいも感じましたし、これからも考えていきたいです。気に入っている点のひとつは、最後に「若い西田と年老いた西田がすれ違う」場面を作れたことです。「善の対象の人類には時代を超えた人々も含む」という話がでてきていたので、このような瞬間が絵にできたら美しいだろうなと思いました。意味合いは違うかもしれませんが、「シンプルな円」にも繋がる瞬間だなと感じています。

川口恵里さんに「善の研究」のアニメ制作でこだわったポイントをお聞きしました。

西田の「純粋経験」という言葉を聞いて、見たままに描くデッサンを習った頃を思い出しました。デッサンは 描き方は教わりますが 結局は、自分だけが発見をしたかもしれないこの事実や美しさをそのまま伝えたいと思えたものがどれだけあるかによって、その時の描き起こす意欲と画力と表現力が断然変わったものでした。
その向き合い方だけ意識しながら西田の人物像を勝手に作らないように、 人が他人の目を憚らず無意識に何度も髪を触ったり貧乏ゆすりしたり、何か集中している時のふとした表情を意識して描くようにしました。西田のままお届け出来たかわかりませんが、そんなことを思いながら描きました。

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