おもわく。

エーリッヒ・フロム「愛するということ」

2月14日はバレンタインデー。愛を告白したい、確かめたいという人も多いでしょう。そこで「100分de名著」2月シリーズは、フロムの「愛するということ」を取りあげます。
「愛するということ」はノウハウ本ではありません。愛の本質を分析した思想書です。1956年に出版されて以来、世界的なベストセラーとして読みつがれてきました。
著者のエーリッヒ・フロムは、1900年、ドイツでユダヤ人として生まれました。フロイトの流れをくむ精神分析家であると同時に、ファシズムを非難し、人間性の回復を説いた社会思想家として知られています。
この書でフロムは人間とは死を知っている存在だとしました。そしていつか死ななければならないという自意識が、孤独への恐怖を生んでいると考えました。この孤独の恐怖を解消するために人は他者との一体化をめざす。それが愛の本質だとフロムは言います。
 番組では、愛を通して人間の本性を学びます。そして人はどのように孤独と向き合うべきか、よりよい人生を送るためのヒントを探っていきます。

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第1回 愛は技術である

【放送時間】
2014年2月5日(水)午後11:00~11:25/Eテレ(教育)
【再放送】
2014年2月12日(水)午前5:30~5:55/Eテレ(教育)
2014年2月12日(水)午後0:25~0:50/Eテレ(教育)
※放送時間は変更される場合があります
【ゲスト講師】
鈴木晶(法政大学教授)

現代人は資本主義市場での“好都合な交換”に慣れているため、相手が条件にあうかどうかばかりを気にしている。そして“恋愛市場”のどこかに運命の人がいると思っている。果たしてそれは正しいのだろうか?フロムは、相手が見つからないのは、その人に他人を愛する力が足りないからだと言う。第1回では、愛には技術が必要であることを学ぶ。

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第2回 傷つくのが怖い

【放送時間】
2014年2月12日(水)午後11:00~11:25/Eテレ(教育)
【再放送】
2014年2月19日(水)午前5:30~5:55/Eテレ(教育)
2014年2月19日(水)午後0:25~0:50/Eテレ(教育)
※放送時間は変更される場合があります
【ゲスト講師】
鈴木晶(法政大学教授)

ユダヤ人として2度の世界大戦を経験したフロムは、ファシズムの心理と恋愛には共通点があると考えた。他者と一体化したいという願望の対象は、個人間の関係にとどまらない。民族や宗教など様々だ。人間は自分を集団に融合させることで、孤独を忘れようとする習性があるのだ。第2回では、愛を通して人間の負の側面を見つめる。

名著、げすとこらむ。ゲスト講師:鈴木晶「愛――この素晴らしきもの」
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第3回 生身の人間とつきあう

【放送時間】
2014年2月19日(水)午後11:00~11:25/Eテレ(教育)
【再放送】
2014年2月26日(水)午前5:30~5:55/Eテレ(教育)
2014年2月26日(水)午後0:25~0:50/Eテレ(教育)
※放送時間は変更される場合があります
【ゲスト講師】
鈴木晶(法政大学教授)

愛とは本来“与えること”にある。それはギブ・アンド・テイクが保証されているものではない。しかしそれでも与えなくては始まらない。なぜなら人は、与えられたことで変わるからだ。フロムは様々な角度から、どのような人間関係を築くべきかを詳細に語っている。第3回では、成熟した大人の愛とは何か?そのあるべき姿について考える。

もっと「フロム」
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第4回 本当の愛を手に入れる

【放送時間】
2014年2月26日(水)午後11:00~11:25/Eテレ(教育)
【再放送】
2014年3月5日(水)午前5:30~5:55/Eテレ(教育)
2014年3月5日(水)午後0:25~0:50/Eテレ(教育)
※放送時間は変更される場合があります
【ゲスト講師】
鈴木晶(法政大学教授)

フロムは、現代人は自我を抑制して生きざるを得ない状況に置かれており、常に大きな孤独を抱えていると言う。現代人は精神的に極めてもろい存在なのだ。しかし正しい愛のためには、自我の確立が欠かせない。また愛が社会全体に及ぼす影響を知り、社会を変えていく勇気も忘れてはならない。第4回では、本当の愛を手に入れるための心構えを語る。

NHKテレビテキスト「100分 de 名著」はこちら
○NHKテレビテキスト「100分 de 名著」
フロム「愛するということ」2014年2月
2014年 1月25日発売
定価550円(本体524円)

From THE ART OF LOVING by Erich Fromm
 c 1956 by Erich Fromm
 Permission arranged with HarperCollins Publishers Ltd, New York
 through Tuttle-Mori Agency, Inc., Tokyo

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こぼれ話。

「愛するということ」こぼれ話

恋人を愛し、家族を愛し、隣人を愛する―。それができれば良いのですが、世の中なかなか簡単にはいきません。ストーカーによる犯罪も多発していますし、孤独を癒やせず苦しんでいる人も多いでしょう。

「愛するということ」は、一見、当たり前のことを言っているような面もありますが、人間関係について悩んでいる人にとっては、頭の整理になる本だと思います。また社会全体のあり方についても、考えることが出来ます。それぞれの人にとって、自分の立ち位置を見つめ直すきっかけになればと、今回取り上げました。

次回シリーズは「孫子」。兵法書でありながら、背景に不戦の思想があるという、興味深い書です。新年度を前に、仕事のやり方を見直したいという方にもおすすめです。どうかお楽しみに。

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