ずっとしこく #30 ソプラノ歌手 岡本知高さん ずっとしこく #30 ソプラノ歌手 岡本知高さん

藤「今回ご紹介するのは世界でも数少ない女性ソプラノの音域の声を持つ声楽家、ソプラニスタの岡本知高さんです。」

藤「よろしくお願いします。」

岡本「よろしくお願いします。」

首藤「いやぁ、何から伺いましょう。あはは。」

岡本「あはは。」

藤「普段のお声も高くていらっしゃいますよね。」

岡本「そうですね。若干高いです。僕の声というのは元々高いんですよ。裏声に一生懸命ひっくり返しているのではなくて、男性のソプラノなんです。男性のソプラノ歌手を“ソプラニスタ”といいます。音楽大学に進みたいなと思ったのは中学時代だったんですけど、吹奏楽部だったので楽器で黙々と音大受験を志していたのですが、17歳の夏ぐらいに“面白い声だね”って声楽の先生が見つけてくださって。」

藤「例えばですけど、どういう曲が。」

岡本「皆さんがご存じだと、中島みゆきさんの糸とかね。♪縦の糸はあなた~ って僕が歌うと、ちょっとニュアンスが変わってまた聴いてもらえるので・・・どの歌をとっても自分の言葉としてお客様にお届けできる。だから考え方とか生き方とかが自分と合っている曲を選ぶようにしていますね。」

首藤「へぇ。」

本「僕にとって自分の中ではあんまりジャンルに垣根がなくて、例えば美空ひばりさんの“川の流れのように”を歌う時には、僕にとっては宿毛の川がね、松田川だったり近くにある四万十川だったりとか、知ってる川が出てきて、自分の人生の紆余曲折があったな、壁にもぶち当たったな、といろんなことを・・・。歌っていうのは僕にとっては思い出が全部向こうから来てくれるんですよ。自分の知ってるふるさとの景色が歌っていると見えてくるんですよ。僕にとって客席全体はスクリーンのようなもので、こんな環境の中に自分は育ったんだっていうのが歌うたびに感動できるの。」

#学校でコンサートをする理由は

藤「いろんな人に聴いていただきたいということで、学校でコンサートも数多くされていますよね。」

岡本「楽しいんですよ、これが。子どもたちがなんか楽しそうに見てくれるんですよ。なんかすごいの出てきたって、お腹空かせた池の鯉(こい)みたいにね、ぽかーんってもう、僕が出てくるとみんなぽかーん、このまま行きますから。」

首藤「あはは。ちょっと想像つきますね。」

岡本「そういう生で接した時の体でびりびりって感じる声とか、なんかそういうものだけ感じてもらえれば。何でもいいんですけど人が感じるっていうことが僕にとっては比べられない、本当に価値の高いことなんですよ。本当にかわいい1年生2年生たちが泣いてたりするわけ。」

首藤「どうしてですか。」

岡本「わからないけど涙が出てきたって。」

首藤「すごい感受性ですね。」

本「しかも隣の子がその泣いてる子の背中をさすってあげてたりするんですよ。こっちも泣きたくなっちゃって、それはなんかエネルギーの交歓会っていうか。やっぱり歌として表現するっていうことは僕の喜びなんですよ。歌って楽しいなって思うし時々歌って苦しいなとも思うけど、でもやっぱり生涯ずっとずっとこのでっかい肺の中の息がなくなるまで歌いたいなって思っていますね。」

藤「宿毛の身近な環境がとっても岡本さんの優しい雰囲気に現れているなっていう風に思いました。岡本さんの話を聞いて子どもたちが素直に感じる、それがとっても豊かな大事なことで、そこをどんどん伸ばせていけたら幸せにつながるのかなって。」

首藤奈知子の「ずっとしこく」取材日記 首藤奈知子の「ずっとしこく」取材日記

「ずっとしこく」第30回は、高知県宿毛市のご出身、ソプラニスタの岡本知高さんです。


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