兼題:鶯(うぐいす)「はじめの一歩!」


◆正しい表記とは?

固唾のむ 鳴けうぐいすよ「ほーとけよ!」 Sonyist

ウグイスと トンカチの音 ロックだぜ     宏峰

ウグイスが 季節の訪れ 知らせてる       マサヤン

鶯の声  音読はホーホケキョ             花  小雪

老梅の  巣から歩んで ケキョケキョ      高畑よしき

[解説]
五七五の間を空けないのが、俳句の基本的な表記です。テレビの俳句番組で三行書き(あるいは二行書き)にしているのは、テレビの画面が四角という事情からです。まずは正しい表記を覚えましょう。

 

◆季重なり

ウグイスに桜も一瞬飛び起きる   しわくdai

鶯のさえずり聞くと春近し       あかさま

鶯や四月の風と擦れ違い        ぱぴ

[解説]
季重なりはタブーではありませんが、たった17音の中に季語が二つも三つもあるのは、狭い舞台に主役が二人も三人も立っているようなもの。それを成功させるのは、とても高度な技術が必要です。初心のうちは、一句一季語からコツコツ練習しましょう。

 

◆季語ではない使い方

心長閑うぐいす色の和菓子箱          霞

春近し鶯色で餡包む                 光恵

[解説]
「うぐいす色」のような使い方は、季語としての力が弱くなります。兼題「鶯」とあれば季語として使うのが基本です。

 

◆別の季語

唾を飲む鶯合5秒前     島村福太郎

[解説]

兼題「鶯」は動物の季語、この「鶯合」は人事の季語になります。歳時記を確認してみましょう。

◆添削

天に召されし君ひととせ初音(はつね)告ぐ       さぬきの風

[解説]
調べがギクシャクしています。「天に召されし」でかなり音数をとっていますので「逝く」という動詞を使ってみましょう。

【添削例】君逝きてはやひととせと初音(はつね)告ぐ

 

うぐいすや恰好(かっこう)崩して鳴けないのかな   ひよとり2

[解説]
この「かな」は詠嘆ではなく、口語の「~かな?」というニュアンスになっているのだとは思います。多少の俳句らしさを確保するのであれば、以下のような書き方もあります。

【添削例】 恰好を崩して鳴けぬ鶯よ

 

初音(はつね)聞く入浴介助来し朝       一港

[解説]
問題点は「来し」の「し」です。本来は、過去を意味する助動詞「き」の連体形になるので過去において入浴介助がきた朝、という意味になってしまいます。

【添削例】初音聞く入浴介助来る朝(あした)

【添削例】初音聞く入浴介助来たる朝

このようにすると、過去ではなくなります。

さらに「聞く」が必要かどうか、「鶯の初音」という本来の傍題が使えないか等の推敲ポイントが残りますので、ご自身で挑んでみて下さい。

 

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投稿時間:2021年03月13日 (土) 07時55分


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