兼題:桜 添削「はじめの一歩!」


●三津で釣りアジいわしアジさくら鯛  一丘
[解説]
大漁でよーござんした!と言いたいところだが、兼題「桜」は春の植物の季語。
「さくら鯛」は「さくら」の文字は入ってるが、春の動物の季語。
季語は、時候・天文・地理・人事・動物・植物の六つのジャンルに分類されることを覚えましょう。


●嫁ぎ来た町の桜を涙目で  宇都宮千瑞子
[解説]
「~を~で」という文脈が、散文的です。つまり、普通の文章になっているのです。
 俳句は韻文。調べを作りましょう。
【添削例】 嫁ぎ来し町の桜よ○○○○よ
「来た」を「来し」と文語に替えると、ちょっと格調高くなります。
下五「涙目で」と自分の感情を述べるのではなく、映像を描写してみましょう。
例えば・・・
【添削例】 嫁ぎ来し町の桜よ潮風よ
【添削例】 嫁ぎ来し町の桜よ山彦よ
【添削例】 嫁ぎ来し町の桜よ川音よ
【添削例】 嫁ぎ来し町の桜よビル群よ
下五をどう描くかによって、「嫁ぎ来し町」がどんな場所であるかも表現できます。


●天からの文で雪割桜や白  野中泰風
[解説]
この句の「で」も散文的です。助詞を替えると、作者の意図が伝わりやすくなります。
【添削例】 天からの文か雪割桜の白

 

●渦潮のむ桜花見山より来  ペトロア
[解説]
季重なりの一句。「鳴門大橋から花見山の桜の花びらであろう花弁が舞っていた」というのが作者の意図。
となれば、「のむ」はやや言い過ぎでしょうか。
【添削例】 花見山よりの花弁よ渦潮よ
こうすると、季重なりも成立しますし、調べも整います。


●四万十に清き流れし花筏  翡翠
[解説]
「花筏」は桜の花びらが水に集まって浮かんでいる様子を、筏に喩えた季語です。
上五の「に」がやや散文的。「し」は過去の意味になるので、これは直しましょう。
【添削例】 四万十の流れや清き花筏


●盛りなる桜病む如水銀灯    ドイツばば
[解説]
 感覚はとても鋭くてよいです。ただ、「病む」が「盛りなる桜」なのか、
「水銀灯」なのか、そこが分かりにくいのです。
「桜」を比喩にすると、季語としての力が落ちますので、
 たぶん「病む」は水銀灯にかかるのではないかと推測。
【添削例】 水銀灯病むごと盛りなる桜

 


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投稿時間:2020年04月11日 (土) 07時55分


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