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番組紹介 放送予定 これまでの放送 出演者紹介

12月1日(月)  第226回
菓子研究家 太田達
橘は 実さへ花さへ その葉さへ 枝に霜置けど いや常葉の木
聖武天皇 (巻6・1009)
橘(たちばな)は実も花もすばらしい それからその葉までも
枝に霜が降りても枯れ落ちない いよいよ常緑の美しい木である

12月2日(火)  第227回
作家 田辺聖子
今更に 何をか思はむ うちなびき 心は君に 寄りにしものを
安倍女郎 (巻4・505)
いまさらに何を思うことなどありましょうか
うちなびいて わたしの心はあなたに寄り添ってしまったのですもの

12月3日(水)  第228回
作家 リービ英雄
田子の浦ゆ うち出でて見れば ま白にそ 富士の高嶺に
雪は降りける
山部赤人 (巻3・318)
田子の浦を通り 眺めのよいところに出て望み見ると
真っ白に富士の高嶺に雪が降り積もっている

12月4日(木)  第229回
雅楽師 東儀秀樹
我が里に 大雪降れり 大原の 古りにし里に 降らまくは後
天武天皇 (巻2・103)
おまえはうらやましかるだろうな
私の里にはもう雪がたんと降り積もってきている
そなたの住む大原の古びた里に雪が降るのはしばらく先になるのだろうからね

12月5日(金)  第230回
発酵学者 小泉武夫
価なき 宝といふとも 一坏の 濁れる酒に あにまさめやも
大伴旅人 (巻3・345)
値のつけようがないほど貴い宝といっても 1杯の濁り酒にどうして勝ろうか

12月8日(月)  第231回
染色家 吉岡幸雄
紅は うつろふものそ 橡の なれにし衣に なほ及かめやも
大伴家持 (巻18・4109)
鮮やかで目立つが紅花で染めたものは色がさめるものだぞ
どんぐり(の煮汁)染めの着なれた衣に やはり及ぶだろうか
かなわないものさ

12月9日(火)  第232回
歌人 岡井隆
桜田へ 鶴鳴き渡る 年魚市潟 潮干にけらし 鶴鳴き渡る
高市黒人 (巻3・271)
桜田の方へ鶴が鳴きながら飛び渡って行く
年魚市潟(あゆちがた)では潮が引いたらしい
鶴が鳴きながら飛び渡って行く

12月10日(水)  第233回
詩人 吉増剛造
玉藻なす 寄り寝し妹を 露霜の 置きてし来れば この道の
八十隈ごとに 万度 かへり見すれど いや遠に 里は離りぬ
いや高に 山も越え来ぬ 夏草の 思ひしなえて 偲ふらむ
妹が門見む なびけこの山 (抜粋)
柿本人麻呂 (巻2・131)
渚に寄せる美しい海藻(も)が揺れてからみあうように寄り添って寝たあの人を
露霜の置くように置きざりにして来たので この道のたくさんの曲がり角を
通るたびに 何度も何度も振り返って見るが
そのうちだんだんあの人の里は遠ざかってしまった
だんだん高く山も越えて来てしまった
いまごろ夏の日差しでしぼんでしまう草みたいにしょんぼりしてしまって
わたしをしのんでいるだろうな
ああ その愛しい人の門(かど)を見たいのだ なびいて低くなってしまえ
この山よ (抜粋)

12月11日(木)  第234回
吉田流鷹匠 箕浦芳浩
矢形尾の 真白の鷹を やどに据ゑ 掻き撫で見つつ 飼はくし良しも
大伴家持 (巻19・4155)
矢形尾の真白なタカを家に置いて なでて眺めながら飼うのはよいものだ

12月12日(金)  第235回
歌舞伎俳優 市川亀治郎
大君は 神にしませば 天雲の 雷の上に 廬りせるかも
柿本人麻呂 (巻3・235)
天皇は神でいらっしゃるので 
天雲の雷(いかづち)の上に庵(いおり)をしておられることだ

12月15日(月)  第236回
俳優 浜畑賢吉
さし鍋に 湯沸かせ子ども 櫟津の 檜橋より来む 狐に浴むさむ
長意吉麻呂 (巻16・3824)
さし鍋に湯を沸かしておけ みなの者
あの櫟津(いちひつ)の桧橋(ひばし)を「こん」と渡ってくるキツネに
ぶっかけてやろう

12月16日(火)  第237回
元サンパウロ大学教授 ジェニ・ワキサカ
東の 野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ
柿本人麻呂 (巻1・48)
東の野にかげろうの立つのが見えて 振り返って見ると月は西に傾いている

12月17日(水)  第238回
写真家 井上博道
百伝ふ 磐余の池に 鳴く鴨を 今日のみ見てや 雲隠りなむ
大津皇子 (巻3・416)
磐余(いわれ)の池に鳴いているカモを今日を限りと見て
私は雲に隠れ去って死んで行くのか

12月18日(木)  第239回
映画監督 篠田正浩
新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いや頻け吉事
大伴家持 (巻20・4516)
新しい年の初めの正月元旦 立春も重なった
今日降るめでたい雪のように ますます重なれ 良いことよ

12月19日(金)  第240回<終>
女優 檀ふみ
かくのみに ありけるものを 萩の花 咲きてありやと 問ひし君はも
余明軍 (巻3・455)
このようにはかなくなられるお命でしたのに
「ハギの花は咲いているか」とお尋ねになった君は ああ


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