2019年3月19日

2019年03月19日 (火)群馬県の秘湯(井口 治彦局長)


 

秘湯ということばを聞くと、みなさんどんな場所をイメージされるでしょうか?「温泉王国、群馬」で、みなさんそれぞれ「ここだ」という場所があるでしょう。電気やガスがなく、あるのはランプだけ、というような場所もあるかもしれません。私は過日横川駅から車で40分ほど山あいに入ったところにある、霧積(きりづみ)温泉を訪ねました。

霧積温泉の歴史は、江戸時代末期までさかのぼることができます。かつては何軒か旅館があったようですが、現在は一軒だけとなっています。この旅館を訪れた人たちの中には勝海舟、伊藤博文、岡倉天心、与謝野晶子・鉄幹夫妻、幸田露伴・成友兄弟、また西条八十といった、教科書で習った名前が残されています。同時代では森村誠一さんや先ごろ他界された市原悦子さんといった名前も見つけることができます。

ここにいると聞こえてくるのは、川のせせらぎだけ。周りを見ても360度、山と空だけです。建物は明治時代に建てられた棟がそのまま現在でも使われており、柱は歴史を刻んできた貫禄が伝わってきます。電気はありますが、私の携帯は圏外。圏外という表示に最初は戸惑いもありましたが、すぐに慣れました。普段何気なしに見てしまい、時間が過ぎてしまいます。そんな日常を忘れるいい機会となりました。

ただただ山をながめ、流れる水の音に耳をすます、豊かな湯の恩恵を受けながら、こんなぜいたくな時を過ごすことができたのです。

伊藤博文初代首相は、この旅館に滞在中に明治憲法の素案を考えていたとされています。時をさかのぼること150年あまり、自分がいる同じ場所で、明治の元勲は日本の国づくりにどのように思いを馳せていたのでしょうか?

霧積温泉は、時空を超えて私にとっての「宝のような秘湯」となりました。

 

20190319.JPG

 

投稿者:井口治彦 局長 | 投稿時間:13:53 | カテゴリ:井口治彦 局長 | 固定リンク

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