兵庫の食材紹介 

淡路のたまねぎ・明石の鯛(たい)、たこ・郷土料理「ぼっかけ」

淡路のたまねぎ

たまねぎの生産量全国トップクラスの兵庫県。その95%が淡路島で生産されています。年間を通じて瀬戸内海特有の温暖で日照時間の長い気候に恵まれ、かつ水はけのよい土壌を持つ淡路島は、玉ねぎの栽培に適した地域で、明治以降130年にわたって生産が続けられてきました。
淡路島のたまねぎの特徴は「甘さ」と「柔らかさ」。9月の種まきから10月~12月の苗植え、4月~8月の収獲まで、長い時間をかけて寒暖の中でじっくりと育てられることで「甘さ」と「柔らかさ」が育っていきます。収穫のときも一工夫。通常は地上にまっすぐに立っている葉が倒れると収穫のサインですが、淡路島ではそこからさらに一週間、土の中でたまねぎを完熟させてから収穫します。
また、淡路島たまねぎは、収獲後に玉ねぎ小屋へ玉ねぎをつるし、長期保存のために乾燥させます。乾燥時に余分な水分がなくなり甘さが増し、色つやも際立つと言われています。

明石の鯛(たい)・たこ

兵庫県南部の明石市と淡路島に挟まれた幅約3~4キロメートルの明石海峡。激しい潮の流れで海の難所としても知られていますが、その急潮流の中でもまれる魚は身が引き締まり、豊富にいるプランクトンやいかなご・えび・かになどのエサをたっぷりと食べることで味が良くなっていきます。
そんな明石の魚の代表が「たい」。春先から初夏にかけて水揚げされる明石のたいは、姿たちが美しいことから"桜鯛"、秋は体色が赤みを増すので"紅葉鯛"と呼ばれています。春、産卵のために明石海峡に来遊した桜鯛はあっさりとした味。対して越冬のため南に下る前の紅葉鯛は上質な脂を蓄えた濃厚なうまみが特徴です。
水深80mほどの海底から引き揚げられるたいは、そのままだと浮き袋が膨らんで弱ってしまうため、すぐに極太の針をお腹に差して浮き袋に穴を開けます。こうすることで、たいを生きたまま港に持ち帰ることができるのだとか。そして水揚げ後は漁協のいけすへ。生きたまま競りにかけるところもあり、鮮度を保つ工夫がされています。さらに、「神経締め」と呼ばれる高度な技術で活締めにして出荷されています。
「明石だこ」は明石海峡周辺から明石沖で漁獲されたマダコです。明石海峡周辺の海底は岩場や砂場など起伏が激しいところに速い潮流が複雑に入り組んでいるので、そこで育つ「明石だこ」は激しい潮流に流されないようにふんばるため「足が太く短い」ことが特徴です。歯ごたえがありながら、柔らかく、甘みがあり、かみしめるほどに味が出ます。
そのたこを使った「明石焼き」はたこ焼きのルーツとも言われる、明石のソウルフード。具はシンプルにたこだけ。卵をたっぷり使った生地にだしを吸わせてツルリといただきます。
さらに、「明石だこ」でつくる「干しだこ」も明石の夏の名物。つられたたこが風に揺れるユーモラスな姿を浜の至るところで見ることができます。

郷土料理「ぼっかけ」

幕末の慶応3年(1867年)神戸港が開港し、その時外国人が持ち込んだのが「食肉文化」です。県北部の但馬地方で水田耕作や荷運び用の役牛として育てられていた但馬牛を食べてその味に感銘を受けたことから、今に続く最高級牛肉「神戸ビーフ」の歴史が始まったと言われています。
その後、文明開化の流れの中で日本人の中にも牛食が広がっていき、やがて現在の神戸市長田区のあたりで生まれたのが、郷土料理の「ぼっかけ」。高価な牛肉の中でも安く買えるすじ肉を使い、こんにゃくと一緒にしょうゆで甘辛く煮込んだ庶民的な料理です。硬くて食べにくい筋肉をトロトロになるまで煮込むことで食べやすくした「ぼっかけ」は、関西の食文化の神髄でもある「始末」(=食材を使いつくす、それぞれに合った料理法で美味しく食べきる)の料理の一つとも言えるかもしれません。
なんにでも「ぶっかけて」食べるのが名前の由来の一つだそうで、ごはんにかけるのはもちろん、うどんや焼きそばなど様々な料理にかけて食べられてます。
阪神・淡路大震災後の復興の際には、「ぼっかけ」の食イベントなどを通して地域再生を目指す取り組みが行われ、神戸の「ぼっかけ」は広く全国に知られるようになってきています。