岐阜県の食材・郷土料理 

へぼ料理・富有柿・鶏ちゃん・漬物・漬物料理

日本列島の中央、内陸部に位置する岐阜県。北と南の大きく二つの地域に分かれ、北部の飛騨地方は、厳しい冬の寒さに包まれ、豪雪地帯ならではの暮らしがみられます。飛騨の白川郷合掌造り集落は世界遺産にも登録され、高山の古い街並みは「飛騨の小京都」とも呼ばれています。一方、南部の美濃地方は比較的温暖な気候で、西部には濃尾平野が広がり、木曽川・揖斐川(いびがわ)・長良川の木曽三川が流れる水に恵まれた地域です。
毎年5月中旬から10月中旬まで行われている長良川の「鵜飼い」はおよそ1300年続く夏の風物詩。鵜匠と呼ばれる漁師が鵜を操ってアユを捕まえる姿は毎年多くの観光客を集めます。アユは県の魚にも指定されている代表的な川魚の一つです。
飛騨牛は県内で肥育された最高級の黒毛和牛。肉質はきめ細かく柔らかで、とろけるようなうまみは「牛肉の芸術品」とも呼ばれています。
また飛騨・美濃には、古くから栽培されている伝統野菜が27品目あり、漬物でよく食べられる「飛騨の赤かぶ」や織田信長が朝廷に献上した記録が残っている「まくわうり」はよく知られています。

郷土料理「へぼ料理」

「へぼ」とはクロスズメバチの幼虫のこと。たんぱく質を豊富に含むため、山間部では魚に代わる貴重なたんぱく源として重宝されてきました。しょうゆ、酒、みりんなどで煮た「へぼのつくだ煮」をご飯と混ぜこんでつくる郷土料理は「へぼ飯」として知られています。来客時やハレの日にごちそうとして振る舞われることも多く、おふくろの味としても地元の人々に親しまれています。

富有柿(ふゆうがき)

岐阜県が発祥の地とされる甘柿の代表種で生産量は全国トップクラス。11月~12月に出荷され、ふっくらと丸みがあり、果肉が口の中でとろけるほど柔らかくジューシー。甘くて大きいことから「柿の王様」ともいわれています。みかんのおよそ2倍のビタミンCを含み、体にも優しい健康フルーツ。富有柿は全国で最も多く栽培されている柿の品種で、天皇家にも献上されたことがある由緒ある柿としても知られています。

郷土料理「鶏(けい)ちゃん」

みそ、しょうゆ、にんにくなどのタレに漬け込んだ鶏肉を、野菜と一緒に豪快に焼いた郷土料理。鶏ちゃんがよく食べられているのは主に県中央部の下呂(げろ)市や郡上(ぐじょう)市。盆や正月に食べることが多く、それぞれの家庭で卵を産まなくなった鶏の肉をたれに漬け込み、食べたことが始まりといわれています。

漬物・漬物料理

冬の飛騨・高山地方ではきびしい寒さと豪雪に見舞われ、野菜の物流が滞るため、野菜を漬物にして保存食としてきました。塩漬け、みそ漬け、ぬか漬けなどにして食べる漬物文化が根づいています。飛騨・高山地方でとれる「赤かぶ漬け」は有名。漬物を鉄板で焼き、卵とじにして食べる「漬物ステーキ」も岐阜を代表する郷土料理です。岐阜の漬物文化は岐阜ならではの気候・風土と人々の工夫によって育まれてきました。