地域情報

九州・沖縄ブロック

よっかどぶっきんの味噌(みそ)焼き
出したら、きちんと戻そう

よっかどぶっきんの味噌(みそ)焼き

長崎県五島列島

五島列島の南西に位置する福江島の戸岐向(とぎむかい)に伝わる料理。「よっかどぶっきん」とはハコフグのことで、「よっかど」=四つ角を持つ、「ぶっきん」=フグが名前の由来だ。つくり方は、ハコフグの腹を開いて内蔵を取り出し、腹の中をきれいに洗っておく。カワハギなどの魚の肝臓を火にかけ、そこへ刻んだたまねぎ、青じそ、みそ、砂糖を加え、肝臓が溶けるまで煮る。肝臓が煮えたら、洗ったハコフグの腹に注ぎ入れ、電子レンジで加熱して完成。

四国ブロック

ひらら焼き
平たい石⇒ひらたいし⇒ひらら!バンザイ!

ひらら焼き

徳島県祖谷(いや)地方

吉野川の流れる祖谷地方はかつて林業で栄え、木材を運搬するのに川を利用していた。作業に従事する人々に村人たちが川原で振る舞ったのが、この料理の発祥だ。この地域の岩の薄く平らに加工しやすいという特徴を活かし、平たい石を鉄板の代わりに利用したことから、「平たい石」⇒「ひらら焼き」が名前の由来である。つくり方は、平らな石を火にかけ、みそで土手をつくる。土手の中に砂糖を加えたみそをさらに入れ、グツグツしてきたら「アメゴ(アマゴ)」や「ごうし芋」、「祖谷豆腐」、「祖谷こんにゃく」を入れて完成。

甲信越ブロック

卵皮煮(こかわに)
魚に生きると書いて「サケ」と読む

卵皮煮(こかわに)

新潟県村上市

新潟県村上市を流れる三面川(みおもてがわ)では、産卵のために遡上する鮭を狙うウライ漁が行われている。ウライ漁とは柵を仕掛け、一箇所だけ設けた魚道(ぎょどう)に鮭を追い込む村上で300年以上前から続けられている伝統漁法である。これは江戸時代から村上で続けられている鮭の保護増殖のための漁で、取り出された卵を人工授精で孵化させ、成長した稚魚は春に三面川に放流する。お役目を終えた鮭のメスは「はらきり」と呼ばれ、1匹300円で、オスは1キロ400円ほどで売られる。海の鮭に比べてほどよい脂と味わいだと、地元の人々がこぞって購入していく。この鮭を使った料理が「卵皮煮(こかわに)」だ。三枚に下ろした鮭をの身をぶつ切りにする。皮ははがして軽く湯がいてからみじん切りにする。身はすり鉢ですりつぶし、さきほどの皮と長芋と卵を合わせたものと一緒にさらにすりつぶす。そこへイクラを入れ、つぶれないように軽く混ぜ、鮭の中骨で取った出汁に一口大に丸めて中火で5分ほど煮れば、卵皮煮のできあがり。村上では、魚へんに生きると書いて「サケ」と読む。この町の人々が江戸時代から鮭と共に生活してきた証である。

近畿ブロック

ぼうり
もう餅、食べていいんだよ!

ぼうり

和歌山県鮎川(小川集落)

今から700年前、後醍醐天皇の皇子・大塔宮(おおとうのみや)がこの村を訪れたとき、村にあった餅を食べたいといった大塔宮の願いを村人は断ってしまった。あとから宮さまだったと知った村人は、その反省から餅を食べないと決め、以後600年守り続けた。そして餅の代わりとして食べられるようになったのが「ぼうり」。つくり方は、“イモ洗い器”で洗った里芋の「親芋」を3日間天日に干し、しょうゆベースの出汁で2日半から1週間柔らかくなるまで煮る。1935年に大塔宮の六百年忌法要が執り行われ、餅を食べることを許されたにもかかわらず、”餅くわぬ里”の人々は長年の風習を変えることができず、ようやく餅を食べるようになったのは戦後以降だった。現在では紀伊山地にある約20世帯ほどの小川集落で受け継がれ、この貴重な食文化を伝える活動を行っている。

東北ブロック

どうぐ汁
胴体の中身⇒胴の具⇒どうぐ!バンザイ!

どうぐ汁

青森県むつ市大畑町

冬が旬の下北半島のミズダコ。ミズダコ漁は杉の葉で覆われた大きなカゴを使って行う。杉の葉についたエビなどの小さな生物を食べに来る魚。さらにその魚を狙ってやって来るミズダコをカゴに引っかけて捕らえるという、食物連鎖を利用した漁法なのである。このミズダコの内臓を使うのが「どうぐ汁」。えらや胃、白子(精巣)など胴体の中身、「胴の具」から「どうぐ」と変化したのが名前の由来である。元来、タコは内臓を取り出して身の部分だけを出荷していたため、余った内臓を捨てるのはもったいないと鍋にして食べたのが発祥である。

中国ブロック

親ガニ汁
小さくっても、味はストロング

親ガニ汁

鳥取県岩美町

鳥取の冬の味覚といえば、松葉ガニ。しかし地元では「親ガニ」と呼ばれるメスガニの方が食べられている。「親ガニ」の名の通り「外子」と呼ばれる卵と、「内子」と呼ばれる卵巣の両方が揃った親ガニは、松葉ガニとは比にならないおいしさだ。岩美町では、これを大根と一緒に「親ガニ汁」にして食べる。出汁が充分に出るように、身は縦半分に切るのがポイント。ここに味噌を加えるだけで、充分いい味わいになる。親ガニは、松葉ガニの鍋を作るときの出汁にも使われる。地元の人だからこそ、そのおいしさを知る宝メシである。

北陸ブロック

イカのゴロ炊き
「ゴロウ」じゃないよ、「ゴロ」だよ

イカのゴロ炊き

石川県能登町

能登半島の冬の時期はカニやブリ、タラなどの極上の海の幸が獲れるにもかかわらず、イカ釣り漁をする港がある。潮の流れが速く地理的にも定置網漁には向かない小木港の漁師たちは、イカ釣り漁に活路を見出し、昔は手漕ぎの船で北海道まで行ったという。そんな命がけの漁をして獲ったイカを、能登の人々は「ゴロ炊き」という料理にして食べている。地元ではイカのはらわたのことを“ゴロ”と呼んでいる。ゴロと塩漬けにしたイカと、白菜の古漬けと一を緒に煮込む。味付けはイカでつくった魚醤「いしり」のみで、白菜の古漬けの強い酸味とイカの風味がよく合う。厳しい寒さを乗り切るための知恵と、漁師の心意気のこもった宝メシだ。

東海ブロック

じんだ
「ずんだ」じゃないよ、「じんだ」だよ

じんだ

岐阜県白川村

合掌造りの家が軒を連ねる、世界遺産・白川郷。平地が少なく米が貴重だった白川郷では、雑穀などを石臼で挽き、餅や団子にしてきた。そのため石臼はこの地方の生活には欠かせない大切な道具である。この地方では屋根の葺き替えなどでたくさんの労力が必要なとき、人々が集まり協力する「結(ゆい)」の精神が色濃く残っている。その「結」と石臼から生まれ、引き継がれてきたのが「じんだ」という料理である。一晩水に漬けた大豆を少しずつ石臼に入れ、集まった人たちで代わる代わる1時間ほどかけてゆっくりと挽く。挽いた大豆に砂糖、塩、からし、薄く切った大根を入れ、しっとりするまで混ぜ合わせれば、「じんだ」のできあがり。できた「じんだ」をみんなで囲んで食べる。そこまでが「結」なのである。

北海道ブロック

ばばの手のちゃんちゃん焼き
おばあちゃんの手は、漁師の味

ばばの手のちゃんちゃん焼き

北海道厚岸町

道東に位置する厚岸は、厚岸湾と厚岸湖の両方を擁するため、プランクトンが豊富で日本有数のカキの産地でもある。ウニ漁の漁師の間で食べられているのが、「ばばの手のちゃんちゃん焼き」。「ばばの手」とは、おばあさんの手のような見た目でそう呼ばれ、身はホタテの3倍はある肉厚の貝のこと。水深8メートにいるウニを潜水漁で採る際に、運が良ければ採れるという幻の貝でもある。これを鮭などの魚の代わりにちゃんちゃん焼きにするのだが、厚岸の漁師たちは野菜の代わり(?)になんと大量のエゾバフンウニを入れる。「ばばの手」と「ウニ」が奏でる奇跡のハーモニーは市場には出回らない、漁師たちだけの宝メシだった。

関東ブロック

アオリイカの3時間干し
中継なので一晩も干せませんでした

アオリイカの3時間干し

千葉県安房郡鋸南町保田 保田漁港

東京湾の内房、保田で獲れるアオリイカ。1kg 3000~5000円と、銀座の寿司店などでも扱われる高級鮮魚である。生のまま刺身で食べるのが普通だが、今回は敢えて干した。竹ざおにアオリイカの胴を洗濯ばさみでつまんで広げて、車の窓を全開にして車中で風に当てて干す。保田から東京・渋谷まで約3時間干したら完成。細切りにして食べる。

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