ライフスタイル

愛猫を守るために! 猫の防災避難訓練

もし被災したら、あなたは家族の一員の猫を守ることできますか?
猫と一緒に避難訓練を体験してみましょう!

公開日:2018年8月24日

地震、大雨、土砂崩れ…災害が頻発する今だからこそ!
人間だけではなく、大切な家族である猫の防災についてもしっかり備えていかなくてはなりません。

ペットの防災の専門家・平井潤子さんは「動物防災の3R」を提唱しています。3Rとは
「Ready=準備」「Refuge= 避難」「Responsibility= 責任」

実際に猫を飼われている方が平井さんのアドバイスをもらいながら、防災避難訓練を体験。
平井さん提唱の3Rについて詳しく紹介します!

【Ready=準備】

宮川さんを訪ねる平井さん(右)

宮川さんを訪ねる平井さん(右)

平井さんが訪れたのは、4年前から猫のちゃこちゃん(4歳)と暮らす宮川さん宅。

「災害時の避難生活が上手くいくかどうかはふだんの準備で9割が決まる」と平井さんは言います。
宮川さんとちゃこちゃん

宮川さんとちゃこちゃん

住んでいる地域によって、水害や津波、土砂崩れなど、予想される災害の種類は変わります。住居の形態(一軒家かマンションかなど)や家族構成、仕事など、ライフスタイルによっても、被害の想定や準備できることは大きく変わります。
それぞれの状況に応じてオリジナルの防災マニュアルが必要になるのです。
キャリーバッグはいつも部屋の片隅に

キャリーバッグはいつも部屋の片隅に

今回は地震が起きたという想定で避難訓練を行います。

猫は犬のようにリードをつけて一緒に歩いて避難することはできません。そのためにキャリーバッグが重要。しまい込まずに、ふだんから部屋の中に置いて、猫がキャリーバッグに慣れるように、そしていざというとき、部屋の中の避難場所にもなるようにしましょう。
左からキャリーバッグ、フード類、水。下中央は洗濯ネットと猫砂、 折りたたみ式食器

左からキャリーバッグ、フード類、水。下中央は洗濯ネットと猫砂、 折りたたみ式食器

持ち出すもので一番大事なのは、ふだんから食べ慣れているフードと水に食器。最低でも1週間分以上は用意しておきましょう。
避難所に猫用の救援物資がすぐに届かないだけでなく、お気に入りの食べ物が手に入らない可能性もあるからです。
新品の猫砂(左)ではなく ひとつかみ分の臭いのついた猫砂(右) でもOK

新品の猫砂(左)ではなく ひとつかみ分の臭いのついた猫砂(右) でもOK

重い猫砂は新しいものを袋ごと持っていくのではなく、おしっこの臭いのついたものをひとつかみ分だけでもOK。
段ボール箱などに新聞紙を裂いたものに入れ、そこに臭いつきの猫砂も入れておくと、猫に「ここがトイレだよ」と誘導できます。
洗濯用ネット

洗濯用ネット

もうひとつ、準備しておくといいのが洗濯ネット。猫をキャリーバッグに入れる前に洗濯ネットに入れれば、猫がキャリーバッグから飛び出すこともなくなります。
ネットに入れてもおとなしいちゃこちゃんの様子に安心した宮川さん

ネットに入れてもおとなしいちゃこちゃんの様子に安心した宮川さん

薬や療法食、健康手帳なども準備しておくと安心です。
風呂敷やタオルでくるむ

風呂敷やタオルでくるむ

大きめの風呂敷やバスタオルなどで、キャリーバッグを包めば、外からの刺激を遮ることで、猫のストレスを軽減することができますし、組み立て式のキャリーバッグの留め具が外れ、分解してしまうといった事故も防ぐことができます。

気温が高いときは、キャリーバッグの中に、布でくるんだ保冷剤や冷たいペットボトルを入れるなどの暑さ対策も必要です。

メモ

保冷剤は中身が水を凍らせるタイプのものに限って使用を。のり状のものは、猫が口にすると有害なので注意してください。

【Refuge=避難】

自分の避難場所がどこになるのか、ルートは事前に確認しておきましょう。

災害時、大通りはガラスや看板などの落下で危険になる場合もあります。静かな通り沿いでも火事が起こる可能性があります。
最短ルートだけでなく、迂回路も把握しておきましょう。
また移動中にある公衆電話や自販機も災害時は大切なライフラインになります。

ただし、避難所でペットを受け入れるかどうかは、自治体によっても対応に差があります。
事前に問い合わせて確認をしましょう。
布製で折りたたみ式の ポータブルのケージ

布製で折りたたみ式の ポータブルのケージ

避難所では動物のアレルギーがある人や、動物が苦手な人もいます。
鳴き声や臭いなど、ふだん以上に飼い主はマナーを守り、周りに配慮することが求められます。


キャリーバッグは、その中で暮らすには狭すぎ、猫にとって大きなストレスになってしまいます。
トイレなども中に入れられる大きめのサイズのポータブルのケージがあると安心です。

メモ

猫が大きなストレスを感じたり、天候が悪条件の場合などは猫の代わりに猫と同じ重さのペットボトルを使うなどして避難訓練を行ってください。

【Responsibility=責任】

「責任」とは、飼い主として猫を守るという意味での「責任」だけではありません。 
社会に対しても飼い主として責任を持つ、ということです。
飼い主が管理できない状態の猫が地域や社会に迷惑をかけることも考えられます。
室内飼いの猫でも災害時に逃げ出した事例が多数あります。
万が一はぐれても、飼い主がわかるよう、ふだんから連絡先の入った迷子札をつけておきましょう。ただし、首輪は外れてしまうことがあるため、確実な身元証明になるマイクロチップを入れることを環境省は推奨しています。
飼い主の連絡先を入れた迷子札

飼い主の連絡先を入れた迷子札

また、避難生活の長期化に備え、預け先を確保しておくのも飼い主の大事な責任の一つでもあります。

いざというとき、大切な家族の猫を守ることができるのは飼い主のあなただけなのです!

教えてくれた人

平井 潤子さん

  • ペット防災専門家

プロフィール

2001年三宅島噴火災害以降、各地の災害現場で動物の救護活動に携わる。2003年動物の防災に関し様々な調査、情報発信などの取り組みを行うNPO法人アナイスを立ち上げ、代表を勤める。