ライフスタイル

筆ペンの基礎③
文字バランスを整える法則

筆ペンで美文字になるための美文字バランスをマスターしましょう。

公開日:2017年12月8日

冠婚葬祭のときや年賀状、
オフィシャルな場面でも役立つ筆ペン。
その魅力は自分の手の力加減や穂先の向きなどによって、
いろいろな線を書き分けられるところです。
バランスがとれている文字は、読みやすく美しく見えます。
たった5つの法則を守るだけでバランスが整い、美文字を書くことができます。

美文字の法則① 「横画はメリハリをつける」

春
美文字バランスを作る法則その1は、「横画の長さにメリハリをつける」というものです。横画が2本以上ある漢字なら、1本を思い切って長く伸ばします。こうすると、文字の形が安定し、バランスがよく見えます。長く伸ばす横画以外は、あえて少し短めに書くとよいでしょう。

「春」の場合は、3本ある横画のうち、いちばん下の1本だけ長く書く。こうすることで、メリハリがつき、文字に安定感が出る。

この書き方で美しくなる文字の例

玉 書 拝

美文字の法則② 「払いは末広がりに」

春
美文字バランスを作る法則その2は、「左払い・右払い」を末広がりに書くというもの。左払いと右払いはセットで使われることが多い点画です。「ハの字」の形に外に向かって気持ちよくのばし、末広がりにするというのがこの法則です。
「春」のように1文字の中に横画と払いの両方がある場合は、「横画メリハリ」の法則より「払いは末広がりに」のほうを優先します。つまり、いちばん長い横画よりも左払い・右払いのほうを長く書くと、伸びやかさがいっそう引き立って、美しい文字になるというわけです。

「左払い・右払い」が長く伸びていると、大人っぽく堂々とした文字に見える。一番長い横画よりも払いが長くなるように。

この書き方で美しくなる文字の例

文 寒 念

美文字の法則③ 「縦長の囲みはすぼめない」

日
「春」の中の「日」のように、漢字には四角に囲む部分がよく使われます。この囲みには、「目」や「国」のような「縦長の囲み」もあれば、「口」や「回」のような「横長の囲み」もあります。2種類の囲みの形を書き分けて、バランスよく見せるというのが3つ目の美文字の法則です。
縦長の囲みの場合は、下をすぼめず、両サイドの縦画がまっすぐで平行な長方形にするのがルール。上下を同じ幅に書くことで、安定感のある美しい文字になります。

囲みの両サイドの縦画を平行に書くと、まっすぐな長方形に。こうすると、安定感のある美文字になる。

この書き方で美しくなる文字の例

日 百 夏

美文字の法則④ 「横長の囲みはすぼめる」

口
横長の囲みは下をすぼめるのがルールです。ともすると単なる四角の図形に見えてしまう「口」なども、両サイドの縦画を下に向かってすぼめて書くと、キリッとした美文字になります。
漢字の中に囲みがあったら、縦長か横長か、見極めて書き分けましょう。

囲みの両サイドの縦画をすぼめて書き、下が狭い「台形」にする。こうすることで、囲みの中の間延びが押さえられ、文字がキリッと引き締まった印象に。

この書き方で美しくなる文字の例

白 四 品

美文字の法則⑤ 「漢字は“すき間均等法”で書く」

春
美文字の法則の最後は、「すき間均等法」。線と線の間の隣り合う「すき間」を均等にすることで、文字のバランスを整える方法です。
人は文字を見るとき、線だけでなく、線と線の間にできる空間も見てバランスを感じ取っています。すき間を均等にするだけで落ち着きのある安定した文字に見え、美文字度がアップするわけです。
筆ペンは普通のペンよりも線幅が太いので、ともすると大切なすき間がつぶれてしまいます。自分が書いた文字のすき間に◯印を書き込んで、すき間を均等にあけるように意識して練習してみましょう。

線と線の間の隣り合う◯印がほぼ同じ大きさ。このようにすき間が均等だとバランスがよく、読みやすい。

動画で見る:文字のバランスを整える5つの法則

教えてくれた人

青山 浩之

  • 書家・美文字研究家

プロフィール

横浜国立大学教育学部教授。全国大学書写書道教育学会常任理事。書写・書道に関する研究や学校教員の育成をはじめ、学校教科書の執筆編集も行う。手書き文字に関することや書表現のスキルを分かりやすく指南し、書写・書道の魅力を広めている。『NHKまる得マガジンMOOK 美文字を自在に筆ペン練習帳』(NHK出版)など著書・雑誌寄稿多数。