住まい・インテリア

飾りも収納もできる!
上手な壁面づかい

あなたは壁を活用できていますか?
カフェのような心地よい空間づくりをするために『壁』を上手に使おう

公開日:2017年10月27日

カフェの印象的な『壁面づかい』に目が釘づけになったという経験はありませんか?
手描きの黒板が掲げられているだけなのにおしゃれに見えたり…
キッチンツールやカップがずらりと壁に収納されているだけなのに、
なぜかひかれる空気感を醸し出していたり…
実用的かつ、センスよく壁を使いこなすことは、
カフェスタイルをつくるには欠かせない視点です。
さまざまなメディアで活躍中のインテリアスタイリストの石井佳苗さんの自宅におじゃまし、
実用的で、オシャレな壁面づかいのノウハウを教えていただきました。

その1 実用的に、おしゃれに飾る

壁をディスプレイ&収納に活用すると
空間が殺風景にならず、生き生きとしてきます。

「昔の日本家屋は、障子やふすまで仕切られていて、壁があまりありませんでした。あっても大きなたんすで塞いでしまっていたせいか、日本人は広い壁面を生かす発想が希薄かもしれません」と石井さん。
光が入って風が通るから、窓が多い方がいいという考え方もあり、使いこなそうにも、あまり壁がないというのも事実です。

石井さんが自宅をリノベーションしたときに意識したのは、広い壁面をつくること。そして、扉のある家具で壁を埋め尽くさないことでした。そのおかげで、壁は白いキャンバスのような存在に。絵や写真などのアートを飾ったり、棚を取り付けて収納を増やしたりということが自在にできます。
また、石井さんは壁を生かしたインテリアを自由に楽しむために、リノベーションのとき、壁は石こうボードではなく、ラーチ合板とシナベニヤの二重壁にすることを選択。ここを飾りたいな、ここに収納があったら便利だなというところに、気軽にものを取り付けられるようになりました。

そこまで自由に壁を活用できないまでも、ピンを複数使うことで強度を増すフックや、はがせる粘着テープを使ったフック、押しピンを使うだけで壁に付けられる棚など、壁を生かせる便利なアイテムも増えています。そんな市販品を組み合わせれば、ポスターやフレームを飾ったり、収納を増やしたりすることも手軽になるので、壁をカフェっぽく演出するのも決して難しいことではありません。

壁面づかいテクニック(1)

角材を組み合わせて作った棚。シンプルな形状ながら、A5判の書籍を収納することができ、実用とディスプレイを兼ねています。使い勝手がよく、デスク前の壁面のアクセントになり、一石二鳥。

壁面づかいテクニック(2)

アイアン風の棚は、ベニヤ板にアイアンペイントを施し、錆びるように酸化剤を塗布したもの。飾った雑貨がよく映えるコーナーです。

壁面づかいテクニック(3)

壁には鏡も。光の反射が生まれたり、映り込むものによって印象が変わります。壁を飾るのにぴったりなアイテムです。

壁面づかいテクニック(4)

棚の横に時計とポスターの入ったフレームを飾りました。色みを同系統にし、センターでそろえることでバランスよく見えます。

壁面づかいテクニック(5)

トイレの壁には古い写真が。フレームには入れず、クリップが付いている虫ピンで留めているだけ。ラフさが写真の雰囲気とよく合います。

壁面づかいテクニック(6)

女性の胸像は、日本の陶芸家の笹本雅行さんの作品。まわりにはあえて何も飾らず、余白をとってアートの存在感を引き立てています。

その2 何もない壁面を活用する

何もない壁面にオープン棚を置くことで、
壁の可能性をさらに広げることができます


「以前、リノベーションのコーディネートをしたお宅は、四方に窓があって、広い壁がほとんどなく、思い切って、光の差し込まない窓をひとつ塞いでしまう選択をしました。窓が多いことは利点と考えられがちですが、そうとも限らないのです」と石井さん。窓を塞ぎ、大きな壁をつくったことで収納棚を取り付けることができ、ディスプレイをする余地が生まれたそう。

何もない広い壁面さえあれば、その前に大きな棚を置くことも可能です。そのとき扉のないオープン棚を選べば、壁全体に穴を開けて棚を取り付けなくても、“壁を飾る”や、“壁に収納する”のと同じ効果が得られます。賃貸住宅や、壁に穴を開けたくない家では、こんな方法で壁を活用するといいかもしれません。

カフェの壁面づかいの特徴のひとつに、すぐに必要なものに手が届くよう、器やツール類をオープン収納していることが挙げられます。石井さんの自宅でも、器はオープン収納。こうすると必要なものがすぐ見つかって取り出しやすいだけでなく、ディスプレイ感覚で物を飾っている雰囲気になり、インテリアとしての魅力もアップします。

棚に物を収めるときの留意ポイントは、実用的な物だけにせず、雑貨やオブジェなど、飾るアイテムも一緒に置いていくこと。石井さんは、棚の奧の面を壁と考えて、絵やポストカード、本の表紙なども飾っています。そうするとよりディスプレイを楽しんでいる様子になり、壁全体がおしゃれに見えてきます。

壁面づかいテクニック(7)

広い壁面があるから置けた大きな棚。古道具屋さんで購入した古民家の雨戸を、棚の背面として活用し、木のフレームで棚をつけたDIY作品。ディスプレイと収納、両方を兼ねる棚になりました。

壁面づかいテクニック(8)

棚の上にはグリーンやオブジェを飾って。壁全部を埋め尽くす扉付きの収納ではなく、まわりに余白を確保できるオープン棚を採用したことで、インテリアに躍動感が生まれました。

教えてくれた人

石井 佳苗

  • インテリアスタイリスト

プロフィール

イタリアの大手家具メーカーに勤務後独立。現在はインテリアや暮らしまわりのスタイリストとして、さまざまなメディアで活躍中。リノベーションした1LDKのマンションに3匹の猫と暮らす。「Love Customizer No.2 DIY×セルフリノベーションでつくる家」など著書多数。