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住まい
ファッション・雑貨

陰影で部屋に表情を
照明を上手に使おう

カフェのような居心地のよい空間をつくるには、
照明は欠かせないアイテム。
照明もインテリアとして考えよう!

公開日:2017年10月27日

夕方から夜にかけてカフェを訪ねると、
間接照明やキャンドルなどの明かりを使って、
空間の魅力を引き出していることに気づきます。
カフェのようにくつろげる空間づくりを実践している
インテリアスタイリストの石井佳苗さんから、
部屋に表情を持たせる照明づかいの技を教えてもらいました。
居心地のよい部屋をつくるために、照明を活用してみましょう。

その1 一室一灯をやめてみよう

天井灯をつけて部屋全体をとにかく明るく
そんな風習と決別して、暮らしに光の美しさを取り入れて

天井に一灯、大きなシーリングライト(天井灯)を取り付けて、部屋全体を明るく照らす。日本の多くの家で取り入れられてきた照明術です。何をするにも明るさは十分で、不便はありません。でも、少しばかり情緒に欠けるのも事実。カフェにいるときに感じるような、リラックスした趣とは、ちょっと遠いところにある照明法かもしれません。

インテリアスタイリストの石井佳苗さんの自宅は、リビングには天井灯がありません。代わりに、部屋のあちこちに大小のライトが置かれています。デスクの作業スペースを照らすライトは、壁に取り付け、部屋のコーナーには、床置きのスタンドライトを置き、そのまわりを印象的にライトアップ。椅子で本や雑誌を読むときには、中サイズのスタンドライトで手元を明るくしているそう。
「外の自然の光が弱くなるにつれ、ひとつずつ明かりを灯していくという過程が好き。逆に、寝る前はひとつひとつ順番に消していくことで、睡眠導入効果もあると感じています」と石井さん。

窓外の夕方の光を感じながら、徐々に家の中で点灯する照明を増やしていく。寝る前には、明かりをひとつひとつ消していき、少しずつ暗くする。天井灯で全体を明るくするというスタイルでは気づかなかった夕方の光や、照明がつくる陰影、そして昼間にはない空間の奥行を感じることができます。
天井灯をなくす必要はありませんが、天井灯一灯だけにするのではなく、別の照明をプラスして、明かりも楽しむ。そんなところから、カフェのようなリラックス空間が生まれるのではないでしょうか。

その2 照明をインテリアアイテムとして考えよう

インテリアをすてきに見せるアイテムとして
照明をとらえ、自由な気持ちで選んで

カフェを訪れると、こだわりの視点でセレクトされた照明がただ置いてあるだけで、雑貨やグリーンを飾るのとはまた違った方向から空間にメリハリを加えていることに気づくはずです。それは、自宅でも同じことだと石井さん。「照明は点灯していないときも、その形状自体を楽しむことができ、インテリアアイテムとして、部屋のセンスアップに貢献してくれます。だから、選ぶときは、まずデザインから入っていいと思います。デザインが好きかという、シンプルな視点は大切。一灯づかいではなく、組み合わせることを前提にすれば、照明のデザインを重視した選択も可能になります」

照明を選ぶときのプラスポイント!

シェードの形と素材を意識してみましょう。デザインやインテリアスタイルの印象が変わるだけでなく、光の拡散の仕方が異なるので、点灯したときにインテリアに与えるインパクトが大きく変わります。

【ファブリックのシェード】

シェード部分も光を透過するので、まわり全体がフワッと明るくなるのが特徴。ガラスやアクリルのシェードも同様の効果が得られます。

【金属のシェード】

光を通さないので、シェードの上下など、覆われていない部分だけが明るく照らされます。光と影のコントラストが強くなり、よりドラマチックな雰囲気が。金属のシェードに小さな穴が開いているようなものなら、そこからもれる光もインテリアを盛り上げることに一役買ってくれます。

Kanae’s Select①

ひもを編んだマクラメのシェードに陶製スタンド。アメリカで購入したもの。
点灯するとドラマチックな陰影が壁に映ります。

Kanae’s Select②

シェードがスチールなので、ドラマチックな光を生みます。建築家、前川國男邸で使われている照明と同タイプの、色違いのもの。

Kanae’s Select③

寝室の天井から下げている照明。ソケットが左右かつ平行に、ダブルで付いている珍しいタイプ。電球自体のデザインが楽しめます。

Kanae’s Select④

ダイニングテーブルの上には、直径65cmものデンマーク製の名作ペンダントライトを。空間のアクセントにぴったり。古道具屋さんで購入。

Kanae’s Select⑤

キッチンの照明は壁に引っ掛けているだけ。スチールのシェードに覆われている形なので、光が拡散せず、ピンポイントで手元が明るくなります。

Kanae’s Select⑥

小ぶりな照明は光のためというより、雑貨感覚。飾っているかのように使えるアイテムなうえ、明かりもつくので、2つの表情を楽しめます。

Kanae’s Select⑦

アメリカのポートランドを旅したときに購入し、苦労して持ち帰ってきた照明。上下に動くので、デスクで作業するときは下げて手元を明るくします。

Kanae’s Select⑧

世界的に有名なイタリアのライト。アームが動くので、卓上や壁に光を当てたりできます。上部の穴からもれる光がさりげなく天井を照らすのもきれい。

その3 キャンドルで、非日常を体験する

簡単に手に入る非日常の、ぜいたくな時間
キャンドルで住まいの心地よさをアップ


照明だけでなくキャンドルもリラックスムードをつくりだすための必須アイテム。カフェでも夜になると、テーブルごとに灯されるなど、効果的に使われています。
「炎のゆらぎを眺めていると気持ちが落ち着きますよね。お風呂に入る前に明るめの照明を消し、出てきてからキャンドルを灯すという楽しみ方をします。キャンドルの光の中、体をケアをしたり、飲み物を飲んだり、リラックスできます」と石井さん。

キャンドル生活はなじみがないという人には、香りつきのキャンドルからチャレンジするのがおすすめ。香りと光。2つ楽しみがあることで習慣化しやすくなります。 「10~15分間と短時間でも、テレビを消してキャンドルを灯す。くつろげるし、簡単に手に入る非日常でぜいたくな時間になりますよ。当たり前の注意事項ですが、目の届く場所で灯すようにして、消すときは確実に消えているかの確認を忘れずに」
石井さんは、キャンドルだけでなく、キャンドルスタンドも大好きで部屋のディスプレイに活用。造形的におもしろいものが見つかるので、実際にキャンドルを灯さなくても、インテリアとしても優秀なアイテムになります。

Kanae’s Select⑨

大きな陶器のつぼの中にキャンドルをひとつ。安定感があって安全なのと、陶器を通してキャンドルの光がじんわりともれる様子も美しいです。

Kanae’s Select⑩

来客時は、廊下にキャンドルを灯すことも。客人に対してのおもてなしの気持ちを表現できます。

Kanae’s Select⑪

グラスに入った状態で市販されているキャンドルは、溶けたロウがたれないので、取り入れやすいアイテム。

Kanae’s Select⑫

細いキャンドルを灯すのは、特別なとき。キャンドルの色はスタンドとインテリアの相性を考えて選びます。

教えてくれた人

石井 佳苗

  • インテリアスタイリスト

プロフィール

イタリアの大手家具メーカーに勤務後独立。現在はインテリアや暮らしまわりのスタイリストとして、さまざまなメディアで活躍中。リノベーションした1LDKのマンションに3匹の猫と暮らす。「Love Customizer No.2 DIY×セルフリノベーションでつくる家」など著書多数。