ライフスタイル

シニア犬をしっかり
サポートする介助術

高齢になった犬の歩行や排泄(はいせつ)の介助方法を紹介します。

公開日:2017年8月4日

体力・気力が落ちてきたシニア犬は飼い主の手助けが必要になります。
自分が介護される立場になって、愛犬が今何を必要としているかを考えましょう。
大切なパートナーが快適に過ごせるように様々な介助術を紹介します。

歩くことが一番の健康法

歩くことが一番の健康法
歩くことは老犬にとって、いちばんの運動です。筋力を維持するだけでなく、ストレス解消になり、心の刺激にもなるので、状態に応じたペースで明るく励ましながら歩かせてやりましょう。ただし無理をさせないこと。歩かせる時間や回数は犬の意思を尊重しながら、が大切です。外に出たがらない様子なら、部屋の中で歩かせてやりましょう。マットを敷くなど、脚に負担がないように心がけます。つらそうなのに無理やり散歩に連れ出したりするのは逆効果。犬の様子で判断を。

手早く清潔を保ちましょう

排泄物などで汚れることも多くなるシニア犬。不衛生から皮膚などの病気にかかることもあります。犬の体調に合わせて週に1回から月に2~3回を目安に、定期的な入浴を心がけます。手際よく短時間で終えることが大切。皮膚や心臓への負担軽減のため、ぬるいと感じるくらいの湯を使いましょう。入浴後は乾いたタオルでやさしく拭きながら速やかに乾かします。

メモ

シャンプーのポイント

・刺激の少ないシャンプーをよく泡立てて手早く全身につけ、毛だけでなく皮膚も軽くもむようにして洗う。
・病気や体力がないなどで入浴できない場合、ドライシャンプーを使ったぬるま湯に浸して絞ったタオルで拭くとよい。毛並みに沿って拭いたあと、逆なでするようにして全身をやさしく拭く。

立ち上がり・歩行の補助

シニア犬になると足腰の筋肉や関節の機能が衰えてくるので、立ち上がることが大変になります。歩ける犬には立ち上がることのみを助け、自力で歩かせるようにします。脚がふらついて自力で歩きにくくなったら、脚を支えるハーネスやウォーキングベルトなどの道具を使うとよいでしょう。後ろ脚だけを助け、前脚は自力で動かすようにさせて歩かせるなど、使える筋肉は自分で動かすことにより鍛えられます。少しでも長く歩けるように心がけましょう。
・やさしく声をかけながら背を抱き、おなかの下に手を差し入れる。

立ち上がりの補助の仕方

・やさしく声をかけながら背を抱き、おなかの下に手を差し入れる。
・おなかをやさしく引き上げ、腰を抱くようにしながら前脚をふんばらせる。立ち上がれたら、やさしくなで、何度もほめてやる。
・おなかをやさしく引き上げ、腰を抱くようにしながら前脚をふんばらせる。立ち上がれたら、やさしくなで、何度もほめてやる。
・大型犬の場合、犬の後ろにまわり、両手で腰に手を差し入れ両脇を支える。支えた手で腰を引き上げるようにして立ち上がらせる。
・大型犬の場合、犬の後ろにまわり、両手で腰に手を差し入れ両脇をさえる。支えた手で腰を引き上げるようにして立ち上がらせる。

排泄の補助

健康を維持するためには、食べることと同じくらいに排泄することはとても大事なこと。でも老化に伴い括約筋がゆるみ、粗相をしてしまうことが増えてきます。犬も望んでしているわけではないので、決して叱らないこと。トイレを近くしたり、ペットシーツを使うなどの工夫をしましょう。また立つことや歩行が困難なシニア犬にとっては、中腰という排泄の姿勢はとてもつらいものです。腰をもってサポートしてやりましょう。大型犬の場合はサポートに力がいるので、ハーネスなどの道具を使い分けましょう。

メモ

排泄の補助のポイント

・毛足の長い犬は肛門のまわりの被毛を刈ると拭きやすく、排泄物がつきにくくなり、清潔を保ちやすい。
・排泄したら汚れた部分をふき取ってやる。オスとメスではおしっこが飛びやすい場所が異なる。オスは前脚に近い内側を、メスは後ろ脚に近い内側を念入りに拭いてやる。
・マットの上で過ごす時間が長くなったシニア犬には、マットの周囲を小さめのペットシーツでくるみ、汚したシーツだけ部分的に取り換える。

床ずれに気をつける

寝たきりや横たわる時間が長くなると、自力で身動きや寝返りができないので床ずれができやすくなります。体の重みにより血の巡りが悪くなり、皮膚や中の組織が壊(え)死するのが床ずれ。いったんできると治すことが難しいので、できないように心がけましょう。予防には、2~3時間に一度、体を反転させてやります。介護用のマットを使用し、当たる部分に負担がないようにするのがポイントです。

床ずれができやすい部分

・床に直接あたる、骨の出っ張っているところは、床ずれができやすい。
・床に直接当たる骨の出張っているところ

反転させて寝返りを助ける。

・二人一緒に行うとやりやすい。前脚と後ろ脚を同時に持つ
・背骨を軸にして反対側へ体を回転させる。
・反対側へ倒しながら前脚、後ろ脚をそっとおろす。
●反転させて寝返りを助ける。

教えてくれた人

井本 史夫

  • 獣医師

プロフィール

井本動物病院院長。1945年、兵庫県生まれ。帯広畜産大学卒業。3歳より猫と寝起きを共にし、小学生から中学生にかけての遊び相手は犬。大学時代はアパートでウサギを飼育していた。「動物も人も幸せになる暮らし」が信条。