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これまでの放送 2018年6月22日(金)の放送

スティーヴ・ライヒ
短いフレーズを繰り返す「ミニマル・ミュージック」の第1人者である現代音楽作曲家スティーヴ・ライヒ(1936~)。80歳を超えた今もなお、クラシックの現在を常に追い求め、現代音楽の新たな可能性を探求した傑作を生み出しています。今日はクラシックの枠を超えて支持されるライヒの音楽に迫ります。
スティーヴ・ライヒ
短いフレーズを繰り返す「ミニマル・ミュージック」の第1人者である現代音楽作曲家スティーヴ・ライヒ(1936~)。80歳を超えた今もなお、クラシックの現在を常に追い求め、現代音楽の新たな可能性を探求した傑作を生み出しています。今日はクラシックの枠を超えて支持されるライヒの音楽に迫ります。

クラシック/現代音楽を超えた影響力

ライヒの音楽、そして彼の存在に影響を受けたものはクラシックの枠組みを越え、枚挙にいとまがありません。ライヒの実験精神に憧れを抱くトクマルシューゴさん。シンプルさと複雑さという、相反するものに裏打ちされた不思議な音響に心地よさを感じたという電気グルーヴの石野卓球さん。ライヒの音楽・発想・姿勢に対する敬意を、船乗りが行く先をそこに見たという「北極星」という言葉で表したROVOの勝井祐二さん。番組では彼に影響を受けたミュージシャンの皆さんが紹介されました。

ライヒ的「現代音楽」の作り方

ライヒが音楽を学んでいた1960年代前半、現代音楽といえば、メロディ、リズム、調整を解体した作品が主流でした。しかしそのような音楽に居心地の悪さを感じていたライヒが行き着いた作品は、「反復とずれ」を仕込んだ音楽だったのです。初期の代表作は、ある説教師の力強い声のほんの一部を繰り返し再生するというテープ操作だけで完成した「イッツ・ゴナ・レイン」でした。

メッセージを運ぶライヒの作品

ライヒの1988年の作品「ディファレント・トレインズ」は、録音された人々の言葉と汽車の動きを実写的に描く弦楽器が耳をひきます。この曲は、「アメリカ・第2時世界大戦前」、「ヨーロッパ・第2次世界大戦中」、「第2次世界大戦後」と名づけられた3つの部分に分けられます。そこで描かれるのは、ライヒの個人的な旅・ユダヤの人々のホロコーストへの旅・戦争後の人々の旅。それぞれの列車に乗ったそれぞれの人の旅が描かれます。音楽とドキュメンタリー的な事実の描写が一体化した彼の代表作です。

ゲスト

トクマルシューゴ(ミュージシャン)・吉松隆(作曲家) トクマルシューゴ(ミュージシャン)・吉松隆(作曲家)

トクマルシューゴ(ミュージシャン)

「難しい数学の問題が解けたときの快感と近いものがあります。」

profile

アコースティックギターを中心に、様々な楽器や、玩具などの非楽器を演奏し、多重録音による実験的なポップミュージックを生み出す。

吉松隆(作曲家)

「実際の事件を『オペラのような作品にしろ』と言われても普通はできっこない。それを形にしたライヒはすごい。」

profile

1953年東京生まれ。慶應義塾大学工学部を中退後、独学で作曲を学ぶ。NHK大河ドラマ「平清盛」の音楽を担当。クラシックというジャンルを越えた幅広いファンの支持を得ている。

楽曲情報

「エレクトリック・カウンター・ポイント」 「エレクトリック・カウンター・ポイント」
トクマルシューゴ(エレクトリック・ギター、ベース・ギター)
1987年、ジャズ・ギタリスト、パット・メセニーのために作曲された作品。7本のエレクトリック・ギターと2本のベース・ギターを多重録音し、その音源をバックに演奏する形がとられます。同じようなフレーズを幾度となく繰り返す、きわめて難易度の高い作品。トクマルシューゴさんはこの作品を演奏するうちに、パズルのように組み合わさったパートの関係性を感じ、ライヒの考えがわかってきたような気がした、といいます。
「カルテット」
コリン・カリー・グループ
「クラッピング・ミュージック」
スティーヴ・ライヒ(打楽器)
コリン・カリー(打楽器)
「テヒリーム」
リン・カリー・グループ
シナジー・ヴォーカルズ(女声アンサンブル)
「イッツ・ゴナ・レイン」
スティーヴ・ライヒ
「ディファレント・トレインズ」
ストリング・クヮルテットARCO

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