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これまでの放送 2017年11月17日(金)の放送

とことん音楽!わたしのモーツァルト~小曽根真が見つけた「幸せの音楽」~ ジャンルを超えて音楽の魅力を発信し続ける小曽根真。
彼がクラシックに取り組むきっかけとなったモーツァルトの魅力について、
とことん語ります。「人を喜ばせたかった」モーツァルトの音楽には、
「楽しい」がいっぱい。聞くだけで「幸せな気持ち」で満たされると言う
小曽根。さらにモーツァルトを楽しみ、クラシックを楽しむポイントを
「会話」に例えて分かりやすく解説します。
とことん音楽!わたしのモーツァルト
~小曽根真が見つけた「幸せの音楽」~
ジャンルを超えて音楽の魅力を発信し続ける小曽根真。彼がクラシックに取り組むきっかけとなったモーツァルトの魅力について、とことん語ります。「人を喜ばせたかった」モーツァルトの音楽には、「楽しい」がいっぱい。聞くだけで「幸せな気持ち」で満たされると言う小曽根。さらにモーツァルトを楽しみ、クラシックを楽しむポイントを「会話」に例えて分かりやすく解説します。

ピアノ嫌いがピアニストに

ジャズ・オルガン奏者の父の影響で、独学で音楽を始めた小曽根さん。5歳の時に、ピアノのレッスンに行くも、教則本のつまらなさで「ピアノ嫌い」に。その後はジャズ・オルガン一筋!天才少年として大活躍します。
ところが、12歳の時、ジャズ・ピアニスト、オスカー・ピーターソンのコンサートを生で聴いて感動。かっこいいピアノを弾きたいとピアノを猛特訓。この頃、モーツァルトの楽曲にふれるも、どちらかと言えば好きではなく、子どものころは、モーツァルトのピュアなハーモニーの良さが分からなかったのです。
ところがちょっとした勘違いから、尾高忠明指揮、札幌交響楽団とモーツァルトの協奏曲で共演することになった小曽根さん。猛勉強の末、ピアノ協奏曲第9番が彼をとりこにします。

ピアノ協奏曲第9番の魅力

小曽根さんは、「モーツァルトの音楽は、頭で考えたのでは無く、体の細胞全部が感じているものをそのまま一番自然な形で出している。その根底には“人を喜ばせたい”と言う気持ちがあって、彼自身も自分が思いっきり楽しんで曲を書いている」と感じています。さらに、楽譜に書いた音楽を弾くことは型にはめられてつまらないイメージを持っていた小曽根さんですが、モーツァルトの音楽には「こんな事やっていいんだ!」と驚くとともに、「実験をしている」と感じたのです。ジャズは即興をするので、演奏する度に実験しているようなもの。だけど、今から300年も前にそんな実験をやろうとしていたモーツァルトのエネルギーが嬉しくて、小曽根さんはモーツァルトに引かれたのです。
ピアノ協奏曲第9番には、人を心地よく裏切る「理想の即興」があったのです。

音楽は会話

音楽を会話にたとえると、ジャズは自由な日常会話で、クラシックは台本がある会話。クラシックは台本(楽譜)があるから堅苦しいと思っていた小曽根さん。しかし、モーツァルトに本気で取り組んでみて、弾く音が与えられてることによって、それをどう表現するかという事だけに集中できる自由を感じました。何も無いところからメロディーを作るより、楽譜があるクラシックの方が自由と感じたのです。
演奏する日によっても、演奏者によってもさまざまに変化する表現。それはちょっとしたテンポの違いだったり、音色の違い…。けれどもそこで、「何があったのかな?」と考え、演奏者も聴衆もそれぞれの物語を描き始めるのです。そして交わされる楽しい会話はまさに「幸せの音楽」。
「ほら、楽しいでしょ」と会話を投げかけてくるモーツァルトの音楽は、聴くだけで「幸せ」と感じる音楽なのです。

ゲスト

根底には「人を喜ばせたい」というものがあったんじゃないかな

根底には「人を喜ばせたい」というものがあったんじゃないかな

小曽根真(ピアニスト) 小曽根真(ピアニスト)

小曽根真(ピアニスト)

profile

バークリー音楽大学 ジャズ作・編曲科を首席で卒業
世界の主要オーケストラとクラシックの名曲で共演するなど
ジャンルを超えて音楽の魅力を発信するピアニスト

楽曲情報

「モーツァルトのメヌエットによる即興演奏」
小曽根真(ピアノ)
「2台のピアノのための協奏曲」
モーツァルト
小曽根真、チック・コリア(ピアノ)
尾高忠明(指揮)
NHK交響楽団(管弦楽)

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