バックナンバーバックナンバーをみる

これまでの放送 2017年7月14日(金)の放送

とことん音楽!わたしのショパン~華麗なヴェールに隠された真実~ 「ショパン好きな女性が苦手」と語るMCの高橋克典。苦手な理由は
「きれいすぎる」とのこと。そこで、ショパンを愛するピアニスト
仲道郁代が、「それはもったいない!」とあの手この手を使って、
克典が持つショパンのイメージを覆していきます。
ショパンを好きになってもらうために仲道さんが選んだのは、
「華麗な大円舞曲」、「革命」「バラード第1番」の3曲。
一流演奏家ならではの視点で解き明かす、作曲家の真実。
華麗なヴェールの下には、ショパンの心の叫びが!
仲道さんがショパンについて、とことん語ります!
とことん音楽!わたしのショパン
~華麗なヴェールに隠された真実~
「ショパン好きな女性が苦手」と語るMCの高橋克典。苦手な理由は「きれいすぎる」とのこと。そこで、ショパンを愛するピアニスト仲道郁代が、「それはもったいない!」とあの手この手を使って、克典が持つショパンのイメージを覆していきます。
ショパンを好きになってもらうために仲道さんが選んだのは、「華麗な大円舞曲」、「革命」「バラード第1番」の3曲。一流演奏家ならではの視点で解き明かす、作曲家の真実。華麗なヴェールの下には、ショパンの心の叫びが!仲道さんがショパンについて、とことん語ります!

パリで活躍!セレブなショパン

ポーランドの首都ワルシャワ近郊の村で生まれたショパン。母は子守歌がわりにポーランド民謡を歌い、姉は優しくピアノを教える。そんな愛に満ちた環境でショパンは音楽の才能を育んでいきました。ピアノと作曲に才能を発揮した彼は、活躍の場を広く求め、ポーランドを離れパリに。
魅惑的なルックスで華麗にピアノを奏でるショパンは、上流階級の人々が集まるサロンでたちまち人気に!高額なレッスン料にもかかわらず、ショパンにピアノを習いたいという貴婦人もたくさん現れます。そんな華やかなパリ生活を楽しんでいたショパン。その姿と重なるかのような曲、「華麗な大円舞曲」(ワルツ 変ホ長調作品18)。キラキラと輝くようなワルツですが、仲道さんは他のワルツとは違う何かを感じていました。その違和感は、ショパンのふるさとポーランドの民俗舞踊マズルカを聞いて無くなりました。楽譜に書かれている「3拍子のアクセントの付け方」が、マズルカのリズムのイメージとぴったりあったのです。ワルツという華麗でエレガントは音楽であっても、ポーランドの民俗的な踊りのエッセンスを盛り込んで作曲したショパン。ふるさとポーランドは、ぶれない軸としてショパンの心に常に存在していたのです。

祖国愛の情熱家ショパン

19世紀前半、周りの国々に領土を分割され虐げられていたポーランド。人々は自由と独立を求め立ち上がりますが、ロシアの大軍に鎮圧されてしまいます。「ワルシャワ陥落」をパリに向かう途中のドイツで知ったショパンは、ふるさとに残る父母、姉妹を心配し、何も出来ない自分を嘆き苦しみます。そんなショパンの心の内が表れていると言われるのが「革命」です。
暗い感じのするハ短調のこの曲は、衝撃的な和音で始まります。その響きは不安定で、全編を通じてその不安定さは続きます。しかし最後の音は、明るい感じのするハ長調の和音で終わるのです。仲道さんは、この最後の和音にショパンの心の内を感じ取ります。もしも、暗い感じのハ短調の和音で終っていたら「すべてを諦め、悲しい出来事を受け止める」印象に。明るいハ長調の和音で終わることで、「悲しい出来事を受け止めるわけにはいかない。何とかしなければ」というショパンの心の叫びが聞こえてくると言うのです。

二つに引き裂かれた心

ワルツのように優雅に、パリのサロンで人気のセレブなショパン。そして祖国ポーランドの悲劇に憤る、情熱家のショパン。2つはどちらも本当の姿。ショパンの心の中は、どのような状態だったのでしょうか?それがよく分かる曲があると仲道さんは言います。「バラード第1番」。この曲の中で華やかでありながら哀愁を感じる、胸に迫ってくる部分。ここで仲道さんは、ショパンの二つに引き裂かれた心の叫びを感じます。そのメロディーは、装飾音があることによって、自分でもコントロールできない、暴れるような感情が表現されているようだと言います。そこに、華やかなパリの生活を捨てられない、でも祖国に帰って何かしなければと焦る、そんな強い2つの思いの間で揺れ動くショパンを仲道さんは感じているのです。

ゲスト

ショパンの美意識の隙間から聞こえてくる彼の内なる思いにやられちゃいます

ショパンの美意識の隙間から聞こえてくる彼の内なる思いにやられちゃいます

仲道郁代(ピアニスト) 仲道郁代(ピアニスト)

仲道郁代(ピアニスト)

profile

30年にわたり第一線で活躍するピアニスト
作曲家を深く掘り下げ紹介するコンサートが好評

楽曲情報

ワルツ 変ホ長調 作品18「華麗な大円舞曲」、練習曲集からハ短調「革命」、バラード第1番(カット版)
ショパン
仲道郁代(ピアノ)

Page Top