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これまでの放送 12月3日(土)の放送

オーケストラで描いた水彩画 ~メンデルスゾーンの交響曲「イタリア」~
10代でいくつもの交響曲を書き上げ神童と呼ばれたメンデルスゾーン。
彼は生涯、絵画の習練にも情熱を注ぎました。
音楽と絵画、2つの才能の間には、どんな関わりがあったのでしょうか。
作曲者のもう1つの人物像から躍動感あふれる旋律の秘密に迫ります。
メンデルスゾーン
オーケストラで描いた水彩画
~メンデルスゾーンの交響曲「イタリア」~
10代でいくつもの交響曲を書き上げ神童と呼ばれたメンデルスゾーン。彼は生涯、絵画の習練にも情熱を注ぎました。
音楽と絵画、2つの才能の間には、どんな関わりがあったのでしょうか。作曲者のもう1つの人物像から躍動感あふれる旋律の秘密に迫ります。

メンデルスゾーン

イタリアの感動が鳴り響く

ドイツのハンブルクに生まれたメンデルスゾーンは、9歳でピアニストとしてデビューし、12~14歳までの間に12曲もの交響曲を書き上げ神童と呼ばれました。そんな彼が21歳のとき、憧れの地イタリアを旅しました。ベネチア、フィレンツェ、ローマなど、生まれ故郷とは全く違ったイタリアの自然や芸術などに、メンデルスゾーンは衝撃を受けます。
この上もなく温かい太陽の光、青い空、澄んだ空気…創作意欲をかき立てられた彼は、滞在先のローマで、新たな交響曲「イタリア」を書き始めます。
躍動感溢れる明るい旋律、簡潔で明快な音楽の構成。彼自身が指揮した初演は大成功をおさめました。イタリアでの感動を名旋律で綴ったこの作品は、彼の最も愛される交響曲の1つとなったのです。

音楽の天才は色にもこだわる!?

音楽の天才は色にもこだわる!?

音楽家でありながら、少年のころから絵を学んだメンデルスゾーン。姉の夫である宮廷画家ヴィルヘルムに指導を仰いだり、結婚相手に画家のセシルを選ぶなど、音楽同様、絵画にも情熱を注ぎました。
そんなメンデルスゾーンの絵には、共感覚を持つ人が描く幾何学的な模様が随所に見られる、と指摘する専門家がいます。「共感覚」とは、音楽を聴くと色が見えたり、色を見ると音が聴こえる、また、文字に色を感じたり、音に温度を感じるなど、異なる複数の知覚が同時に現れる現象です。音楽家の中には、調性によって様々な色が見えるという人もいます。
共感覚を持つ人の脳を調べてみると、音楽を聴いているとき、色を認識する部位も活性化するそうです。メンデルスゾーンに共感覚があったかどうかは、はっきりとは解りませんが、色鮮やかなイタリアの風土に感動した彼は、画家が絵具を使うかのように、オーケストラを使って、その感動的な世界を描き出したのかもしれません。

イタリアを描く躍動感の秘密

イタリアを描く躍動感の秘密

イタリアの自然や風土、それに感動したメンデルスゾーンの気持ちが凝縮されていると言われる冒頭の旋律。非常に躍動感あふれる旋律ですが、なぜそのように感じられるのか。実は、ある工夫が施されているのです。
前の小節から先行して入る“前置き”の音符がとても大切で、“前置き”をなくすと躍動感がなくなるのが実感できると思います。“前置き”がついた別の曲でも同様に試してみてください。
さらに、先に紹介した「イタリア」の旋律の前に、駆け上がるように華やかな“前置き”も付けられています。
様々な“前置き”により躍動感が生まれ、イタリアを描いた旋律がとても印象的なものになっているのです。

ゲスト

メンデルスゾーンの気持ちになって共に感じられましたよ…

メンデルスゾーンの気持ちになって共に感じられましたよ…

城戸真亜子(洋画家) 城戸真亜子(洋画家)

城戸真亜子(洋画家)

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幼いころからクラシック音楽に親しむ
絵を描くときのBGMにもクラシック

楽曲情報

交響曲「イタリア」第1楽章
メンデルスゾーン
角田鋼亮(指揮)
東京フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)

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