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これまでの放送 2015年2月7日(土)の放送

名曲集 ~大作曲家たちの“恋愛模様”~ 名曲集 ~大作曲家たちの“恋愛模様”~
恋する男たちは様々な体験から何を感じ、
どんな音楽を生み出したのか…
名曲集
~大作曲家たちの“恋愛模様”~
昔も今も恋愛は名曲の源。
恋する男たちは様々な体験から何を感じ、どんな音楽を生み出したのか…

恋するたびにグレードアップ ~リストの「ラ・カンパネラ」~

ハンガリー生まれの作曲家フランツ・リストは、女性にモテモテのイケメン・ピアニストでしたが、彼の作品には、恋によって大きな変貌を遂げた名曲があります。イタリア語で鐘を意味する「ラ・カンパネラ」。彼が21歳のとき初めて書いた超絶技巧の作品ですが、これを書いた後、リストは夫のいる美しい女性マリーと道ならぬ恋に落ちて駆け落ち。愛の逃避行のさなか、教会で聴いた鐘の音が「ラ・カンパネラ」の「第2稿」を生み出すきっかけになります。「第2稿」は「第1稿」の余分な音がそぎ落とされ、美しい鐘の音をより強く印象づける作品となったのです。さらにこの曲を発展させたのが、リストが35歳のときに出会った聡明な女性カロリーネとの恋。リストを大きく変えたのが彼女の言葉でした。「ピアニストとしての忙しさにかまけていないで、作曲家としてじっくり音楽と向き合うべきです!」リストは作曲活動に専念するようになり、「ラ・カンパネラ」の「第3稿」が生まれました。ピアニストとしての技術をいたずらに誇示するのではなく、音楽全体の構成を意識して作られています。

つかの間の大恋愛を胸に秘め ~サティーの「あなたが欲しい」~

フランスの作曲家エリック・サティーは、時代を先取りするような革新的で独創的な試みをいくつも行った作曲家でしたが、非常に気難しく、人付き合いが苦手な風変わりな男でもありました。「恋愛は重い病だ…怖いので避けるようにしているよ…」そんな言葉を残したサティーは恋愛上手ではありませんでした。彼が26歳のとき、生涯一度の大恋愛を経験します。お相手は1つ年上で子持ちの画家シュザンヌ。著名な画家たちのモデルを務めながら、彼らと次々と浮名を流した恋多き女性でした。恋におくてなサティーは、あっという間にシュザンヌのとりこになり、2人の暮らしが始まります。シュザンヌの似顔絵を描いたり、彼女の名前を呼ぶメロディーを書くなど、愛の日々を楽しみました。しかし、シュザンヌはサティーの友人ともつき合い始め、2人の仲はたった5か月で破局。大失恋から7年後、彼の胸に秘めた思いから「あなたが欲しい」が生まれたと言われています。

仕事も人生も妻一筋! ~クライスラーの「愛の喜び」~

ウィーン生まれの作曲家で天才バイオリニストのフリッツ・クライスラーは、7歳のときウィーン音楽院に入学し、10歳になると首席で卒業、その後は世界をまたにかけて大活躍。そんな彼が26歳のとき、船旅の途中、聡明なアメリカの女性ハリエットに出会いました。船を下りる時には、結婚の約束をしていました。独身時代のクライスラーは、酒やギャンブルが大好きで、また、音楽家でありながら、大の練習嫌い。しかし、ハリエットは、クライスラーの怠惰な生活を全面的に立て直すしっかり者でした。酒や音楽に関係のない趣味、ギャンブルなどを禁止し、彼を部屋に閉じ込めて、バイオリンの練習をキッチリ行うよう監視しました。ハリエットは、周りの人たちから批判されることもありましたが、演奏会では、楽屋に押し寄せるしつこいファンを撃退したり、出演料を引き上げるよう交渉するなどの活躍も見せました。ハリエットあってこそ、クライスラーは作曲や演奏に励むことが出来たのです。仕事も人生も妻一筋、相思相愛の結婚に恵まれたクライスラーは、幸せを謳歌するかのような「愛の喜び」を書き上げたのです。

ゲスト

好みじゃない女性でもつき合え!お互いにプラスになるかもしれない

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ベリッシモ・フランチェスコ(タレント・料理研究) ベリッシモ・フランチェスコ(タレント・料理研究)

ベリッシモ・フランチェスコ(タレント・料理研究)

profile

ローマ出身 食を通して国際交流
恋に生きる36歳 独身

楽曲情報

ラ・カンパネラ
あなたが欲しい
愛の喜び
①リスト
②サティー
③クライスラー
①ニコライ・ホジャイノフ(ピアノ)
②高橋アキ(ピアノ)
③奥村 愛(バイオリン)、加藤昌則(ピアノ)

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