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これまでの放送 2014年4月5日(土)の放送

ドウキでドカン! クラシック音楽で最も有名な曲ともいわれるベートーベンの「運命」
この曲といえば冒頭のジャジャジャジャーン。実はこの「4つの音」は
ベートーベンのお気に入りだった?
ドウキでドカン!
クラシック音楽で最も有名な曲ともいわれるベートーベンの「運命」
この曲といえば冒頭のジャジャジャジャーン。実はこの「4つの音」はベートーベンのお気に入りだった?

運命
運命

ジャジャジャジャーンの誕生

「運命」という名で親しまれる交響曲第5番ハ短調はベートーベンが1808年に書いた作品です。冒頭のジャジャジャジャーンは「運命のモチーフ(動機)」と呼ばれ、この曲を象徴するものですが、実はこの4つの音はベートーベンにとって「運命」だけのものではなく、「運命」以前の数々の作品で使われていたのです。1795年の「ピアノ・ソナタ第1番」を皮切りに「熱情」、「バイオリン協奏曲」などで「運命のモチーフ」によく似たモチーフや同音連打が登場しています。ベートーベンは「運命」作曲前の数年間、この4つの音にこだわり続け、そして「運命」はベートーベンの心の中で長い間鳴り続けていたモチーフの、究極の姿だったのです。

こだわれたワケ こだわったワケ

ベートーベン以前のバッハ、ハイドンといった作曲家は主に貴族や宮廷、教会に雇われ作曲するいわゆるサラリーマンでした。しかし、19世紀のはじめ、市民階級が台頭し始めると裕福な彼らは作曲家を雇うのではなく、自由に作曲できるよう支援したのです。 ベートーベンが純粋に理想の音楽を追究できたのには、作曲をとりまく時代の変化があったのです。一方で、ベートーベン自身にとっても「こだわったワケ」がありました。彼は20代後半から徐々に耳が聞こえなくなり、絶望のふちに追いやられ自殺をも考えていました。しかし、彼は死ではなく、芸術と向き合い続けることを選択しました。「もう少しで命を絶つところだった。私を引き止めたのは、芸術、ただそれだけだった」。彼がこだわったワケ、それは芸術そのものが生きる希望だったからなのです。

どこじゃジャーン

「運命」はベートーベンがこだわり続けてきた「4つの音」の集大成です。よって、ジャジャジャジャーンはあの冒頭だけではなく、曲の色んなところで形を変えて登場してきます。途中で、強く激しい感じから一転、優しいかんじの旋律が特徴的な第二主題が登場します。実はここでも「隠れジャジャジャジャーン」として、旋律の裏にチェロやコントラバスの低音による4つの音が潜んでいたのです。また、ほかにも「4つの音」が3組くっついてメロディアスな音色となる「くっつきジャジャジャジャーン」も。

ゲスト

新たな運命の扉が開いた感じがしました!

新たな運命の扉が開いた感じがしました!

ROLLY(ミュージシャン) ROLLY(ミュージシャン)

ROLLY(ミュージシャン)

クラシックとロックは近い!

profile

1990年ロックバンド「すかんち」のボーカル・ギターでメジャーデビュー
音楽活動にとどまらず ミュージカルや舞台などでも幅広く活躍

楽曲情報

交響曲第5番(運命)第1楽章
ベートーベン
尾高忠明(指揮)
東京フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)

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