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これまでの放送 2014年2月15日(土)の放送

すばらしき祖国 学校でよく聴いたこのメロディー。
チェコを流れるモルダウ川の美しさを描いたこの曲に、スメタナはふるさとへの愛を込めた!
すばらしき祖国
学校でよく聴いたこのメロディー。
チェコを流れるモルダウ川の美しさを描いたこの曲に、スメタナはふるさとへの愛を込めた!

モルダウ
モルダウ

美しき自然賛歌

モルダウはチェコを流れる川の事で、その美しい情景を音楽で描いたのがこの曲です。「黄金の街」と称される世界遺産のある街・プラハの中心を流れるモルダウ川。川と歴史的建築物とのコントラストは、プラハの街の美しさを際立たせています。ヨーロッパ大陸の中央に位置する内陸国のチェコにあってモルダウ川は、文化や物資を運ぶ交流の道として、チェコの文化を育み、繁栄をもたらしてきました。そんなチェコを象徴する川「モルダウ」の流れに沿ってスメタナは、チェコの美しい自然と人々の暮らしを音楽で描いたのです。

第二の国歌 誕生のワケ

1824年、チェコのボヘミア地方に生まれたスメタナ。音楽好きの父親から手ほどきを受け、6歳でピアノの演奏会を開くなど才能に恵まれていました。音楽家として身を立てるためにプラハに出たスメタナは、革命に遭遇。愛国心に燃えたスメタナも、街に出て革命運動に参加。しかし革命は失敗に終わり、ピアノ教師の仕事のあったスウェーデンへ向かいます。そこで、音楽家として成功をおさめていくスメタナ。しかし、「自分の生涯を祖国に捧げる。祖国の芸術のために尽くす」という思いは持ち続けていたのです。5年後、プラハへ戻ったスメタナは、世界に誇れるチェコらしい音楽を作ることに力を注ぎます。しかし、50歳となったスメタナに不幸が襲いかかります。聴力を失うのです。それでも、あきらめること無く5年の歳月をかけて、ひとつの作品を完成させました。それは6曲の交響詩が集まった『わが祖国』。チェコの歴史、伝説を音でつづり、美しい自然を音楽で描いたのです。その中の1曲が、チェコを象徴する川の情景を描いた「モルダウ」です。チェコを代表する音楽祭「プラハの春」で、史上最年少で「わが祖国」を 指揮したヤクブ・フルシャはこう語ります。「私たちチェコ人にとって『わが祖国』は宝石のような曲で、誇りに思っています。」

川の流れ七変化

様々に表情を変える川の流れをスメタナは、オーケストラの楽器を使って表現しました。その巧みの技を、実演を交えて解説します。
①ちょろちょろ
川の源流の小さな流れを、ハープとフルートとバイオリンを使って表現。
②とうとう
モルダウのメロディの下で、第2バイオリン、ビオラが絶え間ない川の流れを表現。
③ごおごお
低音の弦楽器、コントラバスが激しい動きで激流を表現。

ゲスト

クリス松村
(タレント)

クリス松村(タレント) クリス松村(タレント)

楽曲情報

モルダウ
スメタナ
川瀬賢太郎 (指揮)
東京フィルハーモニー交響楽団
(管弦楽)
バイオリン 弓

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