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これまでの放送 2013年6月29日(土)の放送

本物には理由(ワケ)がある 「G線上のアリア」として親しまれている名曲中の名曲。でも「G線上」って何?
意外と熱いバッハの素顔は?ワケありな名曲「アリア」の秘密に迫る!
本物には理由(ワケ)がある
「G線上のアリア」として親しまれている名曲中の名曲。でも「G線上」って何?
意外と熱いバッハの素顔は?ワケありな名曲「アリア」の秘密に迫る!

アリア
アリア

G線上のリアリー?

ポップスやジャズ、邦楽器による演奏まで様々なアレンジで楽しまれている「G線上のアリア」。バッハの原曲「アリア」は弦楽合奏とチェンバロで演奏されます。しかし多くの人は、この「アリア」のことを「G線上のアリア」という呼び名で親しんできました。そのワケは、バッハが亡くなったあとにウィルヘルミというバイオリニストがおこなった編曲にありました。彼は、バイオリンの4本の弦のうち一番低い音域が出るG線という弦1本で演奏できるように編曲し、曲は「G線上のアリア」として幅広い人気を獲得。バッハの原曲まで、その名で呼ばれるようになってしまったのです。でも、「アリア」がここまで有名になったのは、ウィルヘルミのお陰!?

男が闘う理由(ワケ)

1685年、ドイツのアイゼナハに生まれたヨハン・セバスティアン・バッハ。「すべての音楽は神のためにある」という信念のもと、数多くの名曲を残しました。しかし、その人生は、仕事のトラブル満載でした。礼拝での斬新すぎるオルガン演奏を非難されたり、強引に他の街の仕事に移ろうとして、仕えていた君主によって投獄されたり…。何度も障壁にぶつかっては、新しい道を求めて職場を変えるバッハ。最後の街ライプチヒでは教会音楽の責任者として活躍しますが、ここでも様々な軋轢が。自分の信念と現実との間で苦悩するバッハが見つけたのは、教会の外にある新しい世界でした。市民のための演奏会をおこなっていたコレギウム・ムジクムという合奏団の指揮者に就任したのです。「アリア」を含む組曲第3番は、彼らによって演奏されたと考えられています。

みんなが主役!

「アリア」は4つの楽器のパートによって演奏されます。第1バイオリン、第2バイオリン、ビオラ、そしてチェロとコントラバスとチェンバロからなる通奏低音のパートです。ついつい第1バイオリンの旋律に耳が行ってしまいますが、実はこの曲、すべての楽器が主役なんです。時を刻むように全体を支えながらも、第1バイオリンの旋律にも色合いの変化をもたらすチェロなどの通奏低音。曲のクライマックスで、それぞれ独自の美しい旋律で競演しながら他の楽器と絡み合う第2バイオリンとビオラ。すべてのパートが主役となり、お互いに組み合わさって美しい建造物をつくり上げている。やっぱり「アリア」は本物の名曲でした。

ゲスト

田中要次
(俳優)

田中要次(俳優) 田中要次(俳優)

楽曲情報

アリア
バッハ・コレギウム・ジャパン
演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン
指揮:鈴木雅明
バイオリン 弓

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