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史上最強マエストロからの挑戦状~マーラーの交響曲第1番~ 生前は作曲家よりも指揮者として有名だったマーラー。
型破りな交響曲の楽譜に込められたマーラーのメッセージを
読み解きます。
史上最強マエストロからの挑戦状~マーラーの交響曲第1番~
生前は作曲家よりも指揮者として有名だったマーラー。
型破りな交響曲の楽譜に込められたマーラーのメッセージを読み解きます。

交響曲の革命家、現る!

革新的な交響曲を残したマーラーの原点が「交響曲第1番」。しかし実はこの曲、はじめは交響詩として作られたのです。交響詩とは物語をもった管弦楽曲のこと。19世紀中ごろに始まった新ジャンルの音楽としてヨーロッパを席巻していました。交響詩ブームをけん引していたのが、マーラーと同年代で指揮者仲間でもあったリヒャルト・シュトラウス。マーラーも刺激を受けて作曲に挑戦し、「巨人」という標題とともに発表。しかし曲に描かれている物語の内容ばかり尋ねられ、純粋に音楽を聴いてもらえない。マーラーは悩んだ末に、標題も物語性もすべて排除しこの曲を「交響曲第1番」として作り直しました。現在でもこの曲は「巨人」という通称で親しまれていますが、それは交響詩だったころの名残りなのです。

指揮者が語るマーラーのスゴイ楽譜!

生涯2300回以上指揮したというマーラー。つねに完璧を求める鬼指揮者と呼ばれていました。その熱血漢ぶりは作曲においてもいかんなく発揮されています。マーラーの書いた楽譜をみると、五線譜には収まりきらないほどたくさんの細かな指示があるのです。こんなに指示が多いと演奏する指揮者はやりにくい!?と思いきや、実際に指揮者に訊いてみると「マーラーのお手紙のよう」「指示のおかげでリハーサルが効率よく進む」など喜びの声が!世界的指揮者のマイケル・ティルソン・トマスさんはその指示を「舞台の演出家が出す演出指示のようだ」といいます。マーラーの意図を理解すれば、指揮者はいくらでも個性を発揮できる。その指示のひとつひとつに音楽への愛が溢れているんですね。

スパルタ指揮者からの挑戦状

マーラーの指示は、演奏家から見るとどうなのか?ホルン奏者を招き、指揮者マーラーならではの指示に注目。楽譜の「ゲシュトップフト」という指示は、ホルンの音が出る部分を完全にふさいだ特殊な奏法。温かいホルンの音色が、緊張感を与える鋭い音色に変化します。楽器の音色を知り尽くしたマーラーならではのこだわりです。そして「交響曲第1番」の終盤でホルンが一斉に立ち上がって演奏するという指示は、それによって音が広がりをもつという音響効果が。時に演奏のハードルを高くするマーラーの指示ですが、すべてに意味が込められているから、演奏者は応えようとがんばるのです!

ゲスト

「すべては純粋に音楽のよさを追求するため!自分のイメージをすごく強くもってますよね」

「すべては純粋に音楽のよさを追求するため!自分のイメージをすごく強くもってますよね」

白井晃(俳優・演出家) 白井晃(俳優・演出家)

白井晃(俳優・演出家)

profile

俳優として音楽家の役を演じるほか舞台ではオペラの演出も手がける

楽曲情報

交響曲第1番 第4楽章
マーラー
大井剛史(指揮)
東京フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)

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