予選審査員から講評をいただきました。
皆さんの作品を聞かせて頂いて、やはり、「聞いていて面白いかどうか」というところが大きな分かれ目になりました。当たり前ですが、ラジオドラマはテレビドラマと違い、耳だけの記憶で話が展開していきます。そのうえでは、シーン設定が明確であることが大事だと言うことに気付かされました。次はどんなことが起こるんだろう?どんなセリフが待っているんだろう?というワクワク感は大切ではあるものの、それがどういった意味を持つのか、誰の言葉なのか、どういうキャラクターなのか。そこがわかりやすくなって初めて、「ドラマ」としての展開に移入していけるのだと感じました。どの作品も、声色や効果音などで聞かせるための工夫が多く感じられただけに、構成や設定、展開の部分で、優劣がはっきりついたというのが正直なところです。本選には、その面白さが詰まった作品が残りました。
今回、一夏のさわやかな青春を追ったドキュメンタリーから、現代社会の矛盾や不安を描いたドラマ、そして、誰もが吹き出してしまうショートコントまで、本当に幅広い作品が集まっていました。 皆さんが“大学生らしい”感性で制作していることを強く感じたのですが、それは、「おかしいことは、おかしい」、「すごいと思うものを、すごい」と素直に言えるということだと気づきました。多かれ少なかれ、社会人になると、うまく行かないことがあったり、本当に正しいのかなと疑問を持ちながらも上司の言うことを聞いたり、ということが出てくると思います。皆さんの作品からは、本当に、“この瞬間”でしか作れないだろう、素直な魅力があふれていました。 一方で、まだ、足らないと感じたところもあります。ドラマは、脚本もうまく書かれ映像化も上手なのですが、ドキュメンタリーは、被写体にうまく向き合えないケースが目立ちました。おそらく、これまで学生(同世代)以外の人たちとつきあうことが少ないからだと思います。 みずみずしい感性で素直に社会を切り取ることが出来るのは、皆さんの持っている大切な力です。その上で、もっと多くの人と、幅広い人たちとつきあってください。そうすると、作る作品にさらに深みが生まれてくるはずです。 これからも、良い作品を作り続けてください。
みなさんが、短い時間の中で、CMの狙いを見事に表現していることに驚きました。撮影の技術、編集の技術の高さにも驚きました。数年前であれば、これほど、うまい編集は見られなかったと思います。 おそらく、デジタル映像で撮影し、パソコンで編集できるようになったことで、編集段階での試行錯誤が何度でも可能になったことで、磨かれていったのだと思います。それは、デジタル時代の前に育った人には無いものなので、旧世代の人たちは、みな、うらやましがると思います。 一方で、アイディアは、似たものが目立ちました。「糸電話」は、5作品はあったでしょうか。今回は、CMテーマを決めた中で、作品の優劣を競うコンペです。昔は、撮影機材や編集機材で優劣が出ましたが、いまは、機材が安価になり、そこでは差がつきません。アイディア勝負です。 だれもが思いつかず、奇想天外なアイディアで勝負。挑戦できる20才でしか出てこない、ものすごいものを期待します。
新部門ということで、どんな作品が集まるのか大変楽しみに聴かせていただきました。予選審査では、本選当日にステージでおこなう公開放送の予告番組を提出していただきました。この部門に関しては、予選に寄せられた予告番組のクオリティが全てではありません。予告番組のクオリティで、その団体の実力を測りながらも、当日この番組を会場で実演した場合にどんなになるのだろうかという観点でも審査させていただきました。 そのすべての内容は明かさないものの、当日ステージで何を見せてくれるのかを、部分的に例示してもらった方が何がしたいのか伝わります。特に今回のように全国からいろんな人が集まっている本選会場の状況をうまく利用しようとしているものには期待値も含めてポイントが高くなりました。予選審査員の期待どおり、当日の会場が盛り上がってくれるのか!かなり実験的なものも今回の本選には出てきています。本選出場に選ばれた皆さんのイチかバチかのパフォーマンスに期待します。この新部門の行方は皆さんにかかっています。
今年のテーマは、「電話」。音声CM部門に寄せられた作品は、「人と人とのつながりツールとして使っているもの」「電話の使い方・マナーに関するもの」「未来型電話」「もしもこの時代に電話があったなら」というかんじに大きく分類できました。某携帯電話会社のCM風のものや、テレフォンショッピング風のもの、ドラマ仕立てのもの等…番組としての完成度はもちろんですが、インパクトや見終わったあとに印象が残るものが、やはり本選出場となりました。音声のみで電話を表現するのにわかりやすいというのがあるのでしょうが、携帯電話よりも一昔前の固定電話(電話の呼び出し音も昔風)が登場する作品が多かったこと、またそれとは逆に音声で表現しにくいであろう携帯メールが登場する作品がこの部門ではほとんどなかったのが印象的でした。本選には、バラエティに富んだ作品が集まりました。