2017年09月22日 (金)

京の朗読会に、500人も 【入江憲一】

9月9日、第7回京の朗読会をNHK京都放送局で行いました。
午前と午後の部をあわせると、なんと!500人もの方が訪れてくださいました。

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今回は、季節が秋の入口ということで、
蜜柑(みかん)」(芥川龍之介)、「檸檬れもん)」(梶井基次郎)と果物にちなむ2作に加え、
月夜とめがね」(小川未明)、「洪庵のたいまつ」(司馬遼太郎)と何となく夜空を思わせる題名のものがそろいました。
秋の夜長に読書も、休日に朗読会もいいですよね。

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トップバッターは私、入江憲一。
蜜柑」は、作者が20代半ばで、悩んでで弱りきっていた頃、横須賀線の客車でのある少女との出会いを題材にしたと言われています。
不快や嫌悪などたまっていた険しい感情が、ある出来事をきっかけに一瞬で晴れるというストーリーです。
会場がシンと静まり、観客のみなさんが一生懸命耳を傾けてくださっているのがよくわかり、
やりがいを感じました。

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 次は、岩槻里子アナウンサーで、梶井基次郎作「檸檬(れもん)」。
京都を舞台に、果物屋でレモンを買った主人公は心の圧迫が消えるのを感じ、
その足で書店へと向かうのですが・・・。
音の高低、トーン、スピードの変化など、観客を飽きさせない多彩な表現にチャレンジ、
物語の世界に誘いました。

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 荒山沙織キャスターは、小川未明の「月夜とめがね」を朗読。
おばあさんが愛する周りの自然と対話するような静かな童話です。
おばあさんの気持ち、おばあさんを訪ねてくる不思議な人物の気持ちが伝わるよう、
その人物になりきって工夫をし、聞き終わった後、やさしい気持ちになりました。

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 丹沢研二アナウンサーは、司馬遼太郎のエッセイ「洪庵のたいまつ」。
幕末に大阪で塾を開き、日本の近代化の立役者となる若者たちを育てた蘭学者、
緒方洪庵のことを書いています。

「世のためにつくした人の一生ほど、美しいものはない」。
司馬遼太郎が小学校5年生の教科書用に書いた文章をよく読みこんで、
台本に目を落とす時間がそれほどないほどで、語りかけるようにお伝えました。

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 京の朗読会」は、観客と朗読者が物語の世界をいっしょに味わうことで、
会場に不思議な一体感が生まれます。
そして、一瞬でも日常を離れて気持ちが少し変わる、そんな素敵な時間をともにすることをめざしています。

 次回の予定が決まりましたら、このホームページや放送でお知らせしますので、
どうぞ気軽にお越しくださいね。お待ちしています。

投稿者:入江憲一 | 投稿時間:10:00 | カテゴリ:リレーエッセイ | 固定リンク

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