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コーナー記事

【京のええとこノート】南丹市・美山 満喫!夏山の恵み

2022年6月24日(金)放送 今回訪ねたのは南丹市美山。夏ならではの山の恵みを探しに出かけました。 かやぶきの里で知られる美山を訪ねたのは、梅雨に入った20日(月)。緑もしっとり潤っています。 最近注目を集めている"夏の恵み"があると聞き、訪ねたのは梅棹レオさん。 聞けば、梅竿さんはシカやイノシシを解体・精肉し、全国のレストランに卸しているとのこと。秋冬のイメージが強いジビエですが、シカ肉には夏ならではの美味しさがあると教えてくれました。 「シカは、春の新芽をたくさん食べるので、春から夏、秋にかけてすごく良い肉質になります。美山のシカは、雑木林の木の実をたくさん食べているというのと、草を豊富に食べているっていうのですごく肉質が良いと思います。」 夏ならではの肉質の良さがあるというシカ肉。梅棹さんイチオシの料理は、"シカのロースト"。ニンニクの香りをつけた油でシカ肉の表面に焼き目を付け、その後、低温調理をすると、しっとりとした舌触りに仕上がるんだそうです。 シカ肉は固いイメージがありましたが、驚くほど柔らかく、臭みもありません。かめばかむほど肉の味わいが口に広がります! 梅棹さんがジビエ料理に取り組むようになったキッカケは、獣害被害でした。増えすぎたシカやイノシシが畑を荒らしている--。料理人として何かできることはないかと考えた結果、たどり着いたのがジビエ料理でした。捨てられることの多かったシカやイノシシを、ジビエとして販売するようになったそうです。 「最後まで美味しく食べることによって、自然界のバランスが取れればいいなと思います。」と梅棹さん。野生動物と人間との共存について、私も考える機会になりました。 美山の夏の恵みは、他にもあるんです。町を歩いていると、農作業をしている人を発見。美山で漆作家として活動する、清水愛さんです。 清水さんが手入れをしていたのは、漆の木。2年前、美山に移住し、耕作放棄地として空いていた土地に、漆の木を植えています。 漆には、梅雨時期にピッタリの活用法があるんです。それは"金継ぎ"。漆を使った陶器の修復です。陶器の割れた部分に漆の糊(のり)を塗り、金粉や銀粉をかけます。漆が固まるのには、梅雨時期が良いんです。漆の中の水分が蒸発して固まるのではなく、酵素が活性化されて固まるという仕組みなので、適度な温度と湿度が必要なのだそうです。 清水さんが手がける金継ぎには、写真のように模様が描かれたかわいらしいものもあります。さりげなく、でも華やかな器になっていますよね。私も初心者向けの体験コースに挑戦。細かい作業に没頭し、2時間があっという間に過ぎていました。集中して疲れましたが、器を育てていくという感覚を味わうことができました。 清水さんが金継ぎの魅力について話してくれました。「ものが壊れたときってマイナスのイメージが強いですけどそのマイナスのイメージがプラスに変わるような作業かなと思います。」 美山の豊かな夏の恵みに出会った旅でした。 ※動画はこちら(放送から最長2か月間公開)

執筆者 大森華子(リポーター)
2022年06月24日 (金)

【京のええとこノート】綾部市 ウェルカム!里山ライフ

2022年6月17日(金)放送 今回訪ねた綾部市は、近年、移住者が増えていて京都府外からも注目されています。そんな綾部に、初夏の里山ライフを満喫する人たちを訪ねました。 京都市中心部から車でおよそ1時間半の綾部市。山に囲まれた自然豊かな土地です。 水田で作業をしている人を発見! 平田佳宏さんです。もとは大手企業に勤めていましたが、農業をやってみたいと綾部に移住してきたそうです。平田さんの手元には不思議な道具が!木の棒にチェーンが付いています。平田さん手作りの“チェーン除草機”です。これを引っ張って田んぼの中を歩き、チェーンで雑草を絡め取ります。これを使えば、農薬を使うことなく除草ができるんです。 私、リポーター平田惟も、チェーン除草を体験させてもらいました。裸足になって田んぼの中へ。チェーン除草機は予想以上に重く、これでは稲の苗も抜けてしまうのでは?と心配になるほど。でも、大丈夫!稲はしっかりと根が張っているため、なかなか抜けないんです。一度倒れてもちゃんと起き上がってくるんです。 田んぼから除草機を引き上げてみると、チェーンには雑草がたくさん絡みついていました。 除草は大成功です! 平田さんのお宅で、農作業の合間のおやつをいただくことになりました。 庭に植えられていたのは、桑の木。ちょうど熟した実がなっていました。桑の実はマルベリーとも呼ばれ、甘酸っぱくておいしいんです。 綾部に移住してきてから、自然の中でのびのびと農業を楽しんでいる平田さん。里山ライフの魅力を、こう話してくれました。 「移住してきてから、できる事が1つ1つ増えてきました。農作業の道具を作るのも、作物を育てるのもそうですよね。自分に対する満足感が高まってきましたね。」 多くの移住者を惹きつけている里山の暮らし。その魅力を気軽に体験できる所があると聞き、訪ねました。東京から移住してきた石﨑葉子さんが営む農家民宿です。 この日は、大阪からの宿泊客がやって来ました。石崎さんがお客さんを案内したのは、裏の畑。野菜の収穫体験が始まりました。先生役は、石崎さんの息子、小学6年の友喜くんです。今が旬のサヤインゲンの摘み取り方やジャガイモの掘り方をレクチャーします。友喜くんは東京に住んでいたころは畑に入ったことすらありませんでしたが、綾部に移住して4年が経った今ではすっかり野菜に詳しくなりました。 言葉も生活のリズムも異なる東京から移り住んできましたが、既に“綾部弁”を話せるようになり、里山ライフを楽しんでいるそうです。綾部の里で、子どもたちはたくましく育っているようです。 再び町を歩いていると、1軒の古民家からトントン、カンカンという音が聞こえてきました。訪ねてみると、工忠照幸(くちゅう・てるゆき)さんが仲間と自宅のリフォームをしているところでした。工忠さんは、大阪で旅行会社に勤めていましたが、自然に囲まれた生活にひかれ、綾部に移住してきました。床板をはったり、壁を塗ったりする大工仕事もコツを掴んでくると楽しくなってくるといいます。 日没後、工忠さんが、綾部で見つけたとっておきの場所に案内してくれました。山里の初夏の夜といえば、、、そう、ホタルです!近くに流れる川は“ほたる川”とも呼ばれるほど。この時期にしか見られない幻想的な光景です。 自然豊かな里山で、充実した暮らしを楽しむ人たちに出会えた旅でした。 年々、移住者が増えている綾部市。昨年度は78人が移住してきたそうです。 なぜ綾部には移住者が多いのか!? 今回の旅を通して、私なりに答えを考えてみました。 まず1つ目は、交通アクセスの良さ。京都市から特急で約70分、大阪からも高速道路を使えば、わずか90分で行けるそうです。移住してきた方々も、みなさん口をそろえて 「京都や大阪の友人が気軽に遊びに来てくれるので、外部との繋がりが絶たれることがない。むしろ綾部が交流の拠点になっている」 とおっしゃっていました。 そして、最大のポイントは“移住者の先輩が多い”ということではないでしょうか。 写真は、ロケの時にお昼ご飯を食べに立ち寄った蕎麦屋さんで見つけた貼紙です。移住の相談に気軽にのってくれること、そして“本音で話します”という添え書きが。よいことばかりではなく、マイナス面も含めて実体験を踏まえて教えてくれるというのは心強いですよね。 実際に、移住に迷っていた時に先輩の話を聞いて不安が払しょくできたという人も多くいるようです。 ※動画はこちら(放送から最長2か月間公開)

執筆者 平田惟(リポーター)
2022年06月17日 (金)