2018年10月25日 (木)

防災一口メモ「ハザードマップ」


綾部市のケースにあったように自分が住んでいる場所の危険性を

調べるには、ハザードマップが有効です。ハザードマップは自治体

などがホームページで公開したり各世帯に配布したりしています。

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自分の住んでいる地域の危険性はどのくらいか、避難所はどこなのか。

あらかじめ確認していざというときに備えましょう。

 

ただし、土砂災害の危険性は住宅や店舗の周辺でしか調べられていません。
そのため、自宅や職場から避難所までの経路が安全かどうかは実際に歩いて

みるなどして、あらかじめ確認しておくことが大切です。

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また、その避難所が水害の時の避難所なのか、土砂災害が起きそうなときの

避難所なのか、確認しておくことも大切です。自治体によっては、避難所が

どの災害に対応したものなのかを、ホームページで公開しています。

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以上、防災一口メモでした。


2018年10月25日 (木)

京の防災 第6回「避難所が倒壊したら」

7月の西日本豪雨では、京都府内でも各地で土砂崩れが起きました。

このうち綾部市では土砂崩れによって、安全であるはずの避難所が

倒壊してしまいました。危険な斜面に囲まれた山間部で、どうすれば

身を守ることができるのか考えます。

【“避難所”が倒壊する?】

西日本豪雨で綾部市上杉町では土砂崩れで住宅が倒壊して、

3人が死亡しました。

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 その上杉町から北西におよそ2キロの綾部市於与岐町の見内地区。

ことし10月、NHKのヘリコプターからみると、周囲を山に囲まれた

この地区内にも倒壊した建物が残っていました。

 

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実はこの建物「避難所」でした。

 

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地区の公民館ですが、自治会が独自に定めたいわゆる「自主避難所」

だったのです。幸い、ここには1人も避難していなかっため、けが人

などはいませんでした。

この地区の自治会長、相根稔さんは小さい頃からよくこの公民館を

訪れてきました。相根さんは倒壊した公民館を見ながら、「裏山も

なだらかなので、比較的安全だと思っていました。まさか崩れるとは

思っていなかった。ぞっとします」と話していました。そして、

「誰もここに避難しなくて良かった」と振り返っていました。

 

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【住民たちはどこへ避難したのか】

当時、地区では大雨で道路が冠水していました。

土砂崩れも発生し避難しなければ危険な状況でした。

公民館にはいなかった住民たち。どこに避難していたのか。

地区の消防団員、滝花博之さんが当時のことを話してくれました。

 

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7月7日未明、上杉町では雨が急激に強まります。

見回りに出た他の団員の話などから地区が冠水していることを

知った滝花さんは地区に住む80代の女性とその娘を避難させました。

滝花さんは「家の近くに土砂と泥と、人間の頭くらいの石ころが

ごろごろと転がっていました」と当時の様子を振り返ります。

「山ごとどさっと家を潰すような土石流が来るかもしれないと

思ったので慌てて『逃げて下さい』と促しました」と証言します。

雨が降っている中、安全な場所へ、おんぶして避難させたのです。

滝花さんが避難先として選んだのは、自主避難所の公民館ではありませんでした。

 

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綾部市のハザードマップです。土砂災害の危険性がある区域が黄色や赤で

示されています。公民館がある場所は危険が特に高い赤、特別警戒区域でした。

地区の殆どが赤や黄色で埋まっています。その中で1か所だけ色がついていない

建物がありました。

 

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一般の住宅ですが、ここが、滝花さんが選んだ避難先でした。

滝花さんは以前からハザードマップで目をつけていたということで

「ハザードマップ上も、ほかの所は危険でありながらもここだけは

安全だと覚えていました」と話していました。2階建てになっていることや、

他の建物と比べて山から離れていることにも注目していました。

 

【なぜ危険な場所に“避難所”が】

見内地区を含む綾部市中央部の山間部にはあわせて17の自主避難所があります。

しかし、このうち4割にあたる7つが、土砂災害の危険があったり危険が高い

区域に立地したりしています。

 

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なぜ危険が分かっていながら、避難所が設けられているのか。

相根自治会長は「市の指定避難所までは車で10分以上かかります。

車に乗れない高齢者も多いですし遠くに避難するのは難しい」と話します。

市が正式に指定した避難所は地区から直線距離でおよそ2・5キロも

離れています。この地区では65歳以上の住民が60%を超えるなど

高齢化が進んでいて、深夜、そこまですぐに逃げ込むのは困難だといいます。

市は危険性のある自主避難所をハザードマップに載せていました。

綾部市総務部総務防災室の高橋一彦室長は「土砂災害警戒区域の指定がある前に

届けを頂いたもので、指定後、土砂災害警戒区域や特別警戒区域にあることが

分かったところもあります。ハザードマップに自主避難所も一緒に載せ自主避難所

も含めて災害リスクはどうなのかということを確認して頂いています」と話していました。

 

【避難のあり方は】

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危険な斜面に囲まれた地区でどう避難したらよいのか。土砂災害に詳しい

京都大学の小杉賢一朗教授は避難が難しいときに備えて地区内で安全な場所を

探しておくことも重要だと指摘します。「ハザードマップの色分けをみて

危険ではない場所を予め把握しておくことが大切です。建物の所有者と予め

協定を結ぶなどして大規模な災害の時には私的な建物も避難所として利用

できるような仕組みを地域で作り上げていくことも重要です」と述べています。

自治体が指定する安全な避難所へ、というのが理想です。

しかし、高齢化が進む中、急な大雨ですぐに遠くまで避難できないこともあります。

ハザードマップなどから避難所が立地する土地の特徴を知り、安全性を見極めておく

ことも命を守ることに繋がります。

 

 


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