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京のええとこ連れてって

【京のええとこ】南丹市美山 新鮮な乳製品に舌鼓

2023年5月12日(金)放送※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信) 放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください! 今回訪ねたのは南丹市美山町。 南丹市美山町は、かやぶきの里で知られています。 道の駅「美山ふれあい広場」を、菅江隆一リポーターが訪ねました。国道162号線沿いにあり、ライダーに人気の道の駅です。敷地内にある直売所「ふらっと美山」には朝どれの野菜や山菜、そしてイノシシやシカといったジビエなど、豊かな自然に育まれた産品が並びます。 この道の駅ならではのもの、それはなんといっても「牛乳」!。全国でも珍しく、道の駅に牛乳加工場が併設されているんです。 静かで空気がきれいな美山では健康な乳牛が育ち、牛乳の質も良いといいます。この工場では、一般的な牛乳よりも低い温度で殺菌処理を行っていて、本来の風味をしっかりと残した牛乳を製造しています。コクとうまみがありながらも後味すっきり。ごくごく飲めます。 さらに敷地内にある加工所で、毎日運ばれる生乳を使った「フレッシュチーズ作り体験」も行われています(要予約)。チーズの原料となる牛乳のたんぱく質が固まったものが用意されていて、85℃に熱した塩水に浸しながらチーズを温め、成形していきます。 作るのはモッツァレラチーズ。原料を一つにまとめたものを2つに折っていく作業を繰り返すと、表面がつるつるになっていきます。菅江リポーター、途中までは手際よくまとめていたのですが…最後に丸める作業に苦戦。しかし、なんとか完成です!牛乳の味が濃く、デザートにもおつまみにもぴったり。出来たてのチーズならではの食感と風味が楽しめました。 そしてもう一つ、人気の乳製品があります。それがジェラート!ゆずやブルーベリーなど、地元で取れる食材のフレーバーが並んでいます。 この時期、ジェラートにぴったりの旬の食材があるということで、地元の方を訪ねました。お隣同士に住む、西田さんと平川さんです。 その食材というのが、山椒(さんしょう)!ちょうど実が付き始めた時期。美山町では、家の敷地や畑に山椒の木が植わっているご家庭が多く、花や実の旬になると各家庭で摘み取ります。お二人は、「料理に使うとおいしくて、とてもよい香りがする」と、美山の山椒に自信を持っていらっしゃいました。 この香り高い山椒と自慢の牛乳で「山椒の葉ジェラート」が作られます。 山椒の葉の香りがジェラートになっても生かされていて、牛乳の味とマッチします。画面を通して香りが伝わらないのが残念なほど。取材した日は山椒の葉が使われていましたが、5月下旬になると実山椒が原料に使われるようになり、味わいが濃くなるということです。新緑の美山で、おいしいものをたっぷり堪能しました。

執筆者 菅江隆一(リポーター)
2023年05月12日 (金)

【京のええとこ】南区 吉祥院 伝統受け継ぐ六斎念仏

2023年4月21日(金)放送※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信) 放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください! 菅江隆一リポーターが、南区吉祥院を訪ねました。地区を走る西国街道には古い民家や商店が点在しています。 パン屋を営む早師久子(はやし・ひさこ)さんによると、近くの吉祥院天満宮がおすすめなのだとか。 吉祥院天満宮は学問の神様・菅原道真をまつる神社です。 宮司の石原定祥(いしはら・さだよし)さんに神社の歴史をお聞きしました。平安時代、この辺りは菅原家の領地で神社ができる前から「吉祥天女」という女神がまつられていたのだとか。その建物を「吉祥院」といい、地名の由来にもなっています。 神社には不思議な話が伝わっています。 道真の祖父、清公(きよきみ)が遣唐使として中国へ渡った時、暴風雨に遭遇しました。 助けを求めて祈ると吉祥天があらわれ、嵐がやみました。 帰国した清公は自ら吉祥天の像を彫り、お堂を建てたそうです。 現在も境内には吉祥天をまつるお堂が残っています。 吉祥院天満宮では毎年4月25日に大きな祭が開かれ、そこで六斎念仏が奉納されます。六斎念仏は平安時代中頃に生まれたと言われ、日本各地に残る「風流踊(ふりゅうおどり)」の1つとして去年、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。 吉祥院六斎保存会の皆さんが練習しているところに訪ねました。 幼稚園児から80代まで、40人が毎月2回集まって練習しています。 一番の花形は獅子舞です。二人一組になってアクロバティックな技を披露します。 30年近く獅子舞を担当している村田大輔さん、41歳です。3歳のとき、はじめて六斎念仏を見て獅子舞に魅了されたそうです。 本番では重い衣装と5キロもある獅子の頭を持って演技します。 菅江リポーターも特別に衣装を着させてもらいました。 衣装を着ると視界が狭いうえ、重さで身動きも満足にできません。 5分とたたずにギブアップ! 村田さんのように獅子舞にあこがれて練習に励んでいる人たちがいます。中学2年生の有本夕莉奈(ゆりな)さんと寺内聖奈(せな)さんです。 2年前から練習をはじめ、いまでは持ち上げる技もできるようになってきました。 寺内さんの目標は「全部の動きを覚えて本番でやる」こと。有本さんは「寺内さんと楽しくやる」ことです。 もし女性が獅子舞で舞台に上がったら、吉祥院六斎念仏の歴史で初めてのできごとです。村田さんは期待を持って二人を指導しています。地域が一つになる古き良き伝統がこれからも受け継がれてほしい、そう感じた旅でした。

執筆者 菅江隆一(リポーター)
2023年04月21日 (金)

【京のええとこ】舞鶴市 流木で作る 不思議アート

2023年4月14日(金)放送※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信) 放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください! 今回は訪ねたところは舞鶴市。 上林比東三(ひとみ)さん(71)は、海岸に流れ着く流木を使って、造形作品を作る流木アーティストです。この日も神崎海水浴場で流木を探していました。 上林さんは、流木の自然な形を利用して、思うがままに空想上の生物を作ります。 上林さんの本業は車の板金塗装業です。 7年前、仕事の息抜きに海に行ったとき、蛇に似た流木を発見。それがきっかけで流木アートにのめり込みました。 仕事場の横にある空き地には、これまで作った作品がずらりと並びます。その数およそ50体。 ワニとティラノサウルスが合体したワニラサウルスは、上林さんお気に入りの作品です。尻尾から首まで1本の流木で出来ていて、こういう流木はなかなかないといいます。 希望者には、流木アートの教室も開催しています。平田リポーターもチャレンジ。どんなものができるのか想像もつかないなか、上林さんの頭の中にはすでに完成品が浮かんでいたようです。 目にガラス球を入れることで、流木に命を吹き込むと上林さんは言います。 恐竜の赤ちゃんのような作品が出来上がりました。 上林さんを流木アーティストとして見いだし、SNSなどで全国に発信している浦岡雄介さんを訪ねました。 浦岡さんとの出会いが縁で、上林さんは2021年、京都市京セラ美術館で開かれた「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ)1989‐2019」に出展する一人にも選ばれました。 親子のような年齢差にも関わらず、お互いをリスペクト。会うたびに進化している上林さんに「このままスクスクと育ってほしい」と浦岡さんが言えば、上林さんは、「ただひたすら作るのみ。最終的は伝説の人になりたい」と答えました。いくつになっても好きなことに打ち込めるってすばらしいと感じました。

執筆者 平田惟(リポーター)
2023年04月14日 (金)

【京のええとこ】京都 北区 北区を満喫!デジタルスタンプラリー

2023年4月7日(金)放送※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信) 放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください! 京都市北区では、スマートフォンを使って神社仏閣や商店街を訪ねスタンプを獲得する、デジタルスタンプラリーが行われています。5つ以上集めると、北区ゆかりの特典が受け取れます。今年度から新しく仲間入りした菅江隆一リポーターが、スマホを片手に北区を巡ります。 菅江リポーター、大学時代に地下鉄北大路駅周辺をよく通っていたとのこと。なじみの場所からスタートです。 北区に詳しい、作家の望月麻衣(もちづき・まい)さんにご案内いただいて、巡ります。 望月さんは「京都寺町三条のホームズ」など京都を舞台にした作品を数多く手掛けており、北区の取り組みの応援大使もされています。 現在行われているデジタルスタンプラリーは、北区を11のエリアに分け、それぞれのエリア数か所にスタンプを獲得できるスポットを設置。スポットにはQRコードが掲示してあり、それをスマホで読み込んで集めていきます。望月さんが北区を舞台にした作品を書いたことから、北区と一緒に街を盛り上げようと取り組みが始まり、このスタンプラリーもその一環です。地下鉄北大路駅の改札内にもスタンプスポットがあり、まず1スタンプ目を獲得して出発です。 まず移動したのは、歩いて20分ほどの建勲(たけいさお)神社。「けんくんさん」の愛称で親しまれています。 望月さんは、ここを小説の舞台にしようと取材に来たことがあります。その際、境内の石段をのぼり、どのくらい疲れるのか、石段が何段あるのか、何段から汗をかき始めたかなど、細かくリサーチしたそうです。この実体験は、北区が舞台の「京都船岡山アストロロジー」の一節で、「建勲(たけいさお)神社は船岡山の中腹にある。そのため、結構な石段を登らなくてはならない。階段を半分まで上がった頃には、額に汗がにじみ始めていた」と描かれました。 およそ100段の石段をのぼり、本殿に到着。明治2年創建、織田信長をまつる神社です。お参りの際、「祓串(はらいぐし)」を手に取って、自ら身を清めます。望月さんの作品を読んで、神社を訪れる人も多いそうです。 ここで2つ目のスタンプをゲットしました。 金毛閣(きんもうかく)と呼ばれる、国の重要文化財の三門がある大徳寺でもスタンプを獲得できます。 続いては、大徳寺から歩いて10分ほどにある新大宮商店街にやってきました。 漬物屋さんのご主人が話しかけてくれたり、豆腐屋さんのお母さんが商品の説明をしてくれたり。みなさん気さくに対応してくださいます。 商店街の組合事務所がスタンプスポットになっていて、こちらで4つ目を獲得しました。 最後に訪れたのは、世界遺産・上賀茂神社。その門前にある和菓子屋さんで、スタンプを獲得できます。 このお店で、スタンプ5つコースのクリア特典が受け取れます。やきもち2個と、さらに、望月さんが書いた書下ろしショートストーリーを受け取ることができます。(4月16日以降は特典の内容が変わります) 案内してくださった望月さんは、「スタンプラリーを通して、普段はいかないようなところ、知らないところ、気付かなかったところも見つけていただけたらうれしい」と話していました。 「春の北区を満喫!デジタルスタンプラリー」は、2023年5月15日(月)まで開催されています。

執筆者 菅江隆一(リポーター)
2023年04月07日 (金)

【京のええとこ】京田辺市 熱闘!いす-1GP

2023年3月31日(金)放送※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信) 放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください! 今回訪ねたのは京田辺市、近鉄新田辺駅東側のキララ商店街。 以前「こえきく!!」で紹介した「いす-1グランプリ」が行われるということで参加してきました。 「いす-1グランプリ」とは身近な事務イスを使って商店街のまわりを3時間で何周走れるかを競う耐久レース!ここ京田辺が発祥で、世界的に盛り上がっている大会です。 この日は、北海道から岡山県まで全国から34チームが集結。 私たちNHK京都チームも参加しました。一緒に走るメンバーは、以前「こえきく!!」で、「いす-1グランプリ」を取材した坂根ディレクターと、サッカー大好きなスポーツマンの大野ディレクター。 「チーム木津川運輸」はこれまで25回の優勝を誇る絶対王者です! 初心者の私たちでも、すぐに使えるテクニックをアドバイスしてもらいました。速く走るには「イスの支柱に足が当たらないよう、浅めに座り足を大きく動かす」こと!だそうです。 予選を終え、28番からのスタート位置。目標を20番以内と定めます。 そして、いよいよ「いす-1グランプリ」本戦スタート!一斉にいすに座った選手たちが飛び出します! 私はというと…1周走っただけで、もうへとへと…!始まって早々、2時間走り切れるか不安しかありませーん! 1周走り終えた坂根ディレクター「100m全力疾走するのを10回やった気分」…。 それでも「チーム木津川運輸」に教わったテクニックのおかげもあって、開始から30分経過で20周。順位を7つあげて21位に! 「チーム木津川運輸」の貫禄の走り。けた違いの速さで他の追随を許しません! 負けじと、健脚の大野ディレクターもラストスパート!こん身の走りを見せます。 疲れた時こそ地域の皆さんの応援が力を与えてくれます! そして、「いす-1グランプリ」終了!なんとか走り切りました。私たちは目標の20位には届かず24位でしたが、2時間で72周、距離にするとおよそ13kmを完走しました。 レースのために町が一つとなる、京田辺の一番アツい日が終わりました。

執筆者 大森華子(リポーター)
2023年03月31日 (金)

【京のええとこ】宮津市 阿蘇海の恵み

2023年3月24日(金)放送※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信) 放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください! 今回訪ねたのは宮津市。宮津市には天橋立によって宮津湾と隔たれた内海・阿蘇海があります。 阿蘇海に面した漁師町、溝尻地区を訪ねました。 天橋立が防波堤となり、阿蘇海は常に波が穏やか。そのため、溝尻地区には40軒ほどの舟屋が残っています。 井上真哉さんの舟屋を訪ねました。 船を出し入れしやすいよう、舟屋は波打ち際に建てられています。 舟屋の奥にあるのは船へ乗り降りするときに使うマイ桟橋。 間近にはお隣のマイ桟橋があり、とれた魚介類を頂くことも。これが昔ながらの舟屋暮らしです。 阿蘇海は昔から豊かな恵みをもたらしています。村上純矢さんは兼業漁師が多い地区で唯一の専業漁師です。 早朝、村上さんの漁に同行させてもらいました。 阿蘇海に昇る朝日の美しいこと! 前日から仕掛けていた刺網を引き上げると、およそ50匹のイワシがかかっていました。阿蘇海でとれるイワシは金樽イワシと呼ばれ、珍重されています。 とれた魚を新鮮なうちに味わってほしいと、村上さんは一部を地元の飲食店へ直接卸しています。明石洋一さんはアメリカや東京で活躍したすし職人。明石さんによると、塩分濃度の低い阿蘇海の魚は、海の魚とも川の魚とも違う独特の味わいがあるのだとか。 とれたての金樽イワシでおすしを握っていただきました。 口に入れたとたんにとろける脂の甘味が絶品。こんなにおいしいイワシは初めて食べました。 阿蘇海の豊かな恵みと、海を愛する人たちに出会った旅でした。

執筆者 平田惟(リポーター)
2023年03月24日 (金)

【京のええとこ】長岡京の魅力発信 70歳のユーチューバー

2023年3月20日(月)放送※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信) 放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください! 今回は長岡京市を訪ねました。 駅前で、スマホで町の風景を撮影している女性を発見!百瀬ちどりさん(70)です。 百瀬さんは、市役所を定年退職後、動画で長岡京の魅力を発信。ユーチューブで公開しています。 60歳を過ぎてから、見よう見まねで覚えた動画の編集。7年前から公開した映像は、なんと653本にのぼります。「いいものはどんどん吸収しましょう。撮るのも楽しいけれど、ユーチューブで見てもらったらもっと楽しくなる」と語る百瀬さん。撮影に同行しました。 まず案内されたところは、中山修一記念館。長岡京の発掘に生涯を捧げた中山修一さんゆかりの場所です。 百瀬さんは、50年ほど前、中山さんのもとで長岡京の発掘調査に参加。その時、中山さんの人柄や優しく人と触れ合う様子に感動し、すっかり長岡京が大好きに。 百瀬さんの動画発信には、長岡京をこよなく愛した中山修一さんの郷土愛が受け継がれているのです。 続いて向かったところは、住宅街の中にある「十八丁」と刻まれたお地蔵様。約2キロ先にある柳谷観音への残り距離を表示しているもので、寺に続く参道には、今も18のお地蔵様が残っているといいます。 柳谷観音楊谷寺は1200年ほど前、清水寺を開いたお坊さんによって創建されました。眼の病気にご利益があるといわれています。 柳谷観音を一躍有名にしたのは6年前に始まった「花手水(はなちょうず)」。四季折々の花を手水鉢に浮かべたアートで、写真映えするスポットです。 色鮮やかな花手水を前に、百瀬さんは「今後も自分が感じたことをありのままに伝え、長岡京や西山の自然に触れてもらうきっかけになれば」と言います。いくつになっても新しいことに挑戦しつづける百瀬さんから、私も勇気をもらいました。

執筆者 大森華子(リポーター)
2023年03月20日 (月)

【京のええとこ】京都市 右京区 京北 北山杉のアイデア製品

2023年3月10日(金)放送※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信) 放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください! 今回は、京都市右京区京北地区にある「道の駅 ウッディー京北」を訪ねました。 京北地区は、面積の9割以上を森林が占めていて、その中心部に道の駅があります。 建物の柱や、はりも全て京北産の木材。中央に飾られているのは、樹齢600年の杉の木です。 副駅長の一瀬明子(いちせ・あきこ)さんによると、置いてある製品のうち90%は京北産。この道の駅にしかないものもあります。 それが、地域ではお正月に食べられるという納豆餅。塩と砂糖で味付けした納豆をお餅で包んだものです。京北は納豆発祥の地といわれていて、昔から親しまれています。ほのかな甘さが納豆の塩味と、いいあんばいで、とてもおいしかったです。 また、福井から京都へ鯖(さば)を運ぶ、「西の鯖街道」でもあったことから、施設のレストランでは「鯖そば」を提供。鯖を一度焼いて、さらに煮つけるという手の込んだ一品です。 そして道の駅に置かれる製品のうち3割を占めるのが、地元で育った木を加工した工芸品です。京北は、高級な木材として知られる北山杉の産地。地元の木工作家や工房が、木の特徴を生かした様々な製品を作っています。 ヒノキのかんなくずを再利用した芳香剤など、木の“香り”を楽しめるものもありました。副駅長の一瀬さんは、京北が木の産地だということを道の駅でもどんどん紹介していきたいと話していました。 北山杉の良さを広めようと取り組んでいる、林業を営む仲畑裕志(なかはた・ひろし)さんを訪ねました。仲畑さんは、木を育て、販売する仕事を行っています。 一目見ただけで分かる、木の肌の美しさ。これは、京都特有のものだといいます。このように木の皮を剥いで磨いた“磨き丸太”や、突然変異で木の表面に凹凸がついた“絞り丸太”などが特産品です。床の間の柱として人気のある木材ですが、近年は日本建築が少なくなり、需要が減っています。 そこで仲畑さんは、京北の木を少しでも身近に感じてもらおうと、木工品作りにも乗り出しました。 絞り丸太の美しさをそのままデザインにした木製のハンドバッグや、細い丸太の一部分だけを削り持ちやすくした、肩たたき棒など。木の特性を生かして様々な製品を生み出しています。 木を削った際に出るかんなくずも、捨てることはありません。手間をかけて袋詰めすれば、本来は捨てられるはずのものが立派な製品になります。 仲畑さんは「これまでボツになった製品もたくさんあるが、新しいものはないか、もっと時代に合うものはないかという、アイデアを生み出す努力を毎日惜しまずにやっていきたい」と話していました。

執筆者 平田惟(リポーター)
2023年03月10日 (金)

【京のええとこ】北野天満宮界わい 受験生を応援する町

2023年3月3日(金)放送※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信) 放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください! 受験シーズンまっただ中!今回は北野天満宮界わいを訪ねました。 まずは北野天満宮に参拝。学問の神様・菅原道真公を御祭神としておまつりする、学業成就祈願の聖地です。 ちょうど梅が見頃を迎えていました。境内には道真公ゆかりの梅が、50種類、1,500本も咲き誇り、満開の梅を見ようと、多くの人が訪れていました。 北野天満宮では、受験生の合格を祈願し、毎年授与されているものがあります。それが〝思いのまま〟と呼ばれる梅の枝。境内の梅からせんていされた小枝は一輪ざしにすると花が咲くことから、縁起物として多くの受験生が求めます。  権禰宜(ごんねぎ)の堀川さんは「“思いのまま”のようにパッと花開くように、受験生の皆さんにも頑張って頂きたい」と話されていました。 次に訪れたのは、北野天満宮から徒歩5分の場所にある北野商店街。全長500メートルほどの通りに、およそ70店舗が立ち並びます。  歩いていると「北野商店街は受験生を応援しています」というポスターを見つけました。 青果店の店主・菅さんに聞くと、「北野商店街で昨年から始まった企画で、学生の受験だけでなく、司法試験、運転免許、ありとあらゆる試験を応援する取り組みをしている」と教えてくれました。 各店舗で工夫を凝らしたオリジナルの応援商品やサービスを作っているそうで、菅さんの青果店では、五角形に並べたみかんとカイロをセットにして販売。五角と合格のゴロ合わせです。 受験生応援企画の発起人、商店街理事長の桂浩一さんを訪ねました。桂さんは30年近くこの町で美容室を営み、昨年から理事長をつとめています。企画を始めた理由は「北野商店街の活気を取り戻したい」と思ったからとのこと。平成元年には130あったお店が、今はおよそ70に。「せっかく近くに北野天満宮があるので、合格祈願に関連したことを始めて盛り返したい」と話してくれました。 そんな桂さんのお店では、受験にすべらないという思いを込めて、髪が滑りにくいヘアゴムを販売しています。「髪」と「神」をかけ、料金も350(見事)円とダジャレ満載です。 企画に参加しているお店を案内してもらいました。向かったのはオープンして15年になる自転車店です。応援商品はタイヤがとても太い自転車。雨の日、雪の日でも滑らず、思った道に突き進む特別な1台です。 このタイヤは店主の片桐さんがフィンランド旅行に行った際に、現地でレンタルした自転車に付いていたもの。雪山を走ってもすべらなかったそうで、片桐さんの実体験が今回の受験生応援企画のヒントになりました。受験校の下見や受験の際に乗って行ってほしいとレンタルを始めた片桐さん。「滑らない自転車に乗って試験会場に行ってもらえたら、合格間違いなし」と力強く話してくれました。 他にも明治37年創業の鶏肉専門店では、もも肉とむね肉、合わせて1キロの盛り合わせを2割引で販売。 受験生にお腹いっぱい食べてスタミナをつけてほしいと、店主の伊藤さんが考えました。 北野商店街のキャッチフレーズは〝北野にきたの〟桂さんは、「北野に来たの!合格しました!というご報告をお待ちしています。」と優しい表情で話してくれました。 「少しでも受験生を元気づけたい」そんな人の温かさに触れた今回の旅。受験生ではない私もパワーをもらえました。

執筆者 大森華子(リポーター)
2023年03月03日 (金)

【京のええとこ】城陽市 伝統のてん茶づくり

2023年2月28日(火)放送※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信) 放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください! 今回訪ねたのは城陽市。 市内を流れる木津川沿いで、抹茶の原料“てん茶”の栽培が盛んに行われています。 土手を歩いていると茶畑を見つけました。木津川沿いには茶畑が20キロにわたり続いています。 茶畑で作業する人に出会いました。てん茶農家の5代目 古川與志次さんと息子の真章さんです。 行っていたのは茶畑にシートを張る作業。渋みの少ないまろやかな口当たりのてん茶を作るには日光が大敵。日に当たると渋みが出てしまうので、日光を93パーセント以上遮らないといけないそうです。 もう1つ極上のてん茶作りに欠かせないものがあります。それが“こも”と呼ばれる粗く編んだむしろ。古川さんの畑では、特に質の高いてん茶を作るのに使っています。 水分を吸ったり吐いたりしてくれるこもは、茶園の温度を一定に保ちます。そのため、芽が柔らかいまま収穫でき、うまみをたっぷり蓄えたてん茶ができるんです。 こもを使ってお茶を育てているのは古川さんのお宅、ただ一軒。真章さんはその伝統を受け継いでいきたいと考えています。 こも作りの様子を見せてもらいました。古川さんの奥様・正子さんはこの時期、こも作りで大忙しです。 丸一日かけて編めるのはわずか2枚。1月から2月末の間に130枚のこもを編まなければなりません。 私、リポーター平田もお手伝い。力加減が難しく、正子さんのように手際よく編むことができませんでした。 奈良県からお嫁にきて初めてこもを見たという正子さん。見よう見まねで編み方を身につけたそうです。 そんなこも編みの技を受け継ごうとしている人がいます。真章さんの妻、直美さんです。いまは遥真さん(8)、夏月ちゃん(2)、結陽ちゃん(0)の3人の男の子を育てています。 家族のお茶に対する愛情を知り、自分もこも編みを受け継いでいきたいと話していました。 こもを使うからこそ生み出せるおいしいお茶を、いつまでも作り続けて欲しいと感じました。

執筆者 平田惟(リポーター)
2023年02月28日 (火)

【京のええとこ】南丹市園部町天引 山里を元気にする 手作り市

2023年2月17日(金)放送※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信) 放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください! 今回は南丹市園部町の天引(あまびき)という地区を訪ねました。 まず訪ねたところは、1000体のお地蔵さんを安置した地蔵堂。江戸時代中期、九州から来たお坊さんが家に泊まり込んで彫っていったと伝わっています。 天引地区では過疎が進み、人口は一番多い時から3分の1にまで減ってしまいました。 地域ににぎわいを取り戻そうと7年前にはじまったのが、手作りの特産品を販売する「むくむく市」です。毎月、第2、第4の日曜日に開催されています。 6軒の屋台が並ぶむくむく市。その中に、ユニークな経歴の「たこ焼き屋さん」があります。本業は着物屋さんの奥村信二さん。子どもの頃、お祭りで食べた「たこ焼きの味」が忘れられなくて、着物屋のかたわら月2回、ふるさと天引に帰って、たこ焼きを焼いています。 同級生ばかりで店を出している人たちもいます。こちらのグループは月に2回、ふるさと天引に集まり、手作りパンとコーヒーを販売しています。 むくむく市は、お年寄りたちの元気につながっています。奥村栄(さかえ)さんは、御年94歳。今も、野菜を作ってむくむく市に出荷しています。「市を見たら、もうちょっと良いのを作らないと、と思たりしてな」と意欲満々です。 むくむく市の名物が、地元の主婦グループが作るピザ。なばな、さつまいも、れんこん、黒豆など、天引の野菜がいっぱい。清水郁代さんは「地域の野菜をいっぱい食べてほしい」と話します。 天引のまとめ役として、10年前から活性化に取組んできた原田久さんは、「むくむく市が始まったことで、村が元気になった」と言います。原田さんは、楽しく、みんながホッとできる「むくむく市」を続けていきたいと考えています。

執筆者 大森華子(リポーター)
2023年02月17日 (金)

【京のええとこ】舞鶴市 日本海 冬の新名物!

2023年2月10日(金)放送※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信) 放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください! 今回は、舞鶴市にある「道の駅 舞鶴港とれとれセンター」を訪ねました。 道の駅には海鮮市場が併設され、舞鶴や丹後地方の土産物、そして舞鶴港にあがる海の幸がそろっています。購入したものは、お店で調理してもらって、その場で食べることもでき、家族連れなど多くのお客さんが楽しんでいました。 理事長の藤元達雄さんに、旬の食材についてお聞きました。冬の舞鶴といえばカニが有名ですが、いま、おすすめの魚があるそうです。 15年ほど前から京都で多く水揚げされるようになった、「サワラ」です。平成の初め頃は100トンほどだった水揚げ高が、令和3年には16倍になっています。脂の乗る冬の時期が旬で、「京鰆(きょうさわら)」と名前を付けて、ブランド化に力を入れています。 サバ科の魚で、足が早く、西京漬けなどにされることが多いですが、舞鶴では新鮮なものが並びます。おすすめは刺身。さらに、皮付きのままバーナーであぶるのもおすすめだといいます。刺身は、口に入れたとたん脂がとろけて、甘みをしっかりと感じられます。また、あぶりはさらに甘みが増し、ひと味違った味わいでした。 そのサワラがあがる漁港が、道の駅から車で5分ほどの場所にあるということで訪ねました。 京都の港で水揚げされた魚のうち、およそ8割が集められ、セリにかけられる、舞鶴地方卸売市場です。 いま注目されるサワラは、漁師や市場の方たちが一丸となって、品質を上げるために取り組んでいます。 まずは、網からあげてすぐ、船の上でいけ締めに。その鮮度を保つため、保冷が効きやすい専用輸送箱で市場まで運びます。さらに、サワラにどれだけ脂が乗っているかを測定します。脂質含有量10%以上のものに「特選京鰆(とくせん きょうさわら)」と名付けて出荷します。 丁寧に扱われる京鰆は、全国から注目を集めています。関東に出荷されることも多く、高級旅館や料亭から引き合いがあるそうです。 京都府漁業協同組合の中西利一さんは、「ブランド名やいけ締めを示すタグなどを付けることによって、全国に広まっていっていると思う。冬というとカニやブリというイメージがあるが、サワラもそれに続いて発信できたら」と話していました。

執筆者 平田惟(リポーター)
2023年02月10日 (金)

【京のええとこ】京都市上京区 西陣は家紋の宝庫

2023年2月3日(金)放送※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信) 放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください! 今回訪ねたのは、京都市上京区。 西陣と呼ばれる地域です。 ええとこを探して歩いていると、熱心に写真を撮っている方に出会いました。 この地域で生まれ育ち、およそ20年前から家紋を研究している森本勇矢さん。瓦屋さんにディスプレイされた、さまざまな家紋が入った瓦を取材されていました。 日本独自の文化、家紋。代表的なものを教えてもらいました。 豊臣秀吉が使っていた桐紋や、昔の釘抜きの道具を表した釘抜紋など、家紋にはさまざまな意味が込められています。 もっと深く、家紋について知るため、森本さんのご自宅に伺いました。 森本さんの仕事は着物の染色補正。染色の工程でできた汚れやシミ、変色を修復する仕事です。 森本さんは着物にあしらわれる家紋を見るうちに、その種類やデザインのとりこに。 歴史や意味なども調べるようになり、HPなどで発信し、いまでは家紋の専門書を執筆しています。 家のシンボルマークである家紋。一般庶民まで家紋を持っている文化は日本だけとのことです。 家紋の始まりは平安時代。宮中に出入りする牛車が誰のものかを識別するためのしるしとして始まりました。 その後、戦国時代には、敵味方を区別するために、武将が家紋をつけるようになります。 さらに江戸時代には、家紋が庶民にまで広がります。こちらは紋帖。いわば、家紋のカタログです。 江戸時代の紋帖も持っている森本さん。家紋は、およそ5万種類あると教えてくれました。 私(大森)も、森本さんに実家の家紋を見てもらいました。 実家の家紋はとても珍しいもので、陰と陽をあらわし、陰陽道に関係する家紋とのことでした。 森本さんいわく、先祖が、方角や星の動きから物事を占う仕事をしていた可能性があると、興奮しながら話してくれました。 家紋に対して、京都の町の人々の思いが強く込められている場所があるということで伺いました。 森本さんが案内してくれたのは、1321年に創建された、日蓮宗の大本山妙顕寺。 本堂に向かうと、天井一面にたくさんの家紋がデザインされた、大迫力の天井画がありました。 大本堂を修復した際に、寄進した人々の家紋が奉納されているそうです。 森本さんは、「ここに来たら、家紋を通じて自分の家に向き合える。そして自分の先祖の思いにも触れることができる。それも家紋のひとつの魅力」と熱く話してくれました。 歴史や先祖の思いまで見えてくる、家紋の魅力に気づいた旅でした。

執筆者 大森華子(リポーター)
2023年02月03日 (金)