2022年10月31日(金)放送※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信)
放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください!
今回訪ねたのは南丹市美山町鶴ヶ岡地区。
15年に1度、大きな祭り「棚野の千両祭」が開かれます。本来、2020年に開催予定でしたが、新型コロナウィルスの影響で中止に。平田リポーターが祭りの伝統を受け継ごうとする人たちと出会いました。
「棚野の千両祭」が開かれる神社を訪ねました。地区の氏神、諏訪神社です。
15年に1度、10月に行われる大きな祭りが「棚野の千両祭」です。5つの集落がそれぞれ伝統芸を奉納する祭りで、多額の費用をかけることから「千両祭」と呼ぶようになったそうです。
神社には祭りに欠かせないものがあります。毎年、秋になると新調するしめ縄です。境内のあちこちに真新しいしめ縄が張られていました。
しめ縄作りをしている人たちを訪ねました。鶴ケ岡しめ縄グループのみなさん。25人がしめ縄作りの技を受け継いでいます。
かつて、この辺りの農家はわら細工を冬場の仕事にしていました。そのため、しめ縄作りもお手の物です。
しめ縄作りの名人、岡本勝さん。御年94歳です。しめ縄はその年収穫した新しいわらで作るのがきまり。秋の収穫を感謝して神様にお供えするものだそうです。
最近、岡本さんにとってうれしいことがありました。小林正之さんら若手15人がグループに加わったのです。「自分たちがしっかり受け継いでいく」という小林さんの言葉に、岡本さんも「安心して引退できる」と話していました。
ことしは、さらにうれしいできごとがありました。小林さんに長男、大悟ちゃんが生まれたんです。しめ縄作りの伝統がさらに次の世代へ受け継がれて欲しいと感じました。
祭りには欠かせない伝統の味があります。生まれも育ちも鶴ヶ岡の下田満代さんです。
下田さんが作っているのが「ねずし」。さばを使ったなれずしの一種で、たるの中で寝かせて発酵させることから「ねずし」と呼ばれています。鶴ヶ岡では300年前から食べられているそうです。
味は酸味が強く、普通のさばずしよりもさっぱりと食べられます。家ごとに味が違うので、祭りの時に持ち寄って食べ比べをするのが楽しみだそうです。
夕暮れ時、廃校になった小学校から祭り囃子が聞こえてきました。
集まっていたのは祭りに参加する集落の1つ豊郷(とよさと)のみなさんです。祭は中止になりましたが、奉納芸を後世に伝えようと練習をしていました。
豊郷に代々受け継がれている芸は“ふり踊り”。太鼓と歌に合わせ、子供たちがかわいく踊るのが特徴です。
15年に一度なので、どの人も記憶があいまい。扇子の裏には歌詞カードが貼り付けられていました。
みんなから頼りにされているのが長老の木村光一さん。小学3年生の孫、美晴さんに踊りの振り付けを指導していました。
次に祭りが行われるのは2035年の予定。山里に伝わる祭りが末永く受け継がれて欲しい、そう感じた旅でした。