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【京のええとこ】京丹波町 〇〇に没頭する夫婦を訪ねて
京のええとこ連れてって
石井美江(キャスター)
2022年11月18日 (金)
2022年11月18日(金)放送
※京いちにちの見逃し配信はこちらから(放送後1週間配信)
放送の内容をテキストで紹介しています。お出かけの参考にぜひご覧ください!
山あいの集落を散策していると、「アリヤー アリ」というかけ声が聞こえてきました。
声のするほうにはすてきな装束を着て、日本古来のスポーツ「蹴まり」に興じるふたり。
池田さん夫妻は愛好家の中では名人として知られています。
夫の遊達さんは蹴まり歴47年!もともと大工をしていましたが、リタイアしてからは蹴まり一筋です。
妻の蒼圭さんとともに蹴まりの練習や普及活動に力を入れています。
地面に落とさずにどれだけつなげるか、その回数を追い求める蹴まり。
貴族や武士だけでなく庶民にも親しまれたスポーツだといいます。
まりをよく見てみると、ひょうたんのような形をしていることに気づきました。
2枚の円形の鹿革を腰皮と呼ばれる堅い帯状の皮でくくってできているため、まん丸にはなりません。
蹴ったときに軌道が安定しないからこその面白みがあると池田さんは楽しそうに語ってくれました。
実は池田さん、多くの人に蹴まりに親しんでもらいたいと、自宅内に蹴まりのアトリエを設けています。
鳥獣戯画を模して、カエルと猿が蹴まりを楽しむ絵など。
すべて妻の蒼圭さんが描きました。
そんな、蹴まり愛にあふれた池田さん夫妻は5年前に京都市から京丹波町に移住してきました。
実は、まりを自分で作っている池田さん。京丹波のジビエの加工会社から、まりの材料となる新鮮な鹿の革を分けてもらうため、移住を決意しました。
池田さんに鹿革を提供している垣内さんは、廃棄してしまう鹿革がまりづくりの役に立ってうれしいと語っていました。
池田さんのまり工房にも案内してもらいました。
1年間乾燥させた鹿革や自作した工具がたくさんあり、雰囲気がありました。
見せてもらったのは、乾燥させた鹿革を糠と塩でもんで柔らかくする「半なめし」という工程。
手作業で行うことで蹴りやすい弾力が生まれるといいます。
池田さんの手にはまめができていて、職人の手をしていました。
こちらが第一号の失敗作。
実は、まりの製法は、職人が途絶えてしまったことでその詳細は残っていません。
まりづくりは試行錯誤の連続だったといいます。
まりを作り始めて5年。徐々に手応えを感じられるようになりました。
それでもまだまだ完成ではないという池田さん。
蹴まりの伝統を守り、伝えようとする2人の情熱はとどまるところを知りません。