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答申第43号

平成18年6月8日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第50号に対する意見

1. 再検討の求めに至る経緯
    視聴者から、「経理局中央審査センターで作成された運用評価プラン、対象は受信料収納、イベントに関するもの」という開示の求めがあった。
 この求めに対してNHKは、「NHK情報公開規程第8条第1項第1号と同項第6号に該当するため、開示することができない」として不開示とした。
  これに対して視聴者から、「不祥事の後始末の一環であり、これからの方向性を示す資料であるので、開示されたい」として再検討の求めがあった。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
    NHKでは一連の不祥事を受けて、NHKの業務の流れや管理体制の中のどこにリスク(不正が起こる可能性)があるかを洗い出し、その改善を図ることによって内部統制機能を確立するシステムの構築に取り組んでいる。
 そのシステム構築のためには、まず個々の業務の流れと、そこに内在するリスクを図式化した「フローチャート」を作成し、それらのリスクに対する改善案などを一覧化した「リスクコントロールマトリックス」を作成することが必要である。「運用評価プラン」とは、この「リスクコントロールマトリックス」の中の一つの項目であり、それぞれの業務の改善案が実際に機能するかを検証・確認する方法を記載したものである。
 今回開示が求められているのは「運用評価プラン」であるが、「運用評価プラン」を含む「リスクコントロールマトリックス」と「フローチャート」は、全体として一体のものであり、これが求めに該当する文書であると判断される。
 これらの「フローチャート」と「リスクコントロールマトリックス」には、NHKの個々の業務の流れやチェック体制、リスクの所在、改善策やその評価方法などが詳細に記載されており、これらが明らかになると、チェック体制の盲点を突くなど、新たな不正が発生する危険性が増大し、本来の目的である内部統制機能の確立に支障を来たすおそれがある。したがってNHK情報公開規程第8条第1項第1号の「開示することにより、NHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの」に該当する。
 また、これらの「フローチャート」と「リスクコントロールマトリックス」は、外部監査法人の業務支援を受け、そのノウハウに基づいて作成されたものであり、NHKと外部監査法人が結んだ契約書には、守秘義務条項が盛り込まれている。したがって、NHK情報公開規程第8条第1項第6号の「契約によりNHKが守秘義務を課せられているもの」に該当する。

3. 審議委員会の判断
    今回開示が求められている受信料収納とイベントに関する「運用評価プラン」は、内部統制機能を確立するためのシステムの一環として作成された文書の一部であり、これらの文書が開示されると、本来の目的の内部統制機能の確立が妨げられることになり、NHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがある。
 また、これらの文書の作成にあたって外部監査法人と締結した契約書には、NHKの守秘義務が定められている。
 したがって、本件再検討の求めの対象文書は、NHK情報公開規程第8条第1項第1号および同項第6号に該当し、不開示としたNHKの判断は妥当である。

4. 審議の経過
 
平成18年
 5月11日
 (第63回審議委員会)  第50号諮問、審議
 
 3月23日
 (第64回審議委員会)  審議
 
 6月 8日
 (第65回審議委員会)  審議、答申

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