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答申第33号 平成18年2月10日

NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第39号に対する意見


1. 再検討の求めに至る経緯
    視聴者から、「NHKを退職して関連会社に雇用(あるいはその逆)されたものの雇用履歴一覧(過去10年分)及びその者達に支払った退職金」という開示の求めがあった。これに対してNHKは、「『NHKを退職して関連会社に雇用(あるいはその逆)されたものの雇用履歴一覧(過去10年分)』は該当する文書が存在しない。また『その者達に支払った退職金』については、個人情報に該当し、開示できない。」とした。これに対してこの視聴者は、「海老沢元会長のように履歴のはっきりしているものも存在しており、それらを調査の上、開示すべき。また、子会社とNHK本体で受ける退職金は、すべて受信料から捻出されているので説明責任がある」として再検討の求めがあった。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
    NHKは、退職後、関連団体に再雇用された者の雇用履歴一覧を作成しておらず、文書は存在しない。
 NHKは、労働基準法第107条で義務付けられている労働者名簿、すなわち職員個々の履歴を人事発令ごとに記載したデータベースを作成しており、退職者についても、退職後10年間、保存・管理している。このうち、退職後、関連団体に再雇用された者については、概ね雇用先を付加情報として追記している。しかし、退職後、関連団体に雇用された者の履歴を一覧として記載した文書は作成しておらず、存在しない。その逆に、関連団体を退職し、NHKに雇用された者の履歴を一覧として記載した文書も作成しておらず、存在しない。
 そもそも、職員個々の履歴を記載した労働者名簿には、氏名や生年月日のほか、異動や昇進などすべての人事発令記録が記載されており、個人情報であり、不開示情報に該当する。
  なお、再検討の求めの理由の中に海老沢前会長の例が挙げられているが、前会長はNHK職員を退職後、NHKおよび関連団体の役員を歴任しているが、職員もしくは社員として関連団体に雇用された経歴はなく、開示の求めに該当する例ではない。NHKおよび関連団体の役員については、平成14年度以降、略歴を記載した一覧をホームページで公開している。
  関連団体に再雇用された個々の職員にNHKが支払った退職金については、個人情報であり、不開示情報に該当する。
  なお、再検討の求めの理由の中に「子会社の退職金は、すべて受信料から捻出されている」との記述があるが、子会社といえども個々に独立した事業を営む企業であり、退職金をはじめとする経費は、それらの事業によって賄われている。したがって、子会社の退職金は、すべて受信料から捻出されているものではない。また、NHKは子会社の個々の職員もしくは社員の退職金を記した文書を保有していない。

3. 審議委員会の判断
   NHKの職員および退職者の労働者名簿は、氏名、生年月日をはじめ、NHKに雇用されている期間のすべての人事発令事項が記載された文書であり、NHK情報公開規程第8条第1項第3項の個人情報に該当する。したがって、NHKが不開示とした判断は妥当である。
  関連会社に再雇用された個々の職員の退職金については、個人情報に該当し、不開示としたNHKの判断は妥当である。

4. 審議の経過
 
平成17年
12月22日
 (第54回審議委員会)  第39号諮問
平成18年

 1月12日

 (第55回審議委員会)  審議
 
 1月26日
 (第56回審議委員会)  審議
 
 2月10日
 (第57回審議委員会)  審議・答申


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