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答申第28号 平成17年10月13日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第29・30号に対する意見

1. 審議委員会の結論
   NHKの関連団体の個々の常勤役員の報酬および退職金は、NHK情報公開規程第8条第1項第3号の個人情報に該当し、不開示としたNHKの判断は妥当である。

2. 再検討の求めに至る経緯
   1997年1月1日から2005年1月27日までの間に、NHKの子会社23社と関連会社4社、福利厚生団体を除く関連公益法人7法人に在籍した全常勤役員について、「その氏名と、この間に得た一切の報酬」(諮問第29号)および「そのうち、この間に退職した人の氏名と、その際に支払われた退職金」(諮問第30号)の「金額およびその明細を記した文書、図画、電磁的記録。」という開示の求めがあった。
 この求めに対してNHKは、報酬金額と退職金額およびそれぞれの明細を記した文書は、NHK情報公開規程第8条第1項第3号の個人情報に該当するため、いずれも開示できないとした。
 これに対して、求めを行った視聴者から、2003年9月9日付の総務大臣通知、『独立行政法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準の発表方法等について(ガイドライン)』や、2003年12月19日に閣議決定された『独立行政法人、特殊法人および認可法人の役員の退職金について』において、独立行政法人等の役員の報酬や退職金の支給額の公表が求められており、「公共性のきわめて高いNHKが高度の職責を有する役員の報酬、退職金を『個人識別情報』との理由をもって不開示としたのは、きわめて正当性を欠くことは明らかだ。」として再検討を求めた。

3. 不開示としたNHKの見解の要旨
   まず、再検討の求めを行った視聴者が、開示を求める根拠として援用している総務大臣通知や閣議決定は、独立行政法人等の、いわゆる「本体」を対象とするものであって、その子会社、関連会社、関連公益法人を対象とするものではないと考える。
 関連団体の個々の常勤役員の報酬や退職金は、役職の重要性や業績の達成度合いなどを踏まえて、それぞれの関連団体のルールに則って定めているものであるが、NHKでは、関連団体の役員の報酬や退職金が世間の相場に比べて適切な水準の範囲内にとどまるよう、様々な形で関連団体に対する指導・監督を行っている。
 NHKとしても、関連団体の常勤役員の報酬や退職金について、関連団体において、どのように情報公開を進めていくべきか、検討を進めていく必要があると考えているが、常勤役員の報酬や退職金を特定個人の名前とセットにして公開することはNHK情報公開規程第8条第1項第3号の個人情報に当たり、明らかにその者のプライバシーを侵害する結果となるので、不開示とした。

4. 審議委員会の判断
   NHKは平成14年(2002年)7月1日に定めた「関連団体運営基準」により、関連団体の役員等の報酬や退職金については、NHKとの事前協議(社長および理事長)またはNHKに対する報告(その他の役員等)を行うことと定めており、関連団体からこれらの文書の提出を受けている。「関連団体運営基準」が制定される以前についても、これらについての文書の提出を受けており、開示が求められている1997年以降の文書を保有している。
 開示の求めは、1997年1月1日から2005年1月27日までの間の関連団体の全常勤役員について、その氏名と報酬(諮問第29号)およびこの間に退職した人の氏名と退職金(諮問第30号)であるが、NHKの関連団体といえども、それぞれ独立した企業、法人であり、個々の役員の報酬や退職金については、不開示情報を定めたNHK情報公開規程第8条第1項第3号の個人情報に該当し、不開示としたNHKの判断は妥当である。  NHKの関連団体は、「受信料で成り立つ公共放送NHKの使命達成に協力することを基本として、視聴者・国民の期待と信頼にこたえる事業活動を行うことが求められて」(「関連団体運営基準」前文)おり、高い公共性と事業運営の透明性を確保する必要がある。したがって、NHKは、関連団体の経営情報については、これまで以上の情報公開に努めるべきであり、特に役員等の報酬と退職金の水準等についての情報公開を検討すべきである。

5. 審議の経過
 
平成17年
7月14日
 (第46回審議委員会)  第29、30号諮問
 
7月28日
 (第47回審議委員会)  審議
 
9月 8日
 (第48回審議委員会)  審議
 
9月22日
 (第49回審議委員会)  審議
   10月13日  (第50回審議委員会)  審議・答申


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