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答申第15号 平成17年2月24日
NHK情報公開審議委員会の諮問第17号に対する意見

1. 審議委員会の結論
   平成14年4月から平成16年8月までの会長公用車の「運転日報」を、車輌番号欄、乗務員氏名欄、出庫時間欄、先着時間欄、降車時間欄、帰庫時間欄の各記載を除き、開示すべきである。なお、平成14年3月以前の運転日報は、既に廃棄されて存在しないので、開示の対象にならない

2. 再検討の求めに至る経緯
   97年度以降の会長公用車の運転記録についての開示の求めに対し、会長公用車の運転記録に当たる運転日報を不開示とした。
これに対し、開示の求めを行った視聴者から、NHKの会長は公人であり、その行動はできる限り明らかにされるべきであるとして再検討の求めが出された。

3.

不開示としたNHKの見解の要旨

   運転日報には、乗車経路や乗降時刻、打合せ場所、帰宅時刻等の情報が記載されており、これらを開示すると、対外折衝の具体的な内容や相手方が類推され、会長の円滑な業務遂行に支障を生ずるおそれがあるとともに、具体的な走行ルートや目的地から会長の行動が予測され、保安上の支障が生ずることも想定される。このため、NHK情報公開規程第8条第1項第1号に規定する「開示することによりNHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの」および同第5号に規定する「開示することによりNHKの保安に支障を及ぼすおそれがあるもの」に該当する。

4. 審議委員会の判断
 
(1) 開示を求められた「会長公用車の運転記録」に当たる文書は、会長公用車の運転日報である。会長公用車の運転日報には、会長の乗車経路や地名等の記載があるが、これらには会長の対外折衝の具体的な内容や相手方の氏名が類推できるような記載は含まれていないので、会長公用車の運転日報は、NHK情報公開規程第8条第1項第1号(開示することによりNHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの)に該当しないと判断する。
(2) 運転日報のうち車輌番号欄の記載は、会長公用車を特定していて、会長が乗車中であることが明らかになるため、会長の保安に支障を及ぼすおそれがあり、NHK情報公開規程第8条第1項第5号(開示することによりNHKの保安に支障を及ぼすおそれがあるもの)に該当する。また会長公用車の車輌番号は、会長個人を識別することができる情報でもあるから、NHK情報公開規程第8条第1項第3号に規定する個人情報にも該当する。しかし、平成14年4月から平成16年8月までの運転日報の車輌番号欄を除く部分は、その記載から会長の今後の具体的な行動が予測されることによって保安に支障を及ぼすおそれがあるものとは認められないので、NHK情報公開規程第8条第1項第5号に規定する不開示情報に該当しないと判断する。そこで、運転日報のうち車輌番号欄の記載は、不開示とすべきである。
(3) 運転日報の乗務員氏名欄の記載は、乗務員の氏名等が記載されているので、当該乗務員に係る個人情報であり、NHK情報公開規程第8条第1項第3号に規定する個人情報に該当する。そこで、運転日報のうち乗務員欄の記載は、不開示とすべきである。
(4) 運転日報の出庫時間欄、先着時間欄、降車時間欄、帰庫時間欄(以下「時間欄」と総称する)、経路欄に会長のプライバシーに属する情報が記載されている可能性があり、会長のプライバシーに属する情報が記載されている部分は、NHK情報公開規程第8条第1項第3号に規定する個人情報に該当する。ところが、平成14年4月から平成16年8月までの運転日報について会長のプライバシーに属する情報が記載されている部分を調査しようとしても、その調査は非常に困難なものになるといわざるを得ない。従って、会長のプライバシーを侵害することを避けるためには、前記期間の運転日報の時間欄、経路欄の各記載をすべて不開示とすることになる。しかし、NHKの情報公開の趣旨から、不開示とする部分は極力少なくするべきであり、このことに配慮して不開示部分を定めることが肝要である。平成14年4月から平成16年8月までの会長公用車の運転日報について、時間欄の記載を不開示とした場合、経路欄の記載から会長のプライバシーが侵害される程度は軽微であると思われる。そこで、運転日報のうち時間欄の記載は、不開示情報に該当すると判断し、不開示とすべきである。
(5) 開示の求めは、97年度(平成9年度)以降の運転日報を対象としているが、平成13年度以前の運転日報は、既に廃棄されて存在しない。NHKは、不開示を決定した際には、平成15年度以降の運転日報を確認したのみで、平成9年度以降の運転日報が全て存在していると思っていたが、その後に調査したところ、平成13年度以前の運転日報を平成15年4〜5月頃に廃棄したことが判明したと説明している。この説明には、特に不合理な点は認められないものの、開示の求めがされた文書の存否は、最初に確認して、開示の求めをした視聴者に明らかにすべきことであるから、運転日報の存否の確認が遅れたことは、まことに遺憾である。

5. 審議の経過
 
平成16年 10月14日  (第28回審議委員会)  第17号諮問
  11月11日   (第30回審議委員会)  審議
  11月22日   (第31回審議委員会)  審議
  12月 9日   (第32回審議委員会)   審議
  12月22日   (第33回審議委員会)  審議
平成17年  1月13日  (第34回審議委員会)  審議
   1月28日  (第35回審議委員会)  審議
   2月10日  (第36回審議委員会)  審議
   2月24日  (第37回審議委員会)  審議・答申


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