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答申第1号 平成13年10月12日
NHK情報公開審議委員会の諮問第1号・第2号に対する意見

1. 審議委員会の結論
  (1) 起訴猶予以上の処分となった刑事事件(以下「刑事事件」という。)に係る懲戒処分・訓告の責任審査一覧のうち、処分発令日、氏名、所属・職位を不開示としたことは妥当である。
  (2) 刑事事件に係る懲戒処分・訓告の処分理由については、個人情報・プライバシーの保護に留意した上で、事実概要を開示すべきである。
  (3) 刑事事件以外の懲戒処分・訓告については、次のとおり開示すべきである。
懲戒免職処分は、刑事事件に係る懲戒処分・訓告と同様に責任審査一覧を開示する。ただし、プライバシーの法的保護が特に求められる場合は、可能な範囲で開示する。
懲戒免職処分以外は、処分理由の類型別に件数を開示する。

2. 再検討の求めに係る経緯
   1996年度から2000年度までの職員の懲戒処分・内部処分への開示の求めに対し、NHKは、刑事事件に係る懲戒処分・訓告については、責任審査一覧のうち、処分発令年月、処分内容、処分理由を開示するとともに、それ以外の処分については、年度別の処分件数を開示した。(責任審査一覧のうち、処分発令日、氏名、所属・職位は不開示。処分理由の事実概要も開示せず。)
 これに対し、開示の求めを行った視聴者から、刑事事件以外の処分も含めて、責任審査一覧(処分発令日、氏名、所属・職位の開示を含む)及び処分理由の事実概要を開示するよう、再検討の求めが出された。

3. 部分的に不開示としたNHKの見解の要旨
   職員の懲戒処分・内部処分についての情報は、基本的に個人に関する情報であること、また、そのような情報が開示された場合には、受信料収納や受信契約業務に支障を来たすおそれがあること、さらに、非公開を前提としている責任審査委員会(処分案を検討)の審議が影響を受ける事態も懸念されることから、NHK情報公開規程第8条第1項第1号、第2号、第3号に規定する不開示情報に該当する。

4. 審議委員会の判断
  (1) 規程第8条第1項第1号の該当性
 本号の解釈・運用に当たっては、NHKが自主的に新たな情報公開の仕組みをスタートさせた趣旨を踏まえ、「NHKの権利利益、地位もしくは事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの」を直ちに不開示情報とするのではなく、NHKが視聴者に対して果たすべき説明責務、NHKが持つ社会的責任等を合わせて検討すべきである。
 今回の場合、NHKが主張するような受信料収納や受信契約業務に支障を来たすおそれが全くないとは言えないが、それを理由として不開示とするほどの支障ではないと判断する。したがって、NHKが先に開示した情報に加え、冒頭の結論に述べたように、開示範囲を拡大することが妥当である。
  (2) 規程第8条第1項第2号の該当性
 処分案を検討する責任審査委員会が非公開を前提に行っている調査や審議の情報は、処分の決定に至る過程の情報であり、「NHK内の審議、検討または協議に関する情報」に含まれる。 
 しかし、今回の開示の求めに係る文書は、審議結果の文書であり、また、仮に開示範囲が拡大されても、今後における責任審査委員会の審議そのものが影響を受ける事態が懸念されるとまでは認められない。よって、本号は不開示の理由には当たらない。
  (3) 規程第8条第1項第3号の該当性
 被処分者の氏名は、基本的な個人情報であり、本号に該当する。
 また、それだけでは個人を識別できる情報とはならないが、他の情報とつなぎ合わせることで個人の識別が可能となる情報も、一体としての個人情報と解すべきである。よって、処分発令日、所属・職位も本号に該当する。
 追加して開示する情報も、個人情報・プライバシーの保護に留意して開示することが必要であり、とりわけ、男女雇用機会均等法などにより、関係者のプライバシーの法的保護が特に求められる場合は、可能な範囲での開示とすべきである。
  (4) 判断に当たっての基本的な考え方
 NHKが始めた新たな情報公開は、放送による言論と表現の自由を確保しつつ、視聴者に対する説明責務を果たすための自主的な仕組みである。公権力の行使を背景とする国や地方自治体等の情報公開とは性格を異にし、それらと同列に論ずるべきものではない。NHKは、情報公開の実施に当たり、視聴者の直接負担する受信料によって運営される公共放送であることから、視聴者本位の姿勢を深く認識し、その支持と信頼を一層得られるように努めるべきである。
 当審議委員会は、上記のような考えの下に、NHK情報公開基準・情報公開規程に則りつつ、NHK及びNHK職員に求められる高い公共性と倫理性、個人情報・プライバシーの保護、視聴者の支持と信頼の確保等を総合的に勘案し、開示範囲を決定した。特に、懲戒免職処分及び処分の事実概要も開示すべきとしたのは、公共放送としての社会的責任と、視聴者へ分かりやすく説明する観点を重視した結果である。

5. 審議の経過
 
平成13年  8月21日   第1号諮問
   9月 5日   第2号諮問
   9月13日  (第2回審議委員会) 審議
   9月28日  (第3回審議委員会) 審議
  10月12日  (第4回審議委員会) 審議・答申
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答申第2号 平成13年11月8日
NHK情報公開審議委員会の諮問第3号に対する意見

1. 審議委員会の結論
   1993年から1998年の間に盛岡放送局に在籍した記者の氏名と顔写真を不開示としたことは妥当である。

2. 再検討の求めに係る経緯
   「クローズアップ現代」で、1993年4月5日〜1998年3月末の間に放送されたとする番組「大型化する画面、小型化する部品」に関して、放送の有無と番組の概要等、及び盛岡放送局の記者が出演していたとのことから、記者の氏名・顔写真について開示の求めが出された。
 個々の放送番組に関する文書は開示の求めの対象外であるが、NHKでは情報提供に努めるため調査を行った。しかし、そのような番組を放送した事実はなく、その旨と記者の氏名・顔写真は個人情報で開示できないことを連絡した。
 これに対し、開示の求めを行った視聴者から、対象外の部分も含めて、再検討の求めが出された。NHKは、対象外の部分は審議委員会への諮問事項に含まれないことを説明の上、記者の氏名・顔写真を不開示とした点について諮問した。

3. 不開示としたNHKの見解の要旨
   職員の氏名・顔写真は基本的な個人情報であり、NHK情報公開規程第8条第1項第3号に規定する不開示情報に該当する。

4. 審議委員会の判断
   職員の氏名・顔写真は、基本的な個人情報であり、規程第8条第1項第3号に該当する。

5. 審議の経過
 
平成13年  9月28日   (第3回審議委員会)  第3号諮問
  10月12日   (第4回審議委員会)  審議
  11月 8日   (第5回審議委員会)  答申
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答申第3号 平成14年1月10日
NHK情報公開審議委員会の諮問第4号に対する意見

1. 審議委員会の結論
  (1) 懇談会の総回数、支出総額、個々の懇談についての場所、出席者、支出額のリスト
NHKでは相手方を国会議員、大臣、官僚に限定した管理は行なわれておらず、NHKが文書不存在を理由に不開示としたことは妥当である。
  (2) 個々の懇談の記録
「事務または事業に関する情報であって、開示することにより、NHKの権利利益、地位もしくは事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの」(NHK情報公開規程第8条第1項第1号)に該当するため不開示としたNHKの判断は妥当である。

2. 再検討の求めに係る経緯
   NHK役職員と国会議員、大臣、官僚との懇談に関して、懇談会の総回数、支出総額、個々の懇談についての場所、出席者、支出額のリスト、個々の懇談の記録、を開示するよう求めが出された。
 については文書が存在しないため、についてはNHK情報公開規程第8条第1項第1号に規定する不開示情報に該当するため不開示とした。これに対し、開示の求めを行った視聴者から再検討の求めが出された。

3. 不開示としたNHKの見解の要旨
   個々の懇談(打合せ)の記録が開示された場合には、相手方との信頼関係の基盤が崩れ、その結果、外部の関係者からの任意の協力が得られなくなり、独立した事業体であるNHKの事業活動に著しい支障が出る。このため、NHK情報公開規程第8条第1項第1号に規定する不開示情報に該当する。

4. 審議委員会の判断
  (1) 懇談会の総回数、支出総額、個々の懇談についての場所、出席者、支出額のリスト
NHKでは、打合せについての記録は、個別の帳票の形で各実施部局が管理しているが、打合せの相手方による管理はされていない。したがって、特定の相手方との打合せについての総回数等を記録した文書や個々の打合せについてのリストは作成されていないと認められる。
  (2) 個々の懇談の記録
 以下の理由から、規程第8条第1項第1号に該当すると判断する。
自由な競争者としての立場の確保
 放送や新聞等のマスメディアは、表現の自由を守り、報道機関として国民の知る権利に奉仕し、健全な民主主義の発達に資するよう努めなければならない。この目的を果たすため、それぞれの事業者は自由な環境の下で互いに競争し、より国民の負託に応えるよう努力している。また、情報が瞬時に地球上の隅々にまで行き渡る現在、世界中のさまざまな報道機関がそれぞれの国を越えて競い合う状況にある。わが国の放送においても、財源や組織形態を異にするNHKと民間放送が二元体制としてそれぞれの長所を発揮し、互いに切磋琢磨することにより、豊かで多様な放送サービスを提供している。
 特にNHKは、この自由競争の環境の中で独立性を保ちながら、公共放送として、豊かで良い放送を行うとともに、放送の進歩発展に大きな役割を果たしてきている。これからもNHKが視聴者の利益となるような事業活動を行っていくためには、この自由な競争者としての立場が確保されなくてはならない。
 今回開示を求められた文書は打合せについての記録であるが、NHKが円滑な事業運営のために行っている打合せの記録を開示することは、いわば事業遂行に当たっての手の内を一方的に明らかにすることであり、結果として自由な競争者としての立場が確保されず、NHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあると考えられる。
信頼関係の確保と報道機関のモラル
 NHKは、直接放送に関する業務以外にも、受信料の収納や人事・経理など放送事業体の運営に必要なさまざまな業務を行っているが、これらの業務の円滑な実施なくしては公共放送の使命を達成することはできない。NHKが業務上、外部の関係者からの情報収集や協力依頼等を目的として実施する打合せは、公にしないことを前提に相手方の任意の協力の上に成り立っている。したがって、打合せの内容を開示した場合には、相手方との信頼関係の基盤が崩れ、今後の任意の協力が得られなくなり、ひいては事業活動に著しい支障が出ると認められる。
 また、いわばNHKの全ての業務は放送の実施に収斂しているとも言えるので、取材源・情報源の秘匿を根幹とする報道機関のモラルが、公共放送としてのNHKの業務活動全般に対しても厳しく求められていることや、今日、プライバシー保護等をめぐってメディアに対する規制の議論が起きていることからも、部外関係者との打合せや交渉に関する情報の開示・不開示の判断に当たっては、相手方の信頼を損なわないよう、慎重かつ適切な対応が望まれる。
NHKの置かれた経営・事業環境
 NHKは、特殊法人ではあるが、国の出資を受けず、政府や地方自治体から独立した、言論・報道に関わる自主的・自律的な放送事業体である。行政機関とは立場が異なり、法令に基づく権限や強制力がないことから外部の協力を任意に得なくてはならない環境にある。
 またNHKは、効率的な業務運営を行い、受信料を適切に運用することが強く求められている。仮に今回の開示の求めに応えようとすると、全国の放送局等での全帳票の調査という不相当な事務作業を要する。
 今回の打合せに開する情報の開示・不開示の判断に当たっては、NHK情報公開の趣旨を踏まえつつ、NHKの置かれたこれらの経営・事業環境についても考慮する必要がある。

5. 審議の経過
 
平成13年  9月28日   第4号諮問  
  10月12日   (第4回審議委員会)  審議
  11月 8日   (第5回審議委員会)  審議
  12月 6日   (第6回審議委員会)  審議
平成14年  1月10日   (第7回審議委員会)  審議・答申
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答申第4号 平成14年4月11日
NHK情報公開審議委員会の諮問第5号に対する意見

1. 審議委員会の結論
  (1) 都道府県別(単身世帯・2人以上世帯と事業所を含む)の契約率、未契約数、契約拒否世帯数
NHKが文書不存在を理由に不開示としたことは、妥当である。
  (2) 都道府県別(単身世帯・2人以上世帯と事業所を含む)の滞納数
NHKが内訳を把握していない単身世帯・2人以上世帯の別を除き、開示すべきである。

2. 再検討の求めに係る経緯
   受信料について、都道府県別の契約率、滞納数、未契約数(全国含む)、単身世帯、2人以上世帯と事業所の契約率、滞納数、未契約数(全国)、契約拒否世帯数、を開示するよう求めが出された。
 これに対し、全国の契約率、滞納数、未契約数、契約拒否世帯数、及び単身世帯・2人以上世帯と事業所(全国)の契約率、未契約数を開示。都道府県別(単身世帯・2人以上世帯と事業所を含む)の契約率、未契約数、契約拒否世帯数は、該当する文書が存在しないため不開示とした。また、都道府県別(同上)の滞納数は、NHK情報公開規程第8条第1項第1号に該当するため不開示とした。この判断に対し、開示の求めを行った視聴者から再検討の求めが出された。

3. 不開示としたNHKの見解の要旨
  (1) 都道府県別の契約率、未契約数、契約拒否世帯数
 算出には、有料契約の対象となるテレビ所有世帯数、事業所のテレビ設置台数が必要だが、それらを推計するための都道府県別の実態調査は、経費や時間等がかかるため実施しておらず、当該データを保有していない。
  (2) 都道府県別の滞納数
 開示すると、滞納数が多い、あるいは少ないといった都道府県が明確になり、不公平感の惹起から滞納者や契約拒否者の増加につながる、また、効果的・効率的な滞納対策を推進する上で支障を来たすなど、受信料の契約収納活動に支障を及ぼすおそれがある。このため、NHK情報公開規程第8条第1項第1号に規定する不開示情報に該当する。

4. 審議委員会の判断
  (1) 都道府県別の契約率、未契約数、契約拒否世帯数
 NHKが文書不存在を理由に不開示としたことは、妥当である。
 NHKの営業活動では、全国単位の世帯契約率、事業所契約率の向上が、受信料の公平負担を一層徹底していくための活動指標となっており、それらを推計するために全国レベルの実態調査が行われている。都道府県別の世帯契約率等を推計するための実態調査は、信頼性や精度の高い数値を得るために膨大なサンプル数が必要になるなど、調査に莫大な経費、時間、労力を要し、費用対効果の点からメリットが少なく、実施されていない。このことは、NHKの業務遂行のあり方として、現状では特に不合理なものとは考えられない。
  (2) 都道府県別の滞納数
 NHKが、都道府県別の滞納数を開示すると、受信料収納や受信契約業務に支障を来たすおそれがあると強く主張したことは、この問題が受信料制度の基本的な部分に関するものであり、現在の社会的風潮やNHKの営業実態を考慮すると、当審議委員会としても理解できる。
 しかし、都道府県別の滞納数が規程第8条第1項第1号に該当するかどうかは、NHKが自主的に新たな情報公開の仕組みをスタートさせた趣旨を踏まえ、「NHKの権利利益、地位もしくは事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの」を直ちに不開示情報とするのではなく、NHKが視聴者に対して果たすべき説明責務、NHKが持つ社会的責任等を合わせて検討しなくてはならない。
 また、「事業活動に支障を及ぼすおそれ」も単なる危惧だけでは十分でなく、具体性が求められる。これは単に危惧があれば不開示と認めてしまうと、すべて不開示が正当化され、情報公開の趣旨に沿わなくなるからである。
 これらの点を踏まえた上で、今回の「事業活動への支障」を検討すると、以下のように考えられる。
 既に全国の滞納数は公表されており、都道府県別のデータが加わることで、受信料収入が減少するといったような影響は、ほとんどないものと想定される。
 仮に業務支障への危惧が現実のものになった場合でも、公共放送の根幹である受信料制度の維持を目的とする、さらなる営業体制の強化に向けたNHK全体としての内部努力が、まだ可能と考えられる。
 受信料を効果的・効率的に運用することは当然だが、受信料制度への理解促進活動や滞納解消努力の強化に伴い、それらに要する経費がある程度増えることとなっても、やむを得ないところである。
 契約収納活動への影響を重視して不開示とする考えは、営業現場の論理を優先したものであり、必ずしも視聴者の理解を得られない。
 その上で、NHKが自主的に新たな情報公開の仕組みをスタートさせた趣旨とNHKが視聴者に対して果たすべき説明責務を合わせ考えると、都道府県別の滞納数については、冒頭の結論に述べたように、開示することが妥当である。なお、開示に当たっては、NHKがデータを保有していない単身世帯・2人以上世帯の別は除くものとする。
 沖縄県については、戦後20年以上にわたって受信料制度がなかったことから、その営業実態に合わせ、滞納とは別の形で管理されている。しかし、今回の審議の趣旨を踏まえ、NHKとして関連するデータの提供を行うべきである。

5. 審議の経過
 
平成13年 11月 8日   第5号諮問  
  12月 6日   (第6回審議委員会)  審議
平成14年  1月10日   (第7回審議委員会)  審議
   2月 8日   (第8回審議委員会)  審議
   3月14日   (第9回審議委員会)  審議
   4月11日   (第10回審議委員会)  審議・答申
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答申第5号 平成14年7月25日
NHK情報公開審議委員会の諮問第6号に対する意見

1. 再検討の求めに係る経緯
   各都道府県別の完納契約率および完納契約率の算式についての開示の求めに対し、NHKは、該当する文書が存在しないため不開示とした。この判断に対し、開示の求めを行った視聴者から再検討の求めが出された。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
   NHKの営業活動では、全国単位の世帯契約率、事業所契約率の向上が、受信料の公平負担を一層徹底していくための活動指標となっており、それらを推計するために全国レベルの実態調査が行われている。都道府県別の完納契約率等を推計するための実態調査は、信頼性や精度の高い数値を得るために、より膨大なサンプル数が必要になるなど、調査に莫大な経費、時間、労力を要し、費用対効果の点からメリットが少なく、実施していない。このため、各都道府県別の完納契約率および完納契約率の算式を記した文書を保有していない。
 なお、開示の求めを行った視聴者が指摘している「年度初頭に目標の算式として具体的に示されており」としているものは、大津放送局が地域スタッフの取次目標数の設定に際して、便宜的・暫定的に使用している「完納世帯契約率」を指しているものと思われるが、これは正確な意味での「完納契約率」とは異なるものである 。

3. 審議委員会の判断
   NHKが文書不存在を理由に不開示としたことは、妥当である。
 都道府県別の完納契約率の算出には、有料契約の対象となるテレビ所有世帯数、事業所のテレビ設置台数が必要だが、それらを推計するための都道府県別の実態調査は、経費や時間等がかかるため実施されていない。このことは、特に不合理なものとは考えられない。
 よって、NHKとして、当該契約率の算出に必要なデータを保有しておらず、各都道府県別の完納契約率および完納契約率の算式を記した文書を保有していないと認められる。
 なお、営業活動の推進に当たって、各放送局が地域実態に応じた各種指標を作成、使用しているが、それらの指標については、今後、より正確な説明と慎重な使用が望まれる。

4. 審議の経過
 
平成14年  2月 8日  第6号諮問  
   4月11日  (第10回審議委員会)   審議
   5月 9日   (第11回審議委員会)  審議
   6月13日   (第12回審議委員会)  審議
   7月11日   (第13回審議委員会)  審議
   7月25日   (第14回審議委員会)  審議・答申
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答申第6号 平成14年7月25日
NHK情報公開審議委員会の諮問第7号に対する意見

1. 再検討の求めに係る経緯
   平均的職員(高卒35歳・45歳・55歳のポイント賃金、所定内労働時間、実労働時間、生涯賃金など)の労働条件についての開示の求めに対し、NHKは、ポイント賃金、所定内労働時間を開示し、年間総労働時間および平均生涯賃金は該当する文書が存在しないため不開示とした。この判断に対し、開示の求めを行った視聴者から再検討の求めが出された。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
   NHKが平成5年度から導入した年間総労働時間管理方式では、労務管理の必要から、部局、業務実施グループ等の別にデータを把握しているが、学歴、年齢別の総労働時間は把握していない。
 また、各年度の定年退職者の平均生涯賃金については、対象となる職員の在職期間が極めて長期であり、賃金支給総額の把握が不可能であること、さらに、在職期間中の物価変動や昇進・昇給等の個人差が大きいこと、制度改正による現制度との差異、多数の職員が定年前に退職することなどから、経営分析上の意味もほとんどなく、算出していない。
 これらの理由から、NHKとして、平成12年度の高卒職員35歳・45歳・55歳の年間総労働時間および平成12年度に60歳定年を迎える高卒職員の平均生涯賃金を記した文書を保有していない 。

3. 審議委員会の判断
   NHKが文書不存在を理由に不開示としたことは、妥当である。
 NHKが行っている年間総労働時間管理方式では、学歴、年齢別による把握はされておらず、また、賃金については、比較分析の指標として一般的に用いられているのはポイント賃金であり、平均生涯賃金による管理は行われていない。このことは、特に不合理なものとは考えられない。
 よって、NHKとして、当該年間総労働時間および平均生涯賃金を記した文書を保有していないと認められる 。

4. 審議の経過
 
平成14年  2月 8日  第7号諮問  
   4月11日  (第10回審議委員会)   審議
   5月 9日   (第11回審議委員会)  審議
   6月13日   (第12回審議委員会)  審議
   7月11日   (第13回審議委員会)  審議
   7月25日   (第14回審議委員会)  審議・答申
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答申第7号 平成14年7月25日
NHK情報公開審議委員会の諮問第8号に対する意見

1. 再検討の求めに係る経緯
   NHKが地域スタッフの「労働三法」加入を否定する理由および地・中労委、仙台高裁の命令、判決受入を拒否することを決めた会議の議事録についての開示の求めに対し、NHKは、該当する文書が存在しないため不開示とした。この判断に対し、開示の求めを行った視聴者から再検討の求めが出された。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
   NHKと地域スタッフとの関係は、委託契約書に基づく委託・受託の関係であり、雇用契約には当たらない。「労働三法」(労働者として加入する社会三法)加入否定に関わる事項は、この委託制度の本旨に基づいて一貫してとっている方針であることから、以下のように、求めにあるような会議は開催されておらず、議事録も存在しない。
地域スタッフの「労働三法」(労働者として加入する社会三法)加入を否定する理由を決める会議は開催していない。
地・中労委の命令に対しても、今後の手続きなどについての打合せは行ったが、受け入れを拒否する方針そのものを議論する会議は開催していない。
仙台高裁の判決については、NHKは訴訟の当事者ではないため、そもそも受け入れを議論する立場になく、会議も開催していない。

3. 審議委員会の判断
   NHKが文書不存在を理由に不開示としたことは、妥当である。
 NHKの委託制度では、地域スタッフは個人事業主であり、NHKとの関係は委託契約書に基づく委託・受託の関係で、使用・労働の関係とは性格が異なる。これは、NHKが委託制度を導入した当初からの基本的な考え方であり、開示の求めにあるような議事録は存在しないと認められる。
 なお、NHKは、視聴者にNHKの委託制度をより分かりやすく説明する努力をすべきである。

4. 審議の経過
 
平成14年  2月 8日  第8号諮問  
   4月11日  (第10回審議委員会)   審議
   5月 9日   (第11回審議委員会)  審議
   6月13日   (第12回審議委員会)  審議
   7月11日   (第13回審議委員会)  審議
   7月25日   (第14回審議委員会)  審議・答申
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答申第8号 平成14年7月25日
NHK情報公開審議委員会の諮問第9号に対する意見

1. 再検討の求めに係る経緯
   長期滞納者を民法の「時効」を根拠にリストから削除している法的根拠、条文などについての開示の求めに対し、NHKは、該当する文書が存在しないため不開示とした。この判断に対し、開示の求めを行った視聴者から再検討の求めが出された。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
   放送受信契約の解約は、郵政大臣(当時)の認可を受けた「放送受信規約」に基づく届け出を受け、「放送受信規約取扱細則」「放送受信規約および放送受信規約取扱細則に関する料金事務の取り扱い」などの内規に則って処理されている。
 このうち、「放送受信規約および放送受信規約取扱細則に関する料金事務の取り扱い」の中で、「廃止認定等による解約」として、「提出された不明調査票について、調査してもなお転居先が判明せず、または長期不在、死亡等により廃止届を提出するものがない契約者および長期にわたり面接不能の状況にあって、受信機設置の事実が確認できない契約者については、解約の処理をすることができる。」と規定している。
 これらの内規は、いずれも民法の時効を根拠とするものではなく、民法の「時効」を根拠にリストから削除している法的根拠、条文などは存在しない。
 なお、開示の求めを行った視聴者がいう「面接不能者ではなく、ずっとその場所に居住している支払拒否者をもリストから削除している」については、訪問を重ねても長期にわたり面接が困難で、受信機設置の事実確認ができなかったことによる廃止認定のケースと考えられる。

3. 審議委員会の判断
   NHKが文書不存在を理由に不開示としたことは、妥当である。
 放送受信契約の解約は、「放送受信規約」「放送受信規約取扱細則」等の内規に則って処理されているが、これらの規定は、いずれも民法の「時効」を根拠にするものではない。
 よって、NHKとして、長期滞納者を民法の「時効」を根拠にリストから削除している法的根拠、条文などを保有していないと認められる。

4. 審議の経過
 
平成14年  2月 8日  第9号諮問  
   4月11日  (第10回審議委員会)   審議
   5月 9日   (第11回審議委員会)  審議
   6月13日   (第12回審議委員会)  審議
   7月11日   (第13回審議委員会)  審議
   7月25日   (第14回審議委員会)  審議・答申
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答申第9号 平成14年7月25日
NHK情報公開審議委員会の諮問第10号に対する意見

1. 再検討の求めに係る経緯
   毎日新聞に報じられた(平成13年5月12日近畿版)視聴者アンケートはがきへの対応に関して、NHKが平成13年5月30日付けで滋賀弁護士会に回答した文書の中で「次世代営業システム導入後に見直す方向で検討したい」とした部分の検討結果について、開示の求めが出された。これに対し、NHKは、該当する文書が存在しないため不開示としたが、この判断に対し、開示の求めを行った視聴者から再検討の求めが出された。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
   現在(平成14年1月時点)開発中の次世代営業システムでは、契約収納業務は携帯端末によって行われ、個別の集金の日付や時刻が端末に自動的に記録されるようになり、アンケートはがきによる集金日付のチェックの必要性がなくなる。したがって、次世代営業システムが全国に導入された段階で、アンケートはがきの内容やあり方について見直す方向で検討していくことにしている。しかし、導入前の現時点では、視聴者アンケートはがきについての検討結果をとりまとめるに至っていないため、検討結果を記した文書を保有していない。

3. 審議委員会の判断
   NHKが文書不存在を理由に不開示としたことは、妥当である。
 次世代営業システムの導入スケジュールでは、来年5月頃までに全国配備の完了が予定されている。その時点でNHKとして、アンケートはがきの内容やあり方について検討することとなっており、現時点においては、開示の求めにあるような文書を保有していないと認められる。

4. 審議の経過
 
平成14年  2月 8日  第10号諮問  
   4月11日  (第10回審議委員会)   審議
   5月 9日   (第11回審議委員会)  審議
   6月13日   (第12回審議委員会)  審議
   7月11日   (第13回審議委員会)  審議
   7月25日   (第14回審議委員会)  審議・答申
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答申第10号 平成14年7月25日
NHK情報公開審議委員会の諮問第11号に対する意見

1. 再検討の求めに係る経緯
   人員の効率的・効果的配置について示された口頭説明メモに関する各局所宛の指示文書および具体的指示例についての開示の求めが出された。これに対し、NHKは、各局所宛の指示は口頭説明メモにより行ったが、当該メモは不開示情報に該当するため不開示とした。この判断に対し、開示の求めを行った視聴者から再検討の求めが出された。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
   口頭説明メモは、平成12年4月、NHKが地域スタッフ組織の一つである全日本放送受信料労働組合(全受労)に手交した文書であり、全国各局所への指示に当たっても、この文書を用いて行った。
 当該文書は、地域スタッフの要員と配置について、NHKと全受労が交渉の結果を確認したもので、当事者間のみの取り扱いを前提とするものである。このような文書を開示すると、交渉相手との信頼関係を損ね、当事者である全受労はもとより、他の地域スタッフ組織との対応にも、今後、重大な支障を来たすおそれがある。このことから、NHK情報公開規程第8条第1項第1号に規定する不開示情報(交渉に関する情報であって、開示することにより、NHKの権利利益、地位もしくは事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの)に該当する。

3. 審議委員会の判断
   口頭説明メモを開示することが妥当である。
口頭説明メモは、地域スタッフ組織の一つである全受労との交渉に関して、その交渉経緯ではなく、交渉結果を記した文書である。
メモの内容は、地域スタッフの運用・配置についてのNHKの考え方を述べたもので、地域スタッフ組織への参加の有無、参加する組織の違いにかかわらず、広く地域スタッフ全体に適用されるものである。
 このことから、口頭説明メモを開示しても、全受労との信頼関係が損なわれるとは考えられず、また、地域スタッフ組織との今後の対応に重大な支障を来たすとも認められない。
 よって、当該メモは規程第8条第1項第1号には該当しないと判断する。

4. 審議の経過
 
平成14年  2月 8日  第11号諮問  
   4月11日  (第10回審議委員会)   審議
   5月 9日   (第11回審議委員会)  審議
   6月13日   (第12回審議委員会)  審議
   7月11日   (第13回審議委員会)  審議
   7月25日   (第14回審議委員会)  審議・答申



答申第11号 平成14年11月14日
NHK情報公開審議委員会の諮問第12号に対する意見

1. 再検討の求めに係る経緯
   放送センターおよび大阪放送局の電気料金計算書と請求書(平成13年度支払分)についての開示の求めに対し、月ごとの使用電力量および料金総額等は開示したが、契約種別、単価、内訳の料金に関する部分は、NHK情報公開規程第8条第1項第6号(契約によりNHKが守秘義務を課せられているもの)に該当するため不開示とした。この判断に対し、開示の求めを行った視聴者から再検討の求めが出された。

2. 一部開示としたNHKの見解の要旨
   NHKが電力会社と締結している電気需給契約には守秘義務が盛り込まれており、電気料金計算書と請求書に記載されている契約種別、単価、内訳の料金は守秘義務の対象となることから、NHK情報公開規程第8条第1項第6号に規定する不開示情報に該当する。

3. 審議委員会の判断
   NHKが契約種別、単価、内訳の料金を不開示としたことは妥当である。
 NHKでは、その情報公開の仕組みが自主的なものであることから、契約相手の情報の開示については、信頼関係の維持等に留意し、契約により守秘義務が課せられているものは不開示情報としている。ただし、その範囲は、NHKが有する視聴者への説明責務との兼ね合いから、最小限に限定される必要がある。
 今回開示を求められた電気料金計算書と請求書は、守秘義務を約定した電気需給契約に基づいているが、当該契約がNHKが新たな情報公開の仕組みを開始する前に締結されたものである点に加え、以下の点から、契約種別、単価、内訳の料金に限り、規程第8条第1項第6号に該当すると判断する。よって、NHKがそれらを不開示としたことは妥当である。
電力会社と協議のうえで、守秘義務の対象範囲を極力限定し、契約種別、単価、内訳の料金を除く月ごとの使用電力量および料金総額等は開示した。
電力会社が、契約種別、単価、内訳の料金を、「競争市場において勝ち抜くために非公表としたい営業上の秘密」や「競争力の源泉」であることを理由に、非公開とすることを強く求めている。
 なお、今後、NHKは、電気需給契約の締結に際しては、守秘義務の対象となる事項を極力限定することが望まれる。

4. 審議の経過
 
平成14年  9月12日  (第15回審議委員会)  第12号諮問・審議
  10月 7日  (第16回審議委員会)  審議
  11月14日   (第17回審議委員会)   審議・答申



答申第12号 平成16年10月14日
NHK情報公開審議委員会の諮問第13号に対する意見

1. 審議委員会の結論
   沖縄新放送会館の鉄塔でやり取りする送受信、アンテナ、電力及び伝送ルートのわかる説明文の開示の求めに対し、NHKが文書不存在を理由に不開示としたことは、結論において妥当である。

2. 再検討の求めに係る経緯
   沖縄新放送会館の鉄塔でやり取りする送受信、アンテナ、電力及び伝送ルートのわかる説明文すべてについての開示の求めに対し、NHKは、現時点で送受信、アンテナ、電力及び伝送ルートは検討中であり、文書が存在しないとの理由で不開示とした。
 この判断に対し、開示の求めを行った視聴者から、再検討の求めが出された。

3.

不開示としたNHKの見解の要旨

   開示の求めにある送受信、アンテナ、電力及び伝送ルートは、電波法に基づく無線局免許申請事項である。免許申請は平成17年春以降を予定しており、今後、沖縄新放送会館の建設進行に合わせて現地調査を行い、無線設備関係の設計を進め、申請準備を行っていく段階である。したがって、該当の文書はまだ存在していない。

4. 審議委員会の判断
   開示の求めにある沖縄新放送会館の鉄塔に係る送受信、アンテナ、電力及び伝送ルートは、いずれも無線局免許申請事項であるが、無線局免許申請は平成17年春以降であって、現在は、上記事項は検討中で確定しておらず、文書も作成されていないことが認められる。また、上記事項に関して、その概略を想定した文書も、平成16年2月5日にNHK沖縄放送局がDクラディアマンション管理組合に手交わした文書及び平成16年4月15日の泊地区住民説明会の際に用意したCG画面以外には存在しないと認められる。
 したがって、文書不存在を理由に不開示にしたことは、結論において妥当であると判断する。

5. 審議の経過
 
平成16年  9月 9日    第13号諮問
   9月30日  (第27回審議委員会)  審議
  10月14日   (第28回審議委員会)   審議・答申



答申第13号 平成16年10月14日
NHK情報公開審議委員会の諮問第14号に対する意見

1. 審議委員会の結論
   文書不存在を理由に不開示としたことは、妥当である。

2. 再検討の求めに係る経緯
   近隣マンションの販売主である大和ハウス工業が、平成14年7月と9月に沖縄放送局に新放送会館に関する情報を尋ねた際、「概要は説明できません」と言われたそうだが、その理由を知りたいとして、それに関する文書についての開示の求めに対し、NHKは該当の文書を保有していないとの理由で不開示とした。
 これについて、開示の求めを行った視聴者から大和ハウス工業とのやりとりについて「詳しく内容を知りたい」として再検討の求めが出された。

3.

不開示としたNHKの見解の要旨

   新放送会館の設計・施工についての提案を募集する前には、新放送会館の構造や高さなど概要を説明する資料もないため、大和ハウス工業に限らず未定と返答していた。また、新会館についてどのような問い合わせがあったか記録もされていない。したがって、開示の求めにある「理由を知りたい」に関する文書を保有していない。

4. 審議委員会の判断
   大和ハウス工業が沖縄放送局に問い合わせたとされる平成14年7月ないし9月の時点は、新放送会館の設計・施工についての提案を業者から募集する前であり、概要が決定していなかったため、新放送会館の概要については問い合わせがあれば「概要は決まっていない」と回答したはずであること、当時の問い合わせに関する記録がないため、大和ハウス工業の社員が来たかどうかを含め、個々の対応記録はなく、該当文書はないと認められる。
 したがって、NHKが文書不存在を理由に不開示としたことは、妥当であると判断する。

5. 審議の経過
 
平成16年  9月 9日    第14号諮問
   9月30日  (第27回審議委員会)  審議
  10月14日   (第28回審議委員会)   審議・答申



答申第14号 平成16年12月9日
NHK情報公開審議委員会の諮問第15号に対する意見

1. 審議委員会の結論
   本部放送センター内懲戒免職処分一覧のうち、処分発令日中の年月(2か所)、所属・職位中の職位(4か所)、事由及び処分理由中の地名(3か所)は、開示すべきである。

2. 再検討の求めに至る経緯
   1996年度から2004年度までの本部・放送センター内の懲戒免職処分について、事実概要と処分理由、年月日、氏名、所属などの開示の求めに対し、NHKは、本部放送センター内懲戒免職事案一覧のうち、処分発令の日(男女関係・セクハラの場合は年月日)、氏名、所属・職位、事由(男女関係・セクハラの場合は全部、その他の場合は地名の部分)、処分理由のうち地名の部分を不開示とした。
 これに対し、開示の求めを行った視聴者から、情報公開基準の施行から3年が経過し、発令日、氏名、所属・職位の個人情報の開示を再検討すべき時期であり、少なくとも所属、性別、年齢には検討の余地があるとして再検討の求めが出された。

3.

不開示としたNHKの見解の要旨

   不開示とした部分は、NHK情報公開規定第8条第1項第3号に規定する「個人に関する一切の事項についての事実、判断、評価等の情報であって、当該情報に含まれる名前その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの、または特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、当該個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当する。

4. 審議委員会の判断
   当審議委員会は、「職員の懲戒処分等に係る文書の一部開示等に対する再検討の求めについて」(平成13年10月12日付け第1号答申)において、「被処分者の氏名は、基本的な個人情報であり、本号(NHK情報公開規定第8条第1項第3号)に該当する。また、それだけでは個人を識別できる情報とはならないが、他の情報とつなぎ合わせることで個人の識別が可能となる情報も、一体として個人情報と解すべきである。よって、処分発令日、所属・職位も本号に該当する。」とした。
 「他の情報とつなぎ合わせることで個人の識別が可能となる情報」については、個人を識別できる可能性が高い情報だけが同規定第8条第1項第3号に規定する個人情報に該当すると解すべきである。また、第8条第1項は、同項各号に該当する情報の全てを開示してはならないと定めたものではない。
 したがって、第1号答申の上記記述は、処分発令日、所属・職位が第8条第1項第3号に該当することをもって常に不開示情報であるとする趣旨ではない。他の情報とつなぎ合わせることで個人の識別が可能となる場合には、個別に不開示にすべき部分であるかどうかを判断しなければならないものであり、その判断にあたっては、NHKの情報公開が視聴者に対する説明責務を果たすための自主的な仕組みであることと、NHKが公共放送としての社会的責任を負っていることに留意して、個人情報・プライバシーの保護のために不開示とする部分は極力少なくすべきである。特に、一連の不祥事を契機として、NHKの視聴者に対する説明責務は、一段と重くなっているので、そのことを自覚して、開示すべき部分を判断すべきである。例えば、懲戒処分の金品・物損事故案については、昨今のNHKに求められている説明責務、社会的責任を考慮して、懲戒免職処分以外の処分も、懲戒免職処分の開示すべき範囲に準じた範囲を開示すべきである。
 また、NHKにおいて既に公表した情報については、個人情報・プライバシーの保護のために今後は開示すべきではないと判断される特別の場合を除き、開示すべきである。
 このような考えをもとに、開示の対象となった5件について検討すると、まず、懲戒免職の処分発令日の年月は、NHKが公表している人事情報に含まれているので、開示すべきである。男女関係・セクハラの事案では、関係者のプライバシーの保護を優先して考慮すべきであるが、処分発令日の年月は、通常は、被処分者の個人の識別に関係する情報であっても、関係者のプライバシーに関する情報ではないので、開示すべきものである。
 職位については、第1号答申では、「所属・職位」として所属と一体のものと捉えて不開示としたが、通常は、所属が不開示である場合には、職位から個人を特定することは困難であるので(なお、男女関係・セクハラの事案での職位は、通常は、被処分者の個人の識別に関係する情報であっても、関係者のプライバシーの保護に関する情報ではない。)、開示することが適当であると判断する。
 事由及び処分理由中の地名については、本件においては、当該地名を不開示としないと他の情報とつなぎ合わせることで個人の識別が可能になるものではないので、開示すべきであると考える。

5. 審議の経過
 
平成16年  9月30日  (第27回審議委員会)  第15号諮問
  10月14日   (第28回審議委員会)  審議
  11月 2日   (第29回審議委員会)   審議
  11月11日   (第30回審議委員会)   審議
  11月22日   (第31回審議委員会)   審議
  12月 9日   (第32回審議委員会)   審議・答申


答申第15号 平成17年2月24日
NHK情報公開審議委員会の諮問第17号に対する意見

1. 審議委員会の結論
   平成14年4月から平成16年8月までの会長公用車の「運転日報」を、車輌番号欄、乗務員氏名欄、出庫時間欄、先着時間欄、降車時間欄、帰庫時間欄の各記載を除き、開示すべきである。なお、平成14年3月以前の運転日報は、既に廃棄されて存在しないので、開示の対象にならない

2. 再検討の求めに至る経緯
   97年度以降の会長公用車の運転記録についての開示の求めに対し、会長公用車の運転記録に当たる運転日報を不開示とした。
これに対し、開示の求めを行った視聴者から、NHKの会長は公人であり、その行動はできる限り明らかにされるべきであるとして再検討の求めが出された。

3.

不開示としたNHKの見解の要旨

   運転日報には、乗車経路や乗降時刻、打合せ場所、帰宅時刻等の情報が記載されており、これらを開示すると、対外折衝の具体的な内容や相手方が類推され、会長の円滑な業務遂行に支障を生ずるおそれがあるとともに、具体的な走行ルートや目的地から会長の行動が予測され、保安上の支障が生ずることも想定される。このため、NHK情報公開規程第8条第1項第1号に規定する「開示することによりNHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの」および同第5号に規定する「開示することによりNHKの保安に支障を及ぼすおそれがあるもの」に該当する。

4. 審議委員会の判断
 
(1) 開示を求められた「会長公用車の運転記録」に当たる文書は、会長公用車の運転日報である。会長公用車の運転日報には、会長の乗車経路や地名等の記載があるが、これらには会長の対外折衝の具体的な内容や相手方の氏名が類推できるような記載は含まれていないので、会長公用車の運転日報は、NHK情報公開規程第8条第1項第1号(開示することによりNHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの)に該当しないと判断する。
(2) 運転日報のうち車輌番号欄の記載は、会長公用車を特定していて、会長が乗車中であることが明らかになるため、会長の保安に支障を及ぼすおそれがあり、NHK情報公開規程第8条第1項第5号(開示することによりNHKの保安に支障を及ぼすおそれがあるもの)に該当する。また会長公用車の車輌番号は、会長個人を識別することができる情報でもあるから、NHK情報公開規程第8条第1項第3号に規定する個人情報にも該当する。しかし、平成14年4月から平成16年8月までの運転日報の車輌番号欄を除く部分は、その記載から会長の今後の具体的な行動が予測されることによって保安に支障を及ぼすおそれがあるものとは認められないので、NHK情報公開規程第8条第1項第5号に規定する不開示情報に該当しないと判断する。そこで、運転日報のうち車輌番号欄の記載は、不開示とすべきである。
(3) 運転日報の乗務員氏名欄の記載は、乗務員の氏名等が記載されているので、当該乗務員に係る個人情報であり、NHK情報公開規程第8条第1項第3号に規定する個人情報に該当する。そこで、運転日報のうち乗務員欄の記載は、不開示とすべきである。
(4) 運転日報の出庫時間欄、先着時間欄、降車時間欄、帰庫時間欄(以下「時間欄」と総称する)、経路欄に会長のプライバシーに属する情報が記載されている可能性があり、会長のプライバシーに属する情報が記載されている部分は、NHK情報公開規程第8条第1項第3号に規定する個人情報に該当する。ところが、平成14年4月から平成16年8月までの運転日報について会長のプライバシーに属する情報が記載されている部分を調査しようとしても、その調査は非常に困難なものになるといわざるを得ない。従って、会長のプライバシーを侵害することを避けるためには、前記期間の運転日報の時間欄、経路欄の各記載をすべて不開示とすることになる。しかし、NHKの情報公開の趣旨から、不開示とする部分は極力少なくするべきであり、このことに配慮して不開示部分を定めることが肝要である。平成14年4月から平成16年8月までの会長公用車の運転日報について、時間欄の記載を不開示とした場合、経路欄の記載から会長のプライバシーが侵害される程度は軽微であると思われる。そこで、運転日報のうち時間欄の記載は、不開示情報に該当すると判断し、不開示とすべきである。
(5) 開示の求めは、97年度(平成9年度)以降の運転日報を対象としているが、平成13年度以前の運転日報は、既に廃棄されて存在しない。NHKは、不開示を決定した際には、平成15年度以降の運転日報を確認したのみで、平成9年度以降の運転日報が全て存在していると思っていたが、その後に調査したところ、平成13年度以前の運転日報を平成15年4〜5月頃に廃棄したことが判明したと説明している。この説明には、特に不合理な点は認められないものの、開示の求めがされた文書の存否は、最初に確認して、開示の求めをした視聴者に明らかにすべきことであるから、運転日報の存否の確認が遅れたことは、まことに遺憾である。

5. 審議の経過
 
平成16年 10月14日  (第28回審議委員会)  第17号諮問
  11月11日   (第30回審議委員会)  審議
  11月22日   (第31回審議委員会)  審議
  12月 9日   (第32回審議委員会)   審議
  12月22日   (第33回審議委員会)  審議
平成17年  1月13日  (第34回審議委員会)  審議
   1月28日  (第35回審議委員会)  審議
   2月10日  (第36回審議委員会)  審議
   2月24日  (第37回審議委員会)  審議・答申


答申第16号 平成17年3月10日
NHK情報公開審議委員会の諮問第21号に対する意見

1. 再検討の求めに至る経緯
   「再検討の求め」を行った視聴者からは、「再検討の求め」の対象となった「開示の求め」に先立ち、受信料の取り扱い等について定めたNHKの内規の「開示の求め」が出され(平成16年3月4日及び5月12日受け付け)、これに対してNHKは、「放送受信規約取扱細則」、「放送受信規約および放送受信規約取扱細則に関する料金事務の取り扱い」および「放送受信料免除基準に関する料金事務の取り扱い」を開示した。
  その後、この視聴者から以下のような「開示の求め」が出された。
 
(1) 「放送法第32条の解釈について」とする「開示の求め」が出され(平成16年6月16日受け付け)、「下記のものが協会の放送を受信できる受信設備に該当するか否か、該当するのであればその理由を開示願いたい。」として、下記の例が示された。
1テレビゲーム専用機(設置世帯にアンテナなし)
2テレビゲーム専用機(設置世帯にアンテナとテレビを結ぶ同軸ケーブルなし)
3パソコン用ディスプレイ
4スカパー専用機(地上波アンテナ、BSデジタルアンテナ不所持)
  これに対してNHKは「放送受信規約取扱細則」および「放送受信規約および放送受信規約取扱細則に関する料金事務の取り扱い」の該当条文を改めて開示した上で、4つの例示については、「受信状態が判断できないので答えられない。」と説明した。
(2) 「受信契約について」とする「開示の求め」が出され(平成16年6月16日受け付け)、「受信契約締結時の締結資格者について具体的に開示願いたい。」として、下記の例が示された。
1別居中の世帯主の親族
2世帯主の友人
3世帯主の家族
  これに対してNHKは、「放送受信規約取扱細則」の該当条項を改めて開示した上で、3つの例示については、「その内容からは、『締結資格』なるものが判断できないため答えられない。」と説明した。
   こうした経緯を経て、「再検討の求め」の対象となった「受信契約の契約条項について」とする「開示の求め」が出され(平成16年9月24日受け付け)、下記3項目の求めが行われた。

1. 上記(1)で例示したケースについて、NHKの放送が現在受信不能で、未来においても受信する意志のないものについて返答を求める。
2. 上記(2)は、放送法第32条「協会の放送を受信することのできる受信装置を設置した者」等に該当するかどうかの開示を求めたものであり、返答を求める。
3. 「放送受信料免除基準に関する料金事務の取り扱い」第1条(2)「協会の放送の受信用コイルが挿入されていなくても、その受信機の基本構造上それが挿入することができるように製作されている受信機は、他に受信不能の条件がなければ契約の対象となる」とあるが、コイルが挿入されるまでは、協会の放送を受信することのできない受信機であるということなのか、開示を求める。
   これに対してNHKは、「文書不存在のため開示できない」とした上で、以下の説明を行った。

1. 上記(1)の例示では、受信実態が判断できないため、答えられない。
2. 上記(2)の例示では、協会の放送を受信できる受信設備を設置した者かどうか判断できないため、答えられない。
3. NHKのテレビ放送を受信できる受信設備として取り扱う。

 これに対して、平成16年11月4日に「文書があろうと無かろうと実際に業務で行われている基本的なことがらであり開示できないということではない。」とした上で、上記1.2.3.の項目について矛盾を説明してほしいと、「再検討の求め」が出された。

2. NHKの見解
    この視聴者からは、「開示の求め」の形式で意見・質問が相次いで寄せられてきたため、NHK情報公開規程に基づいた形式で対応を進めてきたが、そもそも9月24日受け付けの「開示の求め」は、文書開示を求めるものというより、質問に対して「回答書」を求めるものであり、NHK情報公開規程にある「再検討の求め」にあたらない。

3. 審議委員会の判断と結論
   本件「開示の求め」に対応する文書ないし参考となる文書は、これまでに開示ないし提供した文書以外に存在しないので、NHKが文書不存在のため開示できないとしたことは妥当な取扱いである。 なお、本件「開示の求め」は、受信契約に関して自ら設定した質問に対するNHKの回答を求めるものであるが、NHKは、既に各質問に対して誠実かつ適切な回答をしたと認められる。

4. 審議の経過
 
平成17年  2月10日  (第36回審議委員会)  第21号諮問
   2月24日  (第37回審議委員会)  審議
   3月10日  (第38回審議委員会)  審議・答申


答申第17号 平成17年3月10日
NHK情報公開審議委員会の諮問第22号に対する意見

1. 再検討の求めに至る経緯
   本件の「再検討の求め」に至るまでに、これに関連した以下のような「開示の求め」が出されている。
 
(1)  まず「有線放送受信者へ受信料を課す法的根拠」という「開示の求め」が出された(平成16年3月4日受け付け)。  これに対しNHKは、NHKのホームページの中で公開されている「よくいただく質問」の中の「ケーブルテレビに入っていても受信料を支払うの?」という質問とそれに対する答えをコピーして開示した。この答えの中では、ケーブルテレビを通じてNHKの放送番組を視聴している場合でも、放送法第32条第1項が適用され、受信契約を結ぶ必要があると説明されている。
(2)  次いで「HP(ホームページ)での有線放送受信者への受信料を課す解釈について」という「開示の求め」が出された(平成16年5月12日受け付け)。この中でこの視聴者は、有線テレビ放送施設を介してもなお「放送」であると定義できる法の条文の開示を求めた。  これに対してNHKは、文書不存在のため不開示とした上で、放送法第32条第1項における、その設置者が受信契約を締結する義務を有する「協会の放送を受信できる受信設備」とは、直接、間接(有線テレビ放送施設を介して受信する場合)を問わず、NHKが送信する放送番組を視聴できる受信設備のすべてをいうものだ、と説明した。
(3)  上記のNHKの不開示の回答と説明に対し、「当方が求めているのは『協会の解釈』ではなく法の条文」として、上記と同じく「HPでの有線放送受信者への受信料を課す解釈について」という「開示の求め」が出された(平成16年6月16日受け付け)。  これに対してNHKは、放送法第32条第1項を開示し、その理由については(2)に対する説明のとおりと説明した。
   こうした経緯を経て、「再検討の求め」の対象となった「有線放送と受信料の関係について」とする開示の求めが出され(平成16年9月24日受け付け)、その中でこの視聴者は、「有線テレビ放送施設を介してもなお『放送』であると定義している法の条文については未だに開示をいただいておらず、その条文を提示するか、条文はないとの回答をお願いする。」としている。
  これに対してNHKは、「文書不存在のため不開示」として、有線放送と受信料の関係については、これまでに繰り返しお示ししているとおり、と説明した。

  これに対して、平成16年11月4日に「法に規定のある再送信であることを無視して『放送』であるとしてお金を徴収する以上その証拠を提示しなければならないはずである。無いではすまない問題である。」として「再検討の求め」が出された。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
   「開示の求め」に該当する文書は、放送法第32条第1項であり、「開示の求め」を行った視聴者に対しては、既に3度にわたって同様の開示・説明を行っており、更に、この「開示の求め」には「協会の説明文は不要」とのコメントが付されていることも勘案し、「文書不存在による不開示」とした。

3. 審議委員会の判断と結論
   本件「開示の求め」に対応する文書ないし参考となる文書は、これまでに開示ないし提供した文書以外に存在しないので、NHKが文書不存在のため開示できないとしたことは妥当な取扱いである。 なお、本件「開示の求め」は、有線放送と受信料の関係について自ら設定した質問に対するNHKの回答を求めるものであるが、NHKは、既に各質問に対して誠実かつ適切な回答をしたと認められる。

4. 審議の経過
 
平成17年  2月10日  (第36回審議委員会)  第22号諮問
   2月24日  (第37回審議委員会)  審議
   3月10日  (第38回審議委員会)  審議・答申


答申第18号 平成17年3月24日
NHK情報公開審議委員会の諮問第18号に対する意見

1. 審議委員会の結論
    「97年度以降の役員(会長、副会長、専務理事、理事)の交際費の額及び支出先、支出目的のわかるもの」として、平成9年度(97年度)から平成15年度までの役員交際費の各年度総額及び類型別(飲食を含む打合せ、チケット贈呈等の謝礼、慶弔・会費関係)の金額、チケット贈呈等の謝礼のうちの大相撲の席料とプロ野球のシーズンシートの金額及び平成13年度から平成15年度までの飲食を含む打合せの役員別(会長、副会長、専務理事、理事、監事)の金額を開示すべきである。

2. 再検討の求めに至る経緯
   97年度以降の役員(会長、副会長、専務理事、理事)の交際費の額及び支出先、支出目的のわかるもの、という開示の求めに対し、NHKは、打合せ・会議や慶弔関係の支出を開示すると、相手側との信頼関係が崩れて外部の方から任意の協力を得ることが難しくなることが想定され、NHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるとして、全面不開示とした。 これに対して、開示の求めを行った視聴者から、「国民から預かった公金を扱う組織にとって、交際費の使用状況は、公金を適正に使っているかどうかの姿勢を示す指標を考える。自治体では、支出の相手方まで公開しているところがほとんどであり、一切不開示という判断は時代錯誤と言われても仕方ないのではないか。」として再検討の求めが提出された。

3. 不開示としたNHKの見解の要旨
   NHKは、受信料で支えられている公共放送ではあるが、取材・番組制作活動においては、法的な保護などの優位性はなく、民間放送や新聞社と対等な立場で競争関係を維持している自主的・自律的な放送事業体であるので、行政機関とは、おのずと性格が異なる。 打合せ・会議や慶弔関係の支出については、一部でも開示されると、相手との信頼関係が崩れるだけでなく、事業遂行に当たっての手の内を一方的に明らかにすることになり、NHKの事業活動に著しい支障を及ぼすことになる

4. 審議委員会の判断
 
(1)

 開示が求められた「97年度以降の役員(会長、副会長、専務理事、理事)の交際費の額及び支出先、支出目的のわかるもの」のうち、役員交際費の各年度総額については、独立して管理され、決算額が把握されている。従って、役員交際費の各年度の支出総額を開示すべきである。

(2)  役員交際費の「支出目的」別の金額の開示が求められているところ、NHKは、役員交際費を類型別(飲食を含む打合せ、チケット贈呈等の謝礼、慶弔・会費関係)に支出管理しているので、類型別の金額が判明している。そこで、支出目的を明らかにする趣旨で、類型別の金額を開示すべきである。
  また、チケット贈呈等の謝礼の類型については、支出目的を更に明らかにするため、大相撲の席料とプロ野球のシーズンシートの金額を開示すべきである。
(3)  役員別の交際費の金額の開示が求められているところ、チケット贈呈等の謝礼、慶弔・会費関係については、必ずしも個々の役員に結び付く形では支出が管理されていないため、役員別の金額は存在しない。一方、飲食を含む打合せについては、役員を特定して支出しており、役員別の金額を算出することが可能である。但し、飲食を含む打合せについて、役員別の金額が判明する書類は、保存期限が3年となっており、平成12年度以前は既に廃棄されているので、平成13年度から平成15年度までの飲食を含む打合せの役員別の金額を開示すべきである。
(4)  「支出先」別の金額の開示が求められており、これは、飲食を含む打合せの相手方の氏名の開示を求めるものと解されるが、飲食を含む打合せの相手方の氏名は、個人情報であり、NHK情報公開規程第8条第1項第3号の不開示情報である。
(5)  NHKは、本件開示の求めに対し、NHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるとして全面不開示としたが、少なくとも上記開示すべきとした部分は、すべてNHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるものと認めることはできない。

5. 審議の経過
 
平成16年  10月10日  (第28回審議委員会)  第18号諮問
   11月11日  (第30回審議委員会)  審議
   11月22日  (第31回審議委員会)  審議
   12月 9日  (第32回審議委員会)  審議
   12月22日  (第33回審議委員会)  審議
平成17年   1月23日  (第34回審議委員会)  審議
    1月28日  (第35回審議委員会)  審議
    2月10日  (第36回審議委員会)  審議
    2月24日  (第37回審議委員会)  審議
    3月10日  (第38回審議委員会)  審議
    3月24日  (第39回審議委員会)  審議・答申


答申第19号 平成17年5月12日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第16号に対する意見

1. 審議委員会の結論
    「本年7月23日発表の不正支出事案に関する調査報告書類(7月23日発表の基になったもの。役員への報告のようなもの)」を不開示としたことは妥当である。

2. 再検討の求めに至る経緯
   「本年7月23日発表の不正支出事案に関する調査報告書類(7月23日発表の基になったもの。役員への報告のようなもの)」という開示の求めに対し、NHKは捜査に支障を及ぼすおそれがあり、再発防止策にも支障を与えかねないとして不開示とした。
  これに対し、開示の求めを行った視聴者から、「捜査当局に解明を委ねる前段階の資料であり捜査に影響があるとは考えられない。当事者としての説明責任を放棄しているのではないか」として、再検討の求めが出された。

3. 不開示としたNHKの見解の要旨
   警視庁に提出した資料には当該事案の放送料の支払い状況に関する詳細な資料等が含まれており、捜査が行われようとしている段階でこれらの資料を開示した場合、証拠隠滅が図られるなど捜査に支障を及ぼすおそれがあり、ひいては捜査当局による全容解明にもとづき再発防止や視聴者への説明をしなければならないNHKの業務に支障を及ぼすおそれがある。
 また当該資料は懲戒処分の根拠になったもので、人事資料であり、公開すれば今後、懲戒処分についての任意の調査が困難になる。

4. 審議委員会の判断
 
(1)  番組不正支出問題に関してNHKは、平成16年7月20日に記者会見を開き、約1900万円の不正支出があったことを発表した。次いで、番組制作局がした事実調査に基づき、7月23日の午前中に責任審査委員会を開催して当該職員等7名に対する懲戒処分を決定する一方、警視庁に詐欺の疑いで当該職員と関係者の告訴状を提出した。そして、同日の午後に記者会見を開き、当該職員等の懲戒処分と警視庁への告訴状提出を発表するとともに、不正支出額が約4800万円に上ること等を発表した。
(2)  本件開示の求めは、「本年7月23日発表の不正支出事案に関する調査報告書類(7月23日発表の基になったもの。役員への報告のようなもの)」についてである。7月23日の午後の記者会見の発表は、番組制作局が行った事実調査に基づくものであるが、調査結果をまとめた調査報告書としては、責任審査委員会に提出された事実調書(本人の賞罰や平素の勤務成績等を含む)が存在する。また、本件開示の求めが調査報告書類だけでなく、「7月23日発表の基になったもの」についても開示を求めていると解すると、番組制作局が行った事実調査の過程で作成または収集された関係者に対するヒアリングメモ、当該職員等の始末書等および経理関係資料が存在する。これらの資料は、告訴に伴い警視庁へ提出されたもの以外は、現在も存在している。
(3)  番組制作局が行った事実調査の過程で作成または収集された関係者に対するヒアリングメモ、当該職員等の始末書等および経理関係資料(以下、これらの資料を「本件資料」という。)ならびに事実調書は、被処分者の懲戒処分の決定に用いられたものであるから、すべてNHK情報公開規程第8条第1項第1号の「人事に関する情報」である。そして、関係者に対するヒアリングメモ、当該職員等の始末書等および事実調書は、いずれも非公開を前提にして任意に行われた調査において作成されたものであって、これらを公開すれば任意で行われる今後の懲戒処分に関する調査を困難にする可能性があるから、開示することによりNHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるものとして、規程第8条第1項第1号所定の不開示情報に該当する。
(4)  本件資料は一体として被処分者の懲戒処分の決定に用いられたものであり、事実調書は本件資料に基づくものである。したがって本件資料および事実調書は、被処分者の個人情報であり、規程第8条第1項第3号の不開示情報に該当する。
  なお、本件番組制作費不正支出問題の重大性に鑑みると、NHKが説明責任を果たすために、個人情報であってもその一部を明らかにする必要があると解すべきである。しかし、NHKは、7月23日に、当該職員を含む被処分者の氏名・処分内容、不正支出額等を発表し、9月7日に、その後の調査で判明した不正支出額等を発表し、平成17年3月7日および3月29日に、更にその後の調査で判明した不正支出額等を発表した。以上の経緯を考慮すると、NHKが本件番組制作費不正支出問題に係る個人情報の一部を明らかにすべき説明責任を懈怠しているとまで解することはできない。

5. 審議の経過
 
平成16年  10月14日  (第28回審議委員会)  第16号諮問
   12月 9日  (第32回審議委員会)  審議
平成17年   1月13日  (第34回審議委員会)  審議
    3月24日  (第39回審議委員会)  審議
    4月14日  (第40回審議委員会)  審議
    4月28日  (第41回審議委員会)  審議
    5月12日  (第42回審議委員会)  審議・答申


答申第20号 平成17年5月12日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第19号に対する意見

1. 再検討の求めに至る経緯
    平成12年4月1日から平成16年3月31日までの職員の不祥事に関して、懲戒処分の内容および同処分に至った経過記録の分かるものすべて、という開示の求めに対し、NHKは公開事案一覧のうち、処分発令日の日(男女関係・セクハラの場合は年月日)、氏名、所属、職位、事由(男女関係・セクハラの場合は全部、その他の場合は地名の部分)、処分理由のうち地名の部分を不開示とした。
  これに対し、開示の求めを行った視聴者から、「懲戒処分の内容については、公開事案一覧で分かるが、『同処分に至った経過記録のわかるものすべて』に関して、文書があるかどうか、開示されていない。公開事案一覧の作成にいたった経過記録は、存在すると思うので、その内容を開示・不開示の連絡が必要」として、再検討の求めが出された。

2. NHKの見解の要旨
   処分案を検討する責任審査委員会に提出される処分案とその基になる資料は、違反行為の状況や、日頃の勤務態度などを総合的に判断した個人に関する人事情報であり、NHK情報公開規程第8条第1項第3号の不開示情報に該当する。
 また、一般的に人事管理に関する情報で、決定に至る過程等が明らかになる情報は、公正かつ円滑な人事管理の支障となるおそれがあり、規程第8条第1項第1号の不開示情報に該当する。

3. 審議委員会の判断
   懲戒処分に至る過程で作成された文書としては、本人の所属する部局長から責任審査委員会に提出された事実調書(本人の賞罰や平素の勤務成績等を含む)、本人の始末書、責任審査委員会から会長に提出された処分についての答申および本人に交付された処分説明書がある。
 懲戒処分は、非公開を前提に任意で行われた調査に基づくものであり、その経過については、これを公開すると、任意で行われる今後の調査が困難になる。したがって、これらの文書は、開示することによりNHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるものとして、規程第8条第1項第1号の不開示情報に該当する。
 また、懲戒処分に至る経過で作成された文書は、すべて被処分者の個人情報であり、規程第8条第1項第3号の不開示情報に該当する。
 したがって、「懲戒処分に至った経過記録」は不開示情報に該当することを、開示の求めを行った視聴者に連絡すべきである。

4. 審議の経過
 
平成16年  11月11日  (第30回審議委員会)  第19号諮問、審議
平成17年   1月13日  (第34回審議委員会)  審議
    3月24日  (第39回審議委員会)  審議
    4月14日  (第40回審議委員会)  審議
    4月28日  (第41回審議委員会)  審議
    5月12日  (第42回審議委員会)  審議・答申


答申第21号 平成17年5月12日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第23号に対する意見

1. 再検討の求めに至る経緯
   「コンプライアンスの外部通報窓口(弁護士事務所)の名称、所在地および内部通報窓口に寄せられた通報内容」という開示の求めに対し、NHKは、いずれもNHK情報公開規程の不開示情報に該当するとして、不開示とした。
 これに対して、開示の求めを行った視聴者から、「対応の悪質な職員を通報するため」として、再検討の求めが出された。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
   NHKのコンプライアンス通報制度は、組織または個人による法令違反・内部規律違反等の不正行為等について、その事実をNHKとして速やかに認識し、NHKのコンプライアンス(法令順守)を推進するために設けているものである。したがって、コンプライアンス通報制度によって通報できる者は、協会に勤務する者(職員、契約職員、スタッフおよび派遣労働者)に限定しており、外部の通報窓口の事務所名や所在地などについては、対象者にのみ周知している。外部の通報窓口の事務所名や所在地を開示した場合、対象者以外からの問い合わせ等により、当該事務所の業務に支障を来たすおそれがあることから、これらの情報は、NHK情報公開規程第8条第1項第4号に規定する不開示情報「NHK以外の法人等の権利、地位等を害するおそれがあるもの」に該当する。
 通報内容については、NHKの「コンプライアンス通報制度規程」で、通報者保護の観点から、通報者が特定できる情報等は他に一切開示してはならないとされており、NHK情報公開規程第8条第1項第1号に規定する不開示情報「NHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの、もしくは特定の者に利益もしくは不利益を及ぼすおそれがあるもの」に該当する。

3. 審議委員会の判断
   NHKは、外部の通報窓口となる弁護士事務所との間で、名称、所在地を公表しないことを合意して契約しており、これらの情報は、規程第8条第1項第6号に規定する不開示情報「契約によりNHKが守秘義務を課せられているもの」に該当する。
 また、窓口に寄せられた通報内容は、通報者保護の観点のため開示しないことになっており、開示するとNHKのコンプライアンス通報制度に支障が生じるおそれがあることから、規程第8条第1項第1号の「NHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの」に該当する。
 したがって、以上のことから、本件開示の求めに係る文書を不開示としたNHKの判断は妥当である。

4. 審議の経過
 
平成17年   4月14日  (第40回審議委員会)  第23号諮問
    4月28日  (第41回審議委員会)  審議
    5月12日  (第42回審議委員会)  審議・答申


答申第22号 平成17年5月12日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第24号に対する意見

1. 再検討の求めに至る経緯
   「平成16年度に大津放送局に届いた内容証明での返金要求の数、および、その受理数および不受理の数(不受理の場合はその理由)、および処理に当たった職員の名前と役職」という開示の求めに対し、NHKは、受理数等は文書不存在、職員名等は個人情報に該当するとして、いずれも不開示とした。なお、内容証明郵便は1通あったことを情報提供した。これに対し、開示の求めを行った視聴者から「どの役職の人間がどういう責務を持って対応したのかを知るため」として再検討の求めが出された。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
   内容証明郵便の受理、不受理等を記載した文書はない。また、対応に当たった職員の名前と役職は個人情報であり、NHK情報公開規程第8条第1項第3号に該当する。

3. 審議委員会の判断
   NHKに届いた内容証明郵便は、発送者の信書であるから、規程第8条第1項第3号の個人情報であって、同号の不開示情報に該当する。そして、信書の秘密は完全に守られなければならないものであって、内容を特定した信書の通数も、他の情報と合わせて発送者個人を識別できる可能性があるので、その存否も含めて開示すべきではない。
 また「処理に当たった職員の名前と役職」も、上記の理由から開示すべきではない。
  したがって、NHKが不開示としたことは相当である。

4. 審議の経過
 
平成17年   4月14日  (第40回審議委員会)  第24号諮問
    4月28日  (第41回審議委員会)  審議
    5月12日  (第42回審議委員会)  審議・答申


答申第23号 平成17年5月26日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第20号に対する意見

1. 審議委員会の結論
   1997年1月1日から2004年8月までの懲戒処分のうち、免職処分および起訴猶予以上の刑事事件に係るすべての懲戒処分のほか、金品・物損事故の懲戒処分については、すべてを開示すべきである。
 また、公開事案一覧のうち、「所属・職位」のうちの職位は、すべて開示すべきである。男女関係・セクハラ以外の処分の事由および処分理由のうちの地名については、開示すべきである。男女関係・セクハラの処分発令日の年月は開示すべきである。

2. 再検討の求めに至る経緯
   1997年1月1日から2004年8月までの処分職員名、処分理由および処分内容についての開示の求めに対し、NHKは公開事案一覧のうち、処分発令日の日(男女関係・セクハラの場合は年月日)、氏名、所属、職位、事由(男女関係・セクハラの場合は全部、その他の場合は地名の部分)、処分理由のうち地名の部分を不開示とした。
 これに対し、開示の求めを行った視聴者から、「協会の行動憲章と自浄作用がどの程度機能しているかを確認するため。特に減給以上の処分者については全ての開示を求める。」として、再検討の求めが出された。

3. 不開示としたNHKの見解の要旨
   NHKの懲戒処分の開示範囲は、免職処分のすべてと、起訴猶予以上の刑事事件に関するすべての懲戒処分としている。これは、免職処分については、最も重い懲戒処分であること、刑事事件については、社会的に影響が大きいことから、公共放送の職員に求められる社会的責任と高い倫理性に鑑み、視聴者への説明責務があると判断したからである。それ以外の処分については、本人に対するNHKとしての必要な措置は懲戒処分をもって完結している上、本人の今後の業務遂行への影響を考慮し、開示対象から除いた。
 なお、すべての懲戒処分について、件数を類型別にまとめた資料は追加開示する。
 また公開事案一覧のうち、個人を特定できる情報については、NHKが既に公表した案件を除き不開示とした。

4. 不開示としたNHKの見解審議委員会の判断
   再検討の求めは、開示する範囲について、「減給以上の処分者については全ての開示を求める。」としている。職員に対する懲戒処分は、基本的にはすべてNHK情報公開規程第8条第1項第3号の個人情報であって、不開示情報に該当する。しかし、受信料で成り立つ公共放送として視聴者への説明責務を果たすため、一定の範囲については、個人情報であることに配慮した上で開示すべきである。開示する範囲については、事犯の重大性、社会的な影響の大きさ、公共放送の職員に求められる倫理性などによって判断すべきである。
 NHKは開示の範囲を、免職処分のすべてと、起訴猶予以上の刑事事件に係るすべての懲戒処分としてきたが、その後、平成16年12月9日に当審議委員会が出した答申第14号に基づき、金品・物損事故のすべての懲戒処分も開示するとしており、本件についてもその範囲で開示すべきである。

 なお、被処分者の個人情報のうち職位については、通常は、所属が不開示である場合には、職位から個人を特定することは困難であるので、個人が特定される場合を除き開示すべきである。本件公開事案一覧においては、職位から個人が特定される事案はないと認められるので、職位はすべて開示すべきである。
 また男女関係・セクハラ以外の事由と処分理由のうちの地名については、開示することによって個人が特定される場合を除き開示すべきである。本件公開事案一覧においては、地名から個人が特定される事案はないと認められるので、地名はすべて開示すべきである。
 男女関係・セクハラの処分発令日の年月は開示すべきである。

5. 審議の経過
 
平成16年  11月22日  (第31回審議委員会)  第20号諮問、審議
平成17年   1月13日  (第34回審議委員会)  審議
    3月24日  (第39回審議委員会)  審議
    4月28日  (第41回審議委員会)  審議
    5月26日  (第43回審議委員会)  審議・答申


答申第24号 平成17年6月30日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第25号に対する意見

1. 再検討の求めに至る経緯
   「2001年1月20日から2月3日までの松尾放送総局長、伊東番制局長、国会担当の野島局長それぞれの国会議員との面会記録」という開示の求めに対し、NHKは、該当する文書が存在しないため開示できないとした。これに対して、求めを行った視聴者から、「NHKの『コンプライアンス推進室調査結果報告書』(1月19日付)によると、NHKの理事、局長が中川昭一氏、安倍晋三氏と面談した事実が認められた」とあり、事実を示す記録があるはずだとして、再検討の求めが出された。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
   再検討の求めの理由として引用されている「コンプライアンス推進室調査結果報告書」の「国会議員との面談に関する事実」は、松尾放送総局長、伊東番組制作局長、野島総合企画室担当局長(いずれも当時)へのヒアリングで確認したものをまとめたものであり、求めに該当する文書は存在しない。

3. 審議委員会の判断
   本件開示の求めの対象とされた「2001年1月20日から2月3日までの松尾放送総局長、伊東番制局長、国会担当の野島局長それぞれの国会議員との面会記録」は、該当する文書が存在しないことが認められる。
  なお、本件再検討の求めでは、コンプライアンス推進室調査結果報告書に記載されている「伊東氏、野島氏については、本件番組放送後の2月2日に、中川氏と面談していたという事実が認められた」、「松尾氏、野島氏について、本件番組の放送前である1月29日ころに安倍氏と面談していた事実が認められた」との調査結果の根拠になった「面会していた事実を示す記録」の開示を求めているが、伊東氏、野島氏と中川氏との面談の日は、NHKの両氏の記憶を総合して2月2日と判断されたものであり、また、松尾氏、野島氏と安倍氏との面談の日は、NHKの両氏の記憶を総合して1月29日ころと推定されたものであって、NHKには、いずれの面談についても関連する文書が存在しないことが認められる。
 以上のとおり、本件開示の求めの対象とされた国会議員との面会記録に該当する文書は存在しないので、NHKが文書不存在のため開示できないとしたことは妥当な取扱いである。

4. 審議の経過
 
平成17年   5月12日  (第42回審議委員会)  第25号諮問
    5月26日  (第43回審議委員会)  審議
    6月 9日  (第44回審議委員会)  審議
    6月30日  (第45回審議委員会)  審議・答申


答申第25号 平成17年6月30日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第27号に対する意見

1. 再検討の求めに至る経緯
   「2月3日に開かれた自民党の会議(総務部会・電気通信調査会合同会議)に、橋本会長が出席した件について、1自民党との間で交わされた連絡内容、2出席に先立ってNHKで作成された文書、3会議の記録および受け取った文書、4会議の後にこの件に関して作成された文書」という開示の求め(自民党以外の政党についても同様の求め)に対して、NHKは以下のように一部開示の連絡をした。

 1自民党と事前に文書を取り交わしておらず、文書は不存在。
 2「17年度収支予算・事業計画および資金計画」を開示。
 3会議の記録は取っておらず、各政党からも文書を受け取っておらず、文書は不存在。
 4「まとめ」のようなものは作成しておらず、文書は不存在。

  これに対して、求めを行った視聴者から、2については了解したものの、134については、文書や記録が存在するはずだとして、再検討の求めが出された。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
   NHKは、毎年この時期に、NHKの翌年度予算案について各政党の部会などで説明しており、平成17年も、自民党(2月3日)、公明党(2月3日)、共産党(2月25日)、社民党(3月8日)、民社党(3月9日)に対して、それぞれ実施した。1については、事前の連絡は主として電話か口頭で行っており、日程調整、会議場所等に関して作成された文書はすべて廃棄されていて文書は存在しない。3については、会議の内容について個々の出席者が個人的にメモを取ることはあっても、会議の内容を記録することはなく、また政党側と発言内容を確認するようなこともなく、文書は存在しない。4については、事後に報告書等を作成することはなく、文書は存在しない。

3. 審議委員会の判断
   本件再検討の求めは、「2月3日に自民党の会議に橋本会長が出席した件について、1自民党との間で事前にかわされた連絡内容、3会議の記録および受け取った文書、4会議の後にこの件に関して作成された文書」および「自民党以外の政党との間で同様の会議が開かれていれば、上記134同様の文書」の開示を求めるものである。
 自民党の会議に係る134の文書は、NHKの説明のとおり該当する文書が存在しないことが認められる。また、NHKは、翌年度のNHK収支予算・事業計画等の説明を自民党以外の各政党にも実施したが、その説明実施に係る134同様の文書も該当する文書が存在しないことが認められる。
  従って、NHKが該当する文書不存在のため開示できないとしたことは妥当な取扱いである。

4. 審議の経過
 
平成17年   5月26日  (第43回審議委員会)  第27号諮問
    6月 9日  (第44回審議委員会)  審議
    6月30日  (第45回審議委員会)  審議・答申


答申第26号 平成17年10月13日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第26号に対する意見

1. 審議委員会の結論
   NHKが放送した番組「問われる戦時性暴力」をめぐり、職員の内部告発を受けてNHKのコンプライアンス推進室がまとめた調査結果報告書の元になった資料として、この番組に関する民事訴訟の第一審においてNHKが裁判所に提出した第1〜第5準備書面を、NHKが既に公表しているNHK役職員および番組の出演者以外の個人の氏名を除き、開示すべきである。

2. 再検討の求めに至る経緯
   2001年1月30日に放送された番組「ETV2001 シリーズ戦争をどう裁くか 第2回 問われる戦時性暴力」をめぐり、「職員の内部告発を受けて、NHKのコンプライアンス推進室が2005年1月19日に『放送法第3条およびNHK倫理・行動憲章に違反する不法行為は認められない』とした調査結果報告書の元になった内部報告書、調書、訴訟資料など関連資料すべて」という開示の求めがあった。これに対しNHKは「『コンプライアンス推進室調査結果報告書』以外の文書は存在しない。訴訟資料については、現在東京高等裁判所で審理中であり、NHK情報公開規程第8条第1項第1号の『争訟に関する情報であって、開示することにより、NHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの』に該当し、開示できない。」とした。これに対し、開示の求めを行った視聴者から、「訴訟資料は、既に裁判所に提出済みであり、開示済みの資料と考える。よって訴訟資料のコピーをいただきたい。」として、再検討の求めがあった。

3. 不開示としたNHKの見解の要旨
   「訴訟資料は、すでに裁判所に提出済みであり、開示済みの資料と考える。」という主張については、まず、裁判の公開原則は、裁判の公正と客観性を確保するために設けられている原則であって、NHKが実施している情報公開の仕組みとは趣旨・目的が違うものであり、裁判所に提出済みであることをもって開示済みとみなすことはできない。また、裁判所における訴訟記録の閲覧については、民事訴訟法第91条第5項で「訴訟記録の閲覧、謄写及び複製の請求は、訴訟記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。」という制限がついており、係争中の事件の訴訟記録を第三者が閲覧することは、極めて難しいのが実情である。したがって、裁判所に提出済みであることをもって「開示済み」と言うことはできない。
 また、この裁判は、現在係争中であり、NHKは被告・被控訴人の立場にある。この訴訟に関係しない第三者が、裁判所における閲覧制度ではなく、情報公開の仕組みを使って訴訟資料を入手するというのは、特定の当事者間の係争のための文書であるという性格からみても、なじまないものである。
 なお、NHKはこの程、控訴審で東京高等裁判所に提出した準備書面のうち、編集過程を含む事実関係の詳細を記した部分をホームページ等で公開したが、これは「政治家からの指摘を受けて、番組が改編された」などとする一部の報道に基づく視聴者の誤解があり、この件に関しては視聴者の誤解を払拭することが何より大切と考え、編集過程を含めた事実関係の詳細を明らかにしたものである。

4. 審議委員会の判断
   本件開示の求めは、「コンプライアンス推進室が『放送法第3条およびNHK倫理・行動憲章に違反する不法行為は認められない』との調査結果の元となった内部報告書(報道資料ではない)、調書、訴訟資料など、関連資料全て」の開示を求めるものであるが、本件当たって参考にされた訴訟資料は、NHKの説明によれば、再検討の求めは、そのうちの「訴訟資料」の開示を求めるものである。
 この「訴訟資料」とは、「問われる戦時性暴力」の放送に関する民事訴訟に関してNHKが収集または作成した文書のうち、調査結果の元となった文書であると解されるところ、この調査に第一審の第1〜第5準備書面であると認められる。
 本来、訴訟資料は、すべてが争訟に関する情報であって、その性質上、開示することによりNHKの訴訟活動に支障を及ぼすおそれのあるものであるから、NHK情報公開規程第8条第1項第1号の不開示情報に該当するが、NHKが裁判所に提出した準備書面については、副本が訴訟の相手側にも渡っているため、それが開示されることによって訴訟活動に支障を及ぼすおそれがあるものと言うことはできない。なお、NHKが裁判所に提出した準備書面は、裁判所の訴訟記録の一部となり、何人も閲覧することができるが、実際に閲覧するには多くの制約があり、このことをもって、NHK情報公開規程第8条第2項第1号の「すでに公にされ何人も知り得る状態に置かれているものまたはそれに準ずる状態に置かれているとみなすことができるもの」に該当すると解することはできない。
 本件再検討の求めの対象となる第一審の第1〜第5準備書面には、開示してもNHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあると認められる記述はない。ただし、これらの文書中の個人の氏名は、NHKが既に公表しているNHK役職員および番組の出演者を除き、個人情報であるから開示すべきではない。

5. 審議の経過
 
平成17年   5月26日  (第43回審議委員会)  第26号諮問
    6月 9日  (第44回審議委員会)  審議
    6月30日  (第45回審議委員会)  審議
 
7月14日
 (第46回審議委員会)  審議
 
7月28日
 (第47回審議委員会)  審議
 
9月 8日
 (第48回審議委員会)  審議
 
9月22日
 (第49回審議委員会)  審議
   10月13日  (第50回審議委員会)  審議・答申


答申第27号 平成17年10月13日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第28号に対する意見

1. 審議委員会の結論
   NHKが子会社および関連会社の2002年9月以降の役員のうちの退職国家公務員を開示し、2002年8月以前の子会社と関連会社および開示が求められている期間の関連公益法人の役員のうち、退職国家公務員と確認できた者を情報提供したこと、および顧問・職員のうちの退職国家公務員等については、文書不存在としたことは妥当である。

2. 再検討の求めに至る経緯
   「1997年1月1日から2005年1月27日までの間に、NHKの子会社23社と関連会社4社、福利厚生団体を除く関連公益法人7法人に在籍した顧問、役員および職員のうち、その在籍以前に国家公務員の地位にあった人すべての氏名、生年月日、国家公務員としての最終役職名とその退職、退官年月日、NHKの子会社、関連会社、関連公益法人の役職員への就任日と退任日、その役職名等の経歴が記された文書、図画、電磁的記録。」という開示の求めがあった。
 これに対してNHKは、「特殊法人等整理合理化計画」(2001年12月閣議決定)に基づく国の要請により、2002年9月以降は、NHKの子会社および関連会社の役員の中で在籍以前に国家公務員の地位にあった人の氏名、国家公務員としての最終役職名を把握し、ホームページで公開しており、開示の求めに対しても開示した。しかし、2002年8月以前の子会社および関連会社の役員のうちの退職国家公務員、関連公益法人7法人、顧問、職員、生年月日、国家公務員としての退職・退官年月日については把握しておらず、該当する文書がないため開示できないとした。
 ただし、2002年8月以前の子会社および関連会社の役員および関連公益法人の役員の中で、在職以前に国家公務員であることが確認できた者の氏名については、情報提供した。
 これに対して、求めを行った視聴者から「これらの子会社等の役員選任の基準は、一般の企業等に比べてもより高い公共性を有するものであり、国の要請がなければ国家公務員経験者の最終経歴を把握せず、文書が不存在であるとはとうてい承服できない。」として、再検討の求めが行われた。

3. 不開示としたNHKの見解の要旨
   関連団体の役員の経歴について、NHKは、関連団体から毎年度の株主総会資料等、役員の経歴を記した資料の提出を受け、5年間保有している。NHKでは、この経歴に基づき、常勤役員については最終職歴等、非常勤役員については就任時の現職等を記した役員の一覧表を作成しており、求めの対象となっている1997年以降について、保有している。
 これらの文書のうち、関連団体から提出をうけた役員の経歴は、必ずしも過去の職歴の全てが記載されている訳ではないため、2002年8月以前については、過去において国家公務員であった者を漏れなく確認できる文書とはなっていない。
 またNHKが作成した役員の一覧表は、この役員経歴のうち最終職歴等を記載したものであり、2002年8月以前については、退職国家公務員を漏れなく確認できる文書とはなっていない。
 また、関連団体のうち関連公益法人については、開示を求められている期間の退職国家公務員を漏れなく確認できる文書は保有していない。

 関連団体の役員を常勤、非常勤に区分すると、まず常勤役員については、保有している文書と関連団体に対する調査によって、今回情報開示および情報提供した役員が退職国家公務員の全てであることを確認している。
 一方、非常勤役員については、関連団体に出資している民間企業や地方自治体の役員、あるいは学識経験者など外部から来ている場合があり、この中に例えば、国家公務員が退職後に民間企業に再就職し、出資企業の役員としてNHK関連団体の非常勤役員に就任するなど、就任時の現職以前に国家公務員であったケースがあり得る。関連団体の非常勤役員についてNHKでは、就任時の現職に着目してきたため、2002年8月以前の子会社と関連会社および開示を求められている期間の関連公益法人の非常勤役員については、こうした現職以前に国家公務員であったケースを漏れなくは確認してはおらず、文書を作成していなかったものである。
 退職国家公務員の生年月日、国家公務員としての退職・退官年月日および顧問、職員の職歴等について、NHKでは関連団体からの提出を求めておらず、該当する文書は保有していない。

4. 審議委員会の判断
   本件再検討の求めに該当する文書は、役員に関しては、NHKが関連団体から提出を受けている株主総会資料等、役員の経歴を記した文書と、それに基づいてNHKが役員の最終職歴等を記載して作成した一覧表であると認められる。このうち株主総会資料等は5年で廃棄され、役員一覧表は、開示が求められている1997年以降について、保有している。
 NHKでは、「特殊法人等整理合理化計画」に基づく国の要請がある以前は、関連団体の役員について、就任時の現職に着目していたため、2002年8月以前の子会社と関連会社および1997年以降の関連公益法人の役員について、退職国家公務員を漏れなくは確認しておらず、そうした文書を作成していなかったと説明している。
 こうしたNHKの説明に不合理な点はなく、2002年8月以前については、NHKの保有している文書が退職国家公務員を完全に網羅しているとは言い切れないため、そうした確認ができている2002年9月以降の子会社と関連会社について情報開示し、それ以前の期間および関連公益法人については、確認できた退職国家公務員について情報提供したNHKの判断は妥当であると判断する。
 その他、職員等の中の退職国家公務員などについて、文書を保有していないとするNHKの説明に不合理な点はなく、NHKの判断は妥当であると判断する。

5. 審議の経過
 
平成17年
7月14日
 (第46回審議委員会)  第28号諮問
 
7月28日
 (第47回審議委員会)  審議
 
9月 8日
 (第48回審議委員会)  審議
 
9月22日
 (第49回審議委員会)  審議
   10月13日  (第50回審議委員会)  審議・答申


答申第28号 平成17年10月13日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第29・30号に対する意見

1. 審議委員会の結論
   NHKの関連団体の個々の常勤役員の報酬および退職金は、NHK情報公開規程第8条第1項第3号の個人情報に該当し、不開示としたNHKの判断は妥当である。

2. 再検討の求めに至る経緯
   1997年1月1日から2005年1月27日までの間に、NHKの子会社23社と関連会社4社、福利厚生団体を除く関連公益法人7法人に在籍した全常勤役員について、「その氏名と、この間に得た一切の報酬」(諮問第29号)および「そのうち、この間に退職した人の氏名と、その際に支払われた退職金」(諮問第30号)の「金額およびその明細を記した文書、図画、電磁的記録。」という開示の求めがあった。
 この求めに対してNHKは、報酬金額と退職金額およびそれぞれの明細を記した文書は、NHK情報公開規程第8条第1項第3号の個人情報に該当するため、いずれも開示できないとした。
 これに対して、求めを行った視聴者から、2003年9月9日付の総務大臣通知、『独立行政法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準の発表方法等について(ガイドライン)』や、2003年12月19日に閣議決定された『独立行政法人、特殊法人および認可法人の役員の退職金について』において、独立行政法人等の役員の報酬や退職金の支給額の公表が求められており、「公共性のきわめて高いNHKが高度の職責を有する役員の報酬、退職金を『個人識別情報』との理由をもって不開示としたのは、きわめて正当性を欠くことは明らかだ。」として再検討を求めた。

3. 不開示としたNHKの見解の要旨
   まず、再検討の求めを行った視聴者が、開示を求める根拠として援用している総務大臣通知や閣議決定は、独立行政法人等の、いわゆる「本体」を対象とするものであって、その子会社、関連会社、関連公益法人を対象とするものではないと考える。
 関連団体の個々の常勤役員の報酬や退職金は、役職の重要性や業績の達成度合いなどを踏まえて、それぞれの関連団体のルールに則って定めているものであるが、NHKでは、関連団体の役員の報酬や退職金が世間の相場に比べて適切な水準の範囲内にとどまるよう、様々な形で関連団体に対する指導・監督を行っている。
 NHKとしても、関連団体の常勤役員の報酬や退職金について、関連団体において、どのように情報公開を進めていくべきか、検討を進めていく必要があると考えているが、常勤役員の報酬や退職金を特定個人の名前とセットにして公開することはNHK情報公開規程第8条第1項第3号の個人情報に当たり、明らかにその者のプライバシーを侵害する結果となるので、不開示とした。

4. 審議委員会の判断
   NHKは平成14年(2002年)7月1日に定めた「関連団体運営基準」により、関連団体の役員等の報酬や退職金については、NHKとの事前協議(社長および理事長)またはNHKに対する報告(その他の役員等)を行うことと定めており、関連団体からこれらの文書の提出を受けている。「関連団体運営基準」が制定される以前についても、これらについての文書の提出を受けており、開示が求められている1997年以降の文書を保有している。
 開示の求めは、1997年1月1日から2005年1月27日までの間の関連団体の全常勤役員について、その氏名と報酬(諮問第29号)およびこの間に退職した人の氏名と退職金(諮問第30号)であるが、NHKの関連団体といえども、それぞれ独立した企業、法人であり、個々の役員の報酬や退職金については、不開示情報を定めたNHK情報公開規程第8条第1項第3号の個人情報に該当し、不開示としたNHKの判断は妥当である。

 NHKの関連団体は、「受信料で成り立つ公共放送NHKの使命達成に協力することを基本として、視聴者・国民の期待と信頼にこたえる事業活動を行うことが求められて」(「関連団体運営基準」前文)おり、高い公共性と事業運営の透明性を確保する必要がある。したがって、NHKは、関連団体の経営情報については、これまで以上の情報公開に努めるべきであり、特に役員等の報酬と退職金の水準等についての情報公開を検討すべきである。

5. 審議の経過
 
平成17年
7月14日
 (第46回審議委員会)  第29、30号諮問
 
7月28日
 (第47回審議委員会)  審議
 
9月 8日
 (第48回審議委員会)  審議
 
9月22日
 (第49回審議委員会)  審議
   10月13日  (第50回審議委員会)  審議・答申


答申第29号 平成17年11月10日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第33・34号に対する意見

1. 審議委員会の結論
   平成11年度から16年度までの各年度の理事・監事別退職金と受領した人員数を開示すべきである。

2. 再検討の求めに至る経緯
   今回の再検討の求めを行った視聴者から、役員の退職金について以下のような開示の求めがあった。
1 まず、平成11〜15年度の理事・監事への退職金の支給実績表と、理事・監事の退職金規程の開示の求めがあった(平成17年1月26日)。これに対してNHKは、支給実績表は個人情報に当たるため不開示とし、平成11〜15年度の退職金の決算額(総額)を情報提供した。また、「役員退任慰労金支給基準」を開示した。
2

続いて、経営委員会における理事等の退職金の承認議事録(平成11〜15年度)の開示の求めがあった(平成17年3月8日)。これに対してNHKは、情報公開している平成12年1月以降分を部分開示した。

3 さらに、平成11〜15年度の理事・監事別の退職金と、退職金を受領した人員数の開示の求めと、16年度についても同様の開示の求めがあった(平成17年4月8日)。これに対してNHKは、理事・監事別の退職金を開示すると、個別の支給額を開示することと同等の意味合いを持つことになり、個人情報に当たるため不開示とした。
4 以上の不開示の判断に対し、「役員の退職金の総額と理事・監事に区分しての開示は、企業では行われています。NHKがそれさえも開示できないことには納得できません」として再検討の求めがあった。

3. 不開示としたNHKの見解の要旨
   平成11〜15年度および16年度の役員退職金の決算額を、理事・監事に区分して、対象人数も加えて開示すると、対象者が1名のみという年度があり、結果として、個別の支給額を公開することと同様の意味を持つことになり、NHK情報公開規程第8条第1項第3号の個人情報に当たるため、開示すべきではない。

4. 審議委員会の判断
   理事・監事別の各年度の退職金総額と対象人数を開示すれば、ホームページ等で公開されている退任役員の氏名と照合することによって、個別の役員の退職金額が識別できるケースがあり、こうしたケースについては個人情報に該当する。しかし、「視聴者からの受信料を財源とすることにかんがみ、視聴者に対する情報の公開にいっそう取り組み、その支持と信頼をより確かなものにしていく。」(「NHK情報公開基準」前文)というNHKの情報公開の趣旨、放送法で規定されている役員の職責等を勘案すれば、理事・監事別の各年度の退職金総額と対象人数は、個人情報といえども開示すべきと判断する。

5. 審議の経過
 
平成17年
9月22日
 (第49回審議委員会)  第33号、34号諮問
 

10月13日

 (第50回審議委員会)  審議
 
11月10日
 (第51回審議委員会)  審議・答申


答申第30号 平成17年12月 8日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第35号に対する意見

1. 再検討の求めに至る経緯
   受信料の不払いの理由について上位5つを記載した文書の開示の求めが視聴者からあった。これについてNHKは、該当する文書が存在しないため、開示できないとした上で、把握している収納困難の主な理由について、不在による面接困難、受信料制度の無理解、経済上の理由などがあると情報提供した。これに対して、この視聴者から「NHKに対する不払いが急増していると報道されている。契約者がどのような思いで、不払いになっているかどうかは経営管理の上で重要な情報であり、そのような文書は存在している。」として、再検討の求めがあった。  
 なお、本件開示の求めを行った視聴者は、受信料の不払いについて本件と同時に、過去5年間の不払い件数の月別、都道府県別推移の開示を求めており、この求めに対してNHKは、平成11年度から15年度の都道府県別滞納の推移を情報提供した。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
 
 本件開示の求めは、受信料の不払いについて同一視聴者から同時に、過去5年間の不払い件数の月別、都道府県別推移の開示が求められていることから、過去5年間の全ての不払い者を網羅し、統計的な意味合いを持つ不払い理由の調査結果の開示を求めているものと解される。
  受信料の不払い者について、契約収納業務を委託している地域スタッフが一軒一軒訪問して支払いを求めているが、面接できなかったり、対応を拒否されたりするケースが相当数あるほか、面接できても、訪問のたびに不払いの理由が変わるなどのケースも多いため、経営管理に生かせるような統計的な意味を持った不払い理由を把握することは極めて困難なのが実情である。収納率の向上には、個々の視聴者に対する粘り強い面接努力と説得活動を続けていくのが最も重要であるとの認識の下に、これまで網羅的、統計的な把握は行ってこなかった。このため、開示の求めに該当する文書は存在せず、不開示とした。  
  この視聴者は、その後出された再検討の求めの理由の中で、最近急増している不払いについて新たに言及していることから、改めて検討したところ、NHKでは昨年の秋以降、職員がこれらの視聴者に面接もしくは電話する「信頼回復活動」を5次にわたって展開し、その過程で面接や電話で接触することができた視聴者の意向について、NHKの様々な改革施策に生かすため、集計し、分類したデータを作成している。これらのデータは、過去5年間の全ての不払い者の不払い理由を網羅的、統計的に把握したものではないので、開示の求めに該当する文書には当たらないが、この視聴者に対して情報提供することができる。

3. 審議委員会の判断
   NHKは、本件開示の求めの対象に該当する文書として、同一視聴者から同時に出された受信料不払いに関する開示の求めと一連のものと受け止め、過去5年間の全ての不払い者を対象とした網羅的、統計的な調査結果と判断し、そうした調査は行っていないため、文書不存在とした。  
  しかし、NHKが情報提供することができるとしている、信頼回復活動で集計し、分類したデータは、本件再検討の求めの対象文書に該当すると考えられる。
  したがって、この文書を開示すべきである。

4. 審議の経過
 
平成17年
11月10日
 (第51回審議委員会)  第35号諮問
 

11月24日

 (第52回審議委員会)  審議
 
12月 8日
 (第53回審議委員会)  審議・答申


答申第31号 平成17年12月 8日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第37号に対する意見

1. 再検討の求めに至る経緯
   平成17年3月分のNHK正社員全員の給与を開示するよう、求めがあった。これについてNHKは、NHK情報公開規程第8条第1項第1号の「人事に関する情報であって、NHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの」および同項第3号の「個人に関する情報」に該当するため開示できないとした。  
  これに対して視聴者から、「平成17年1月25日付でNHKが発表した『再生に向けた改革施策』の中に『平成17年度予算から、年間給与など職員給与に関する情報の公表内容を拡充する。』と書かれていることの真意を確認するため」などの理由で、「個人名スミ塗り可」として再検討の求めが出された。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
   NHKが個々の職員ごとに作成している「賃金台帳」には、従業員番号、氏名、生年月日、性別、所属、役職名など職員個人に関する情報と、基準賃金・諸手当等の賃金支給額、各種保険料・所得税等の控除額が項目別に記載されており、個人の氏名を不開示にしても容易に特定の個人が識別でき、個人情報として不開示に該当する。

3. 審議委員会の判断
   賃金台帳は、NHKの全職員につき個別に給与等が記載された文書であり、本件再検討の求めの対象に該当する文書であると認められる。賃金台帳には職員の氏名や所属などが記されており、NHK情報公開規程第8条第1項第3号の個人情報に該当する。
  本件再検討の求めは、文書全体を開示できないときは、個人名を削除したうえでの開示を求めているが、個人名を不開示としても、賃金台帳には生年月日、所属、役職等が記載されており、特定の個人が識別される可能性があるので、その場合でもなお、個人情報に該当する。
  したがって、NHKが賃金台帳を不開示としたことは、相当である。

4. 審議の経過
 
平成17年
11月10日
 (第51回審議委員会)  第37号諮問
 

11月24日

 (第52回審議委員会)  審議
 
12月 8日
 (第53回審議委員会)  審議・答申


答申第32号 平成17年12月22日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第36号に対する意見

1. 審議委員会の結論
    平成16年9月から平成17年3月までの理事会議事録の中で、資金の不正使用問題とその善後策および受信料不払いの急増について議論された議事録のうち、契約によりNHKが守秘義務を課せられている法律事務所の名称を除き、開示すべきである。NHKと政治の関係の諸問題については、理事会の議事録は存在しないことが認められる。

2. 再検討の求めに至る経緯
   視聴者から、「平成16年9月以降平成17年3月までに開催された理事会の議事録全て」という開示の求めがあった。これに対してNHKは、「7ヶ月に及ぶ期間の理事会の議事録すべてを公開することは、長期間にわたるNHKの日々の業務執行に関係する事項を明らかにすることであり、NHK情報公開規程第8条第1項第1号の『事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの』に該当し、開示できない」とした。これに対して視聴者から、「企業でいう取締役会の謄写閲覧請求と事実上同じものであるため、NHKの回答は不本意であるが、再検討の求めとして、1NHKと政治の関係の諸問題(朝日新聞記事問題を含む)について議論された事項、2資金の不正使用問題に関して、事実関係の解明や、その善後策などについて議論された事項、3急増している受信料の不払いの事実関係や対応策について議論された事項、の3点について開示を求める。」として再検討の求めが出された。

3. NHKの見解の要旨
   当初の開示の求めは、長期間にわたって理事会で審議された案件の議事録すべてに対する開示の求めだったため、上記の理由で不開示とした。しかし、再検討の求めで対象範囲が絞られたため、求められている項目についての理事会の議事録を開示する。ただし、再検討の求めの1の案件は、理事会では審議されていないので、該当文書は存在しない。
 なお、再検討の求めを行った視聴者が「企業でいう取締役会の謄写閲覧請求と事実上同じものである」と述べている点について以下に付言する。NHKの理事会は、放送法第25条第2項により「定款の定めるところにより、協会の重要業務について審議する」と規定されており、審議機関である。協会の業務を執行する上での必要な決定は「協会を代表し、経営委員会の定めるところに従い、その業務を総理する」(放送法第26条)会長が行うことと定められている。さらに「協会の経営方針その他その業務の運営に関する重要事項を決定する権限と責任を有する」(放送法第13条第2項)経営委員会が最高意思決定機関である。したがって、NHKにおける理事会は、「企業でいう取締役会」とは位置付けや役割が全く違うものである 。

4. 審議委員会の判断
   NHKの「理事会運営規程」第9条で「理事会に議事録を備え、次の事項を記載する」として、「一 開催月日及び場所、二 開会及び閉会の時間、三 出席者の氏名、四 議案、五 議事の概要、六 その他必要と認められる事項」とされている。この規程に則って作成された文書として、審議事項と報告事項の標題および審議結果が記された文書と、議案を記した文書が存在し、これらが開示の求めに該当する文書である。この中で、再検討の求めの3項目のうち、1については、該当する案件が存在しないことが認められる。23については、該当する案件の議事録が存在する。このうち2の案件の中に、契約によりNHKが守秘義務を課せられている法律事務所の名称があるので、この部分を除いて開示すべきである
   
5. 審議の経過
 
平成17年
11月10日
 (第51回審議委員会)  第36号諮問
 

11月24日

 (第52回審議委員会)  審議
 
12月 8日
 (第53回審議委員会)  審議
 
12月22日
 (第54回審議委員会)  審議・答申


答申第33号 平成18年2月10日

NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第39号に対する意見


1. 再検討の求めに至る経緯
    視聴者から、「NHKを退職して関連会社に雇用(あるいはその逆)されたものの雇用履歴一覧(過去10年分)及びその者達に支払った退職金」という開示の求めがあった。これに対してNHKは、「『NHKを退職して関連会社に雇用(あるいはその逆)されたものの雇用履歴一覧(過去10年分)』は該当する文書が存在しない。また『その者達に支払った退職金』については、個人情報に該当し、開示できない。」とした。これに対してこの視聴者は、「海老沢元会長のように履歴のはっきりしているものも存在しており、それらを調査の上、開示すべき。また、子会社とNHK本体で受ける退職金は、すべて受信料から捻出されているので説明責任がある」として再検討の求めがあった。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
    NHKは、退職後、関連団体に再雇用された者の雇用履歴一覧を作成しておらず、文書は存在しない。
 NHKは、労働基準法第107条で義務付けられている労働者名簿、すなわち職員個々の履歴を人事発令ごとに記載したデータベースを作成しており、退職者についても、退職後10年間、保存・管理している。このうち、退職後、関連団体に再雇用された者については、概ね雇用先を付加情報として追記している。しかし、退職後、関連団体に雇用された者の履歴を一覧として記載した文書は作成しておらず、存在しない。その逆に、関連団体を退職し、NHKに雇用された者の履歴を一覧として記載した文書も作成しておらず、存在しない。
 そもそも、職員個々の履歴を記載した労働者名簿には、氏名や生年月日のほか、異動や昇進などすべての人事発令記録が記載されており、個人情報であり、不開示情報に該当する。
  なお、再検討の求めの理由の中に海老沢前会長の例が挙げられているが、前会長はNHK職員を退職後、NHKおよび関連団体の役員を歴任しているが、職員もしくは社員として関連団体に雇用された経歴はなく、開示の求めに該当する例ではない。NHKおよび関連団体の役員については、平成14年度以降、略歴を記載した一覧をホームページで公開している。
  関連団体に再雇用された個々の職員にNHKが支払った退職金については、個人情報であり、不開示情報に該当する。
  なお、再検討の求めの理由の中に「子会社の退職金は、すべて受信料から捻出されている」との記述があるが、子会社といえども個々に独立した事業を営む企業であり、退職金をはじめとする経費は、それらの事業によって賄われている。したがって、子会社の退職金は、すべて受信料から捻出されているものではない。また、NHKは子会社の個々の職員もしくは社員の退職金を記した文書を保有していない。

3. 審議委員会の判断
   NHKの職員および退職者の労働者名簿は、氏名、生年月日をはじめ、NHKに雇用されている期間のすべての人事発令事項が記載された文書であり、NHK情報公開規程第8条第1項第3項の個人情報に該当する。したがって、NHKが不開示とした判断は妥当である。
  関連会社に再雇用された個々の職員の退職金については、個人情報に該当し、不開示としたNHKの判断は妥当である。

4. 審議の経過
 
平成17年
12月22日
 (第54回審議委員会)  第39号諮問
平成18年

 1月12日

 (第55回審議委員会)  審議
 
 1月26日
 (第56回審議委員会)  審議
 
 2月10日
 (第57回審議委員会)  審議・答申


答申第34号 平成18年2月10日
NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の諮問第40号に対する意見

1. 再検討の求めに至る経緯
    視聴者から「不正経理告発の職員の処分理由」として、当該元職員を停職1か月とした処分の理由についての開示の求めがあった。これに対してNHKは、「本件の懲戒処分は、当該元職員が週刊誌に自ら実名を公表している事実があるとはいえ、開示により当該個人の権利利益を害するおそれがある。」として、不開示とした上で、「ただし、不正を外部に告発したことを理由に、この元職員に対し、懲戒処分を行ったものではない。」と情報提供した。これに対して視聴者から、「不正の外部告発をした特殊な場合であり、さらに個人的理由の処分にしては停職1ヶ月という極めて厳しい処置がされている以上、処分の説明責任があると考える。」として、再検討の求めがあった。

2. 不開示としたNHKの見解の要旨
   職員の懲戒処分については、原則として個人情報に当たるが、公共放送として視聴者への説明責任を果たすため、「免職処分」、「起訴猶予以上の刑事事件に関する処分」および「公金に関する処分」については、処分理由を開示している。しかし、本件の処分は上記のいずれにも該当しない。本人は去年の7月末に依願退職しており、開示すべき範囲に満たない在職中の処分を開示することは、現在の本人のプライバシーを著しく害するおそれがあり、NHK情報公開規程第8条第1項第3号の不開示情報に該当する。

3. 審議委員会の判断
    職員の懲戒処分はすべて個人情報に当たり、NHKが処分理由を公表する際も職員の氏名等、個人が特定される情報については、NHKが自ら公表している場合を除き、不開示としている。
 本件の当該元職員は、週刊誌等に実名で手記を掲載するなどしているため、本人は既に特定されている。特定個人の懲戒処分の理由については、NHK情報公開規程第8条第1項第3号の個人情報に該当し、不開示としたNHKの判断は妥当である。
  なお、本件懲戒処分の「処分説明書」によれば、処分理由は、不正を外部に告発したことによるものではないと認められた。

4. 審議の経過
 
平成17年
12月22日
 (第54回審議委員会)  第40号諮問
平成18年

 1月12日

 (第55回審議委員会)  審議
 
 1月26日
 (第56回審議委員会)  審議
 
 2月10日
 (第57回審議委員会)  審議・答申

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