母なる流れ 〜宮城県 石巻市北上町〜

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宮城県石巻市北上町。
東北一の大河「北上川」の河口に沿って広がる町です。震災で、津波は川をさかのぼり、深い爪痕を残しました。それでも、北上川に群生するヨシ原では、ことしも春の火入れが行われます。浜では、ワカメの出荷作業。すべてを失いながらも、作業場を再建し、船を手に入れ、海に向かう家族がいます。そして、さら地となった故郷に通い、畑を耕し続ける女性。集落では、春の祭りが復活します。復興へ歩む人々を訪ねる旅です。

地図
アクセス

<電車とバス>
東北新幹線「東京駅」→「仙台駅」→JR東北本線「石巻駅」→ミヤコーバス「石巻駅」→「飯野川」→北上地区住民バス「飯野川」→「北上中学校」(約5時間)

<車>
三陸道「石巻河北IC」→国道45号線→国道197号線(約30分)

再放送予定

5月19日(月) 午前11:05
5月24日(土) 午前 5:15

旅の見どころ

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北上川から海沿いに集落が連なる十三浜地区。漁業が盛んなこの地区で、震災後いち早く漁の再開を支えたのが、ワカメの養殖でした。淡水と海水がぶつかる荒波と、北上川が運んできた山の栄養が育む十三浜ワカメは、肉厚で風味豊かと知られています。
4月末、春が旬のワカメは、出荷が追い込み。漁師たちが水揚げしたワカメを、女性たちが次々と仕分けていきます。根気のいる作業ですが笑顔の絶えない、浜の風景です。

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北上川河口から6キロほど上流には、東北最大のヨシ原が広がります。かやぶき屋根の材料となるヨシ。北上川のヨシは、まっすぐで丈夫なため、今も日本各地の民家や文化財の屋根に用いられています。津波で7割がなぎ倒され水没しましたが、少しずつ回復してきました。「火入れ」は冬の刈り取りが終わったあと、古いヨシを燃やし、芽吹きを促すために行います。火入れから1週間ほどで、新芽が河原に広がります。

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東日本大震災で壊滅的な被害を受けた北上川河口の一帯は、再び災害が起きたときの危険が高いと、新たに住宅を建てることが禁じられました。それでも、ふるさとに思いを寄せ、かつて家のあった場所に通いながら畑を耕し、花を植える人たちがいます。
訪れた北上町吉浜には、さら地に畝(うね)が連なり、野菜は青々と実り、かれんに咲く花々の姿がありました。今も震災の爪痕が残るふるさとを、小さな命がそっと彩ります。

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※掲載情報は、放送当時のものです。情報が変わっている場合がありますが、ご了承ください。

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