【3月2日(日)放送】閑(しず)かさに 〜山形県 山寺〜〜

NHKオンデマンド
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山形市山寺。
年間70万人の観光客でにぎわう東北有数の観光地も、冬はひっそりと息をひそめます。雪に包まれ静かな山寺で聞こえてくるのは、故郷の暮らしの音です。門前町のみやげ店が、春に向けてお菓子を作る音。山の上のお寺に麓(ふもと)の家族が、参道を上ってやってくる音。お堂から聞こえる念仏。小学校では、小さな芭蕉(ばしょう)たちが音を俳句に表現します。地元の人々が「1年でいちばん美しい」という真っ白な山寺の静寂に、耳を澄ませる旅です。

地図
アクセス

<電車>
東京〜山形方面から:
山形新幹線「東京駅」→「山形駅」(約2時間45分)→JR仙山線「山形駅」→「山寺駅」(約20分)

東京〜仙台方面から:
東北新幹線「東京駅」→「仙台駅」(はやぶさ:1時間40分、やまびこ:2時間10分)→JR仙山線「仙台駅」→「山寺駅」(約1時間)


<車>
山形自動車道:
山形北IC→県道19号線→山寺(約20分)


再放送予定

3月6日(木) 午前11:05
3月8日(土) 午前 5:15

旅の見どころ

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山寺の門前町は、立谷川に沿って細長く伸びています。江戸時代、参勤交代に伴う街道の整備や、松尾芭蕉が訪れたという評判などによって、大きく発展したとされています。立谷川沿いには、雪国の冬の風物詩、しみ大根やしみ餅が干されています。山から下りてくる猿に、大切な保存食を食べられないようにする知恵です。門前町の暮らしを守ってきた立谷川の流れる音が、静かな冬、ひときわ大きく響きます。

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観光客が少ない冬、門前町の店の多くは休業します。そのひとつ、3代続く和菓子店で、手作りの味を守るのが佐藤淳さんです。冬の間、日もちのする和菓子「もろこし」を毎日800枚作り、春からの開店に備えます。小豆の生地を「打ち木」で打ち固める音が、静かな門前町に響く冬。伝統のリズムは、生地の具合を確かめながら、密度を整えている証しです。地元の人からは、「まだまだ、おやじの音じゃない」とからかわれるのだとか。

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松尾芭蕉が「閑(しずか)さや 岩にしみ入る 蝉(せみ)の声」の句を残し、俳句の文化が根づいた山寺。老若男女、みな俳句をたしなみます。地元の山寺小学校では、毎月俳句の授業があります。四季おりおり、一期一会の輝きを詠み込む俳句。雪どけ水の流れや朝の鐘、屋根から落ちる雪・・・子どもたちのみずみずしい感性が、ふるさとの冬の音を捉えていきます。こちらは、4年生の滝口政宗くん。「山寺の 雪がふる音 シンシンと」と詠みました。

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※掲載情報は、放送当時のものです。情報が変わっている場合がありますが、ご了承ください。

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