【1月12日(日)放送】たいせつな看板 〜茨城県 石岡市〜

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商人の町として知られる茨城県石岡市。
町の通りには、「看板建築」という西洋風の建物が20軒ほど立ち並びます。町は昭和4年大火に見舞われ、その復興に伴う道路拡幅のために軒先を削った「看板建築」が採用されました。当時の佇(たたず)まいそのままに残る履物店では、80歳女性の手仕事の技が息づいています。そして女性3代で守り継いできた理容店。復興を手がけた左官職人の孫も、その仕事を継いでいます。町の誇り、看板建築に込めた思いに触れる旅です。

地図
アクセス

<電車>
東京方面から:
JR常磐線(特急ひたち)→石岡駅(約1時間)
水戸方面から:
JR常磐線(特急ひたち)→石岡駅(約20分)

<車>
東京方面から:
常磐自動車道(水戸方面へ)→千代田石岡IC→石岡市(東京から約1時間)
水戸方面から:
常磐自動車道(東京方面へ)→千代田石岡IC→石岡市(水戸から約20分)


再放送予定

1月16日(木) 午前11:05
1月18日(土) 午前 5:15

旅の見どころ

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昭和4年の石岡大火の後、中町通りで最初に再建された看板建築「十七屋履物店」。復興のシンボルと呼ばれました。建物中央にある白い飾りは、下駄(げた)に使う材料、桐(きり)の花をイメージしたものだといいます。4代目店主・宮内ゆうさん(80)は、昭和32年、24歳で嫁いで以来、この店を守ってきました。100種類近くの下駄、雪駄(せった)の並ぶ店は、ともに店を切り盛りし、8年前に亡くなった夫との思い出が詰まっています。

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街で最も古い看板建築のひとつ、築86年、女性3代で守り継がれてきた「平松理容店」。西洋風のハイカラな外壁や、古代ギリシャ風のアカンサスの葉をあしらった飾りなど、当時の流行を取り入れたデザインから「西洋床屋」と呼ばれ地元の人たちから愛されてきました。現在店を切り盛りするのは3代目の平松美代子さん(62)。初代店主の平松志なさんは、戦争で夫と2人の息子を兵隊にとられ、店をひとりで守りました。その先代からの「女は手に職を持たなければならない」という教えを胸に今日も店に立ちます。

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石岡大火の後、次々に建てられた看板建築。街の復興を担ったのは、全国から集まった左官職人たちでした。職人たちの中心となり、看板建築の多くを手がけたのが石岡の左官職人・土屋辰之助です。辰之助は昭和6年、大火で焼けた自宅も看板建築として建て直しました。しかし、東日本大震災で外壁の至る所に亀裂が入りました。辰之助の孫で3代目の左官職人・一毛芳昭さん(55)は、仕事のかたわら、傷ついた外壁の補修作業を行っています。

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※掲載情報は、放送当時のものです。情報が変わっている場合がありますが、ご了承ください。

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