【11月24日(日)放送】上手風(うわてかぜ)吹くころ 〜愛媛県 佐田岬半島〜

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長さ50キロ、一方で幅は狭いところで800メートルほど。急斜面が続く愛媛県佐田岬半島。
秋は上手風(うわてかぜ)と呼ばれる北西の風が吹きつけます。防風垣を大切に手入れし、斜面で柑橘(かんきつ)類を育てる農家。潮流も速い海で、風を読み、時に助け合いサザエやアワビを素もぐりで狙う男の海士(あまし)たち。今年度で閉校する小学校では、風の俳句を詠む子どもたち。そして岬には、ヒヨドリの大群が舞う。風とともにある暮らしを訪ねる旅です。

地図
アクセス

<電車・バス>
JR予讃線(特急)「松山駅」→「八幡浜駅」(約46分)→
三崎港行きの定期バスで約65分(1日3往復)

<車>
松山自動車道 松山IC→八幡浜IC→国道197号線(約2時間)
※半島内の公共交通機関はバスのみで、便数も限られているため、レンタカーが便利です。


再放送予定

11月28日(木) 午前11:05
11月30日(土) 午前 5:15

旅の見どころ

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秋、佐田岬半島で、江戸時代から続くと言われる伝統の素もぐり漁が佳境を迎えます。「海士(あまし)」と呼ばれる男たちが、カキダシという漁具を手にサザエやアワビ、ウニを狙います。風が強く、潮の流れも速い岬周辺の海は、秋は荒れる日が増え危険を伴います。しかしその風や潮が海底をかきまぜ、プランクトンや海藻がよく育つ豊かな漁場を作っています。海士歴28年の山下孝文さんは、上手風の吹く海で、仲間と助けあい漁を続けています。

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清見(きよみ)やデコポン、サンフルーツなど、柑橘栽培が盛んな佐田岬半島。上手風が直接吹きつける段々畑では、300軒以上ある柑橘農家が、果実を守る防風垣の手入れに追われます。緑の壁のように立ち並ぶ防風垣は、太陽の光を遮らない高さ、強風に耐えられる厚みを残して刈り込みます。柑橘農家の3代目、梶原孝一さんの畑の防風垣は、総延長4キロ以上。手入れは1か月近くかかりますが、枯れては植え直し大切に守り続けています。

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半島の先端にある佐田岬灯台で、地元の人々に冬の足音を告げるヒヨドリの渡り。対岸の大分県までは豊予海峡を挟んで14キロ。灯台付近は南へ渡る鳥たちの絶好の休息地となっています。北から、次々と集まるヒヨドリの群れ。上空からは、天敵のタカやハヤブサが狙っています。敵の攻撃を避けるため、海面ギリギリを飛び14キロの旅に出るヒヨドリ。多い年には1日5万羽、佐田岬の晩秋の風物詩です。

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※掲載情報は、放送当時のものです。情報が変わっている場合がありますが、ご了承ください。

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