福島県南相馬市。
海辺の地域・萱浜(かいはま)では、人々が震災と原発事故に向き合いながら生きています。今も、行方不明の仲間たちが戻ってこられるようにとこいのぼりをあげ続ける人。津波によって失われた海岸の松並木を復活させようとする若き苗木農家。行方不明の母が好きだった祭り「相馬野馬追」への参加を目標に、二人で歩む父と娘。あの日からまもなく2年。明日へ向かう人々と出会います。
<電車とバス>
東京から
JR東北新幹線→福島駅(約1時間30分)→
福島駅東口→福島交通・南相馬〜川俣・福島線→原町駅前(約2時間)
<JR常磐線によるアクセス>
東京駅から
JR東北新幹線「はやて」→仙台駅(約1時間40分)
仙台駅から JR常磐線→亘理駅(約30分)
亘理駅から JR常磐線→相馬駅→代行バス(約1時間)
相馬駅から JR常磐線→原ノ町駅(約20分)
※水戸経由では、南相馬市まで運行されていません。
再放送予定
3月14日(木) 午前11:05
3月16日(土) 午前 5:15
かつて萱浜(かいはま)は苗木の生産が盛んだった場所です。最盛期だった大正時代には、50軒の生産農家がいました。「萱浜黒土」と呼ばれる水はけのよい火山灰土によって、根がしっかりと伸び、丈夫な苗木が育ちます。現在、この地域で苗木生産をする農家は一軒だけになっています。津波を免れた高台に広がる苗木畑では、山や道路、公園などに植える樹木を種から育てています。コナラ、ケヤキ、モミジ、ヤマザクラなど70種類もの苗が出荷のときをまっていました。
南相馬を訪れるとよく見かけるのが厩舎(きゅうしゃ)。この地方の伝統行事「相馬野馬追」に出る馬です。毎年夏に開かれるこの祭りは千年の伝統をもち、甲冑(かっちゅう)に身を包んだ町の人たちが馬に乗り町を練り歩きます。震災後は、去年本格再開され、3日間で16万人もの人でにぎわいました。
春になると、祭り開場の雲雀ヶ原などでは、早朝に馬の運動のため乗馬する人の風景が見られます。
津波で多くの人が亡くなった萱浜。かつて集落があった場所に、こいのぼりが泳いでいます。あげているのは地元の農家、八津尾初夫さん。
いまだに行方のわからない仲間が家族のもとへ帰ってこられるようにと、震災の二か月後から今もあげ続けています。
※掲載情報は、放送当時のものです。情報が変わっている場合がありますが、ご了承ください。