【11月4日(日)放送】連綿と この手で 千葉県 東庄町

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利根川の下流にある千葉県東庄(とうのしょう)町。
江戸時代、利根川から江戸へ続く水運の拠点として栄えました。町には、当時から288年続くしょうゆ蔵があり、伝統を受け継ぐ親子が、季節ごとに移ろいゆく蔵の周りの自然も感じながら、大切に守ってきました。また、農業の歴史は古く、平安時代に切り開かれたという農地もあります。手入れの行き届いたやわらかな土で、特産の小かぶが収穫されます。故郷に息づく確かな暮らしを見つめる旅です。

アクセス

<電車>
JR「千葉駅」
JR総武線・成田線「笹川駅」または「下総橘駅」下車
(約1時間30分)

<車>
東関東自動車道 佐原香取IC→国道356号線→東庄町
(約50分)

再放送予定

11月8日(木) 午前11:05
11月10日(土) 午前 5:15

旅の見どころ

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東庄町の笹川地区はかつて利根川を使い、江戸への水運が盛んでした。利根川に通じる運河が町の南から北に走り、この両岸にあった河岸(かし)では、海から運ばれてきた東北諸藩の年貢や、近隣の九十九里産の干しか(肥料)、米や酒といった産品が積まれました。時代とともに、水運は鉄道、そして陸運に代わり姿を消しましたが、町には水運がもたらした米・野菜作り、醸造などの産業がいまも残り、その面影を伝えています。

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江戸時代に東庄の産品として運ばれたもののひとつが「しょうゆ」です。多田庄兵衞さん・敬次郎さん親子は、288年続く蔵を守り、昔ながらの杉の桶(おけ)でしょうゆ造りをしています。蒸した大豆といった小麦に種麹(たねこうじ)を混ぜて作った麹(こうじ)と、海水の4倍の濃度の塩水を合わせ、1年ねかせてもろみを作ります。蔵にすむ酵母や乳酸菌といった微生物が桶の中に入り、もろみを熟成させます。命を感じながらしょうゆ造りに打ち込みます。

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千葉県は小かぶの生産が全国1位。東庄町は柏市に次ぐ産地です。品種改良の結果1年中収穫が行われ、京浜市場に出荷されます。小かぶは傷つきやすく、栽培にはじゃりのない、やわらかい土が欠かせません。平安時代に荘園(しょうえん)として切り開かれ、長年人の手で小石が取り除かれてきた下総台地は栽培に最適です。農家では小さな雑草も見逃さず人の手で丁寧に抜くなど、土を大事にして小かぶを育てています。

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※掲載情報は、放送当時のものです。情報が変わっている場合がありますが、ご了承ください。

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