【7月31日放送】面影 ひらひらと舞って

山梨県 長坂町

NHKオンデマンド
写真
八ヶ岳山麓の高原の町、長坂町は、「森の宝石」といわれる国蝶“オオムラサキ”の全国有数の生息地。羽化が始まる7月、紫に輝く羽を持つオオムラサキが、次々と里を舞う。
深い森の中、亡き夫が愛した蝶の訪れをひとり待つ女性。オオムラサキがいる故郷の風景を守り、次の世代につないでいこうとする男性。そして、観察を続けてきた蝶の羽化に子供達は歓声をあげる。人々が小さな命に重ねる想いに出会う旅。
東北ブロックでの放送
地図
アクセス

<電車の場合>
JR身延線「日野春駅」か「長坂駅」下車

<車の場合>
中央自動車道「長坂」IC

8月4日(木)午前11:05
8月6日(土)午前 5:15

旅の見どころ

森の宝石

紫に輝く羽の美しさから“森の宝石”とも称される蝶、オオムラサキ。昭和32年には、「国蝶 に選ばれました。かつては、全国の雑木林に生息していましたが、都市化により激減。今では、準絶滅危惧種となり、幻の蝶とも言われています。
自分が生まれた木に戻って、卵を産み付けるオオムラサキ。豊かな緑と清流に恵まれた長坂町は、オオムラサキの楽園です。7月、いっせいに羽化を始める“森の宝石”が、いよいよ里に舞い降ります。

亡き夫の面影を重ねて

深い緑に囲まれた川辺に、かつて「蝶の宿」と呼ばれた温泉宿がありました。ここで、ひとり暮らす佐藤かほるさん(82)。5年前に亡くなった夫の定男さんと、夫婦二人で宿を切り盛りしていました。オオムラサキが大好きだった定男さん。その美しさを形に留めようと、夜ごと木彫りのオオムラサキ作りに熱中しました。敷地いっぱいの緑の木々は、沢山のオオムラサキに来てほしいと定男さんが植えたものです。佐藤さんにとって、オオムラサキが舞う夏は、今も定男さんと心通う特別な季節です。

故郷を舞う蝶

オオムラサキを育む長坂の豊かな森。
故郷の蝶を絶やすまいと、地域の人々が地道に続ける植林や草刈りによって守られてきました。北杜市立日野春小学校では、20年前からオオムラサキの飼育を続けていて、毎年、3年生が幼虫の成長を見守ります。待ちに待った羽化の日、生まれたばかりの“森の宝石”の輝きに子どもたちの笑顔がはじけました。
小さな命の躍動を心に刻み、故郷の自然を思う心が受け継がれていきます。

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※掲載情報は、放送当時のものです。情報が変わっている場合がありますが、ご了承ください。

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