2016年2月21日放送

再放送
  • 2月22日(月) 午前 11:05
  • 2月27日(土) 午前 5:15
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雪の里 しんしんと
~長野県 飯山市~

長野県北部にある飯山市。日本海からの湿った季節風によって、多い時は4メートルもの積雪を記録する全国有数の豪雪地帯です。ここには、深い雪と向き合いながら、共に暮らしてきた人々がいます。地域のお年寄りのために毎朝、雪をかきわけ新聞を配達し続ける主婦。冬山の魅力を伝えようとする山岳ガイド。女性たちは、冬の手仕事であるわら細工作りにいそしみます。しんしんと降る雪の中、助け合いながらたくましく生きる人々に出会う旅です。

飯山市の最北に一面を深い雪に覆われた小さな集落があります。ひときわ雪深いとされる温井地区。多いときには5メートルの雪が積もることもあります。厳しい暮らしを人々は知恵と助け合いで乗り越えてきました。家々を取り囲むように流れているのは「たね」と呼ばれる水路。山からの豊富な伏流水が、大量の雪をとかしてくれます。そして、春になると雪どけ水が田畑を潤し、おいしいお米や野菜ができるのです。

農作業ができない冬、この地域では稲わらを使って、米俵や草履などの日用品を作り、生活の糧としてきました。時代の移り変わりとともに失われつつあった習慣ですが、伝統を受け継ぎたいと、今も女性たちの手によって続けられています。この道60年のベテラン、高橋春子さんは「わらを編んでいると、雪の大変さも忘れる」とほほ笑みます。今では、地元の土産物屋にも置かれているわら細工。外国人観光客の体験ツアーが組まれるほどの人気ぶりです。

温井地区に程近いなべくら高原は雪遊びで人気の場所。冬はたくさんの観光客でにぎわいます。人々は深い雪の中でも歩くことができるスノーシューをつけて、ブナの木が生い茂る雪原へと繰り出します。案内するのはガイドの山川徳明さん。「標高の高い山と違って、ここは人が生活をしてきた山」。そう語る山川さんも、人と自然が調和する里山に魅せられた一人。大雪原にはきょうも、雪と戯れる人々の姿があります。

旅人 国井雅比古から

冬の豪雪地帯の暮らしは厳しい。しかし、前回の中之条町もそうだが、この温井でも、冬に生きる地域の人たちの知恵と、手作業を通じて継承してきた文化が活きていることに感動した。この身体の深くまで染み込んだ文化はちょっとやそっとではなくならない。経済性や合理性を超えて、生きる支えとなっている。願わくは全国のどこにでも伝わっているだろうこうした文化が次世代に引き継がれることを!

飯山市温井地区へのアクセス

<電車>
JR「飯山」駅→「戸狩野沢温泉」駅→長電バス「温井線」で15分

<車>
上信越自動車道「豊田飯山」ICから車で30分

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問い合わせ先

わら細工について
いいやま観光局
0269-62-7000
鍋倉山での雪遊び体験について
なべくら高原・森の家
0269-69-2888

※NHKサイトを離れます